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2026.03.20

エリックサウス直伝「本格バターチキンカレー」人気レシピ。甘さ控えめで米にも合う!

バターチキンカレーでき上がりイメージ

本場インドのカレーのなかでも「バターチキンカレー」は、子どもも食べられるほど辛さがマイルドかつ、味わいも甘く濃厚。日本において不動の人気一位といえる存在です。とりわけ焼きたてナンとの組合せはお約束ですよね。

レシピも多く出回っているので、おうちで再現しようといろいろと試してみましたが、本格カレー好きとしては「もっとスパイスが効いていて、軽い味わいがいいな…」とだんだん感じるようになっていたところ。

「それならば、甘みを控えてトマトの酸味を立たせた、ごはんにも合うようなすっきりとした味わいの、本場インドのバターチキンカレーはいかがです? 日本のバターチキンカレーに物足りなさを感じている人でも気に入るはずです」

そんな提案をしてくださったのは、伊勢丹新宿店のカレーフェスでもたびたび登場する、大人気の南インド料理専門店<エリックサウス>総料理長の稲田俊輔さん。南インド料理だけにとどまらず、独自のスパイス理論に基づいて料理を開発することを得意としています。

「ガラムマサラ(ミックススパイス粉)を手作りするなど、レシピには私のこだわりが詰まっていますが、どなたでも美味しく作れるよう、作りやすさと再現性を追求しています。まずはレシピ通りに作ってみてください」

<エリックサウス>のカレーといえば、絶妙なスパイス使いや、素材の持ち味を引き出した緻密で繊細な味が魅力。さらに、独自のロジックで美味しさを追求したレシピ本を多く手掛けている稲田さんなので、これは期待が高まります! まずは作り方のポイントをチェックする前に、インドと日本のバターチキンカレーを比較してみましょう。

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本場インドのバターチキンカレーとは? 実は甘みはなく、とても酸っぱい!

日本にインドカレーを普及させた立役者、といっても過言ではないバターチキンカレーは、北インド料理店の代名詞的なカレーです。ところが稲田さんによると、本場インドの味わいは、私たちが普段口にしているものとはかなり違うというから驚きです!

「本場インドのバターチキンカレーにはいろいろなタイプがありますが、実は日本のものほど甘くなく、しっかり酸味を効かせたものが多いんです。トマトの酸味に加え、鶏肉にもレモンをがっつり染み込ませて作ります。生クリームは使わず、その代わりバターの油脂が層になるくらいたっぷりと使われるタイプもあります」

そこまで違うとは…。

「ナンを合わせるのはインドでも定番ですが、そのナンも日本のもののように甘くてフカフカしているわけではなく、もっとハードかつシンプルです。日本で多く出回っているバターチキンカレーは、欧米人向けのインドレストランで生まれた味が日本に入ってきて、さらに日本人の口に合うように甘くマイルドなったんですね」

なんと、欧米を経由して、さらに日本独自の進化を遂げていたのですね。

「日本で多く出回っているバターチキンカレーは、確かにインドカレービギナーに人気ですが、インド料理に精通し、多種多様なスパイスの香りや辛みを立たせたカレーを好む、いわゆるカレーマニアにとっては『物足りない』と感じるカレーでもあります。今回はどちらも満足できるような、オリジナルのバターチキンカレーをご紹介します」

スパイシーだけど、食べやすい。そんなイメージが湧いてきました! さっそくレシピのポイントをチェックしていきましょう。

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<エリックサウス>稲田流「バターチキンカレー」4つのポイント

カレーでき上がりイメージ

「今回ご紹介するバターチキンカレーのレシピは、高貴な香りで知られるカルダモンを香りの軸にしたカレーソースに、ガラムマサラを効かせたマリネ液に鶏肉を漬けて焼いた『チキンティッカ』を合わせ、全体的な甘さを控えて仕上げるのが特徴です。それぞれのポイントについて詳しく解説しますね」

【ポイント①】ガラムマサラはホールスパイスを挽いて手作りする! 香りの良さが段違いで、仕上がりに差がつく

スパイス類のイメージ

「ガラムマサラとは、カレーに欠かせないスパイスをブレンドしたミックススパイス粉のことです。市販品を使ったり、複数のパウダー(粉末)スパイスを自分で調合したりするのもお手軽です。でも私が断然おすすめしたいのは、自分でホール(粒)スパイスを挽いて調合し、手作りすること!

自家製のガラムマサラは、一度使ったら市販品には戻れなくなるほど風味が格別です。カレーの仕上がりに大きな差がつきますし、一度作れば保存がききます。電動のミルをお持ちなら、ぜひ挑戦してみてください」

記事の最後で、ホールスパイスを挽く作り方と、簡単にパウダースパイスを混ぜるだけの作り方の2つをご紹介します。

【ポイント②】チキンにスパイスを効かせ、オーブンで香ばしく焼き上げる。マイルドなカレーソースとのコントラストが美味しさを生む

チキンティッカ焼き上がりイメージ

「本場インドのバターチキンカレーは、本来は骨付きタンドリーチキンをシンプルなソースでさっと煮込んで作ります。今回は骨なしの肉を使うので『チキンティッカ』と呼びますが、タンドリーチキン同様、スパイスをしっかり効かせたマリネ液に漬け込んでから香ばしく焼き上げます。

このチキンティッカは、それ自体しっかりとスパイシーな肉料理としていったん完成させます。そこに香りの方向性も少し違うマイルドなカレーソースを合わせることで、全体の味わいに立体感とコントラストが生まれるのです。

インドでは、チキンティッカをタンドールと呼ばれる甕(かめ)でできた窯に入れて焼いていますが、家庭ではフライパンではなく、オーブンを使って焼くのがおすすめです。より香ばしく焼き上がり、味の再現度が高くなります。

チキンティッカの作り方を覚えておくと、インド料理の献立作りにも役立つので、ぜひマスターしてください」

【ポイント③】カレーソースに生トマトでフレッシュさを、はちみつで自然な甘さをプラス。すっきり上品な味だから、ごはんにも合う!

「一般的な日本のバターチキンカレーは、砂糖で甘さをしっかりとつけますが、私のレシピでは、自然な甘さのはちみつを使います。カレーソースとよく馴染み、豊かな香りがいわば“スパイスの一種”として華を添えます。

さらに重要なポイントは、生のトマトを煮詰めて使うこと。トマト缶では出せないフレッシュな風味とふくよかな酸味が生まれます。

日本で出回っている甘く濃厚なバターチキンはごはんとの相性があまりよくありませんが、このカレーは深いコクがありながらも、すっきりと上品な味わいに仕上げているので、ごはんもばっちり合います」

【ポイント④】鍋の重量を量って、カレーソースの煮詰め具合を見極める。面倒でもカレー作り上級者への近道になる!

「バターチキンカレーは、カレーソースを煮詰めるとき、どのタイミングで火を止めるかえを判断できるようになれば、プロのような味に仕上げることができます。

そこで私がおすすめする方法は、何も入っていない鍋の重量を量ってから、カレーソースを作り、ある程度煮込んでから再計量することで、理想的な煮詰め具合を見極めること。

最初は、鍋ごと計量するなんて面倒だと感じるかもしれませんが、数値で煮詰め具合を把握することで、いつしか慣れてきて計量しなくても判断できるようになります。つまり計量こそ、カレー作り上級者への近道といえるのです」

バターチキンカレーは、鶏肉はソースに入れて煮込むものと思い込んでいました。本場インドでは、鶏肉は煮込まずに別で焼いて、最後にカレーソースと合わせる作り方だとは知りませんでした!

ほかにも、スパイスを自分で挽いて手作りすること、鍋の重さを量って煮詰め具合を判断することなど、今まで一度もやったことがない、プロのテクニックが多くて驚きました。

【プロ直伝】本格バターチキンカレーのレシピ

まずはバターチキンカレー作りについて、全体の流れをイメージしておきましょう。

【バターチキンカレー作り方の流れ】

・できれば、ガラムマサラは手作りする
・【チキンティッカ】の鶏肉をマリネする(1時間~一晩)
・【カレーソース】を作り始める➡煮ているあいだに【チキンティッカ】をオーブンで焼き始める➡これらを合わせて完成

「カレーソースと具のチキンティッカが同じタイミングででき上がるように、カレーソースを煮始めたら、チキンティッカをオーブンに入れます」

では、実際に作っていきましょう。

<材料>(2人分)

チキンティッカの材料

【チキンティッカ】

  • 鶏もも肉(皮を除き、ひと口大に切る)…200g
  • プレーンヨーグルト…30g
  • しょうがのすりおろし…2g
  • にんにくのすりおろし…2g 
  • パプリカパウダー…3g
  • ガラムマサラ…2g
  • カイエンヌペッパー…0.5g(小さじ1/4)
  • ターメリックパウダー0.5g(小さじ1/4)
  • レモンの絞り汁…4g
  • 塩…2g

「カイエンヌペッパーとは唐辛子の粉末のこと。バターチキンカレーの辛さの決め手となります。商品によって辛さに差があり、辛いのが苦手な場合は半分に減らすなど、調整してもいいでしょう」

カレーソース材料

【カレーソース】

  • バター(食塩不使用)…20g
  • カルダモンホール(サヤをヘラで押して軽く割る)…2~4粒
  • カシューナッツ(無塩、粗く砕く)…20g ※生、加熱済のどちらでもよい
  • しょうがのすりおろし…2g
  • にんにくのすりおろし…2g
  • 生トマト(ざく切り)…300g
  • 水…30g
  • ガラムマサラ…1g
  • 塩…2g
  • はちみつ…10~20g ※ごはんと食べる場合は、お好みで減らしても
  • 好みでカスリメティ…ひとつまみ ※インド料理で定番のハーブ。フェヌグリークというマメ科の植物の葉を乾燥させたもので、甘い香りとやさしい苦みがある
  • 生クリーム…60g

※カレー作りにおすすめのフライパン鍋について
「鍋としても使いやすい、直径20cmの深型フライパンを愛用しています。多くのインドカレー作りは炒める作業がとても大事で、焦げつきにくいフッ素樹脂加工がされているものがおすすめ。これ1つあれば、2~4名分のカレー作りに重宝します」

<作り方>

1. 【チキンティッカ】を仕込む。ボウルにすべての材料を入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で寝かせる(マリネする)

チキンを漬けたイメージ

ボウルに【チキンティッカ】の材料を入れ、よく混ぜ合わせる。ラップをかけて冷蔵庫に入れ、1時間~一晩寝かせる。

「長く寝かせるほど、鶏肉にスパイスや味が入って美味しくなります。寝かせる時間がない場合は、しっかり手でもみ込んでから、すぐに使ってもいいでしょう」

2. オーブンの天板にクッキングシートを敷き、1.の【チキンティッカ】を並べておく。オーブンは200℃に予熱しておく

チキンを並べたイメージ

オーブン用天板にクッキングシートを敷き、1.の【チキンティッカ】を漬け汁ごと並べておく。オーブンは200℃に予熱しておく。

※オーブンがない場合は魚焼きグリルを使用する。【チキンティッカ】を直火調理可能な耐熱皿やバットに漬け汁ごと皮目を上にして並べる。魚焼きグリルは強火で予熱しておく。

3. 【カレーソース】を作り始める。鍋の重量を量ってメモしておく。バター、カルダモン、カシューナッツを入れて中火にかける

フライパンにバターを入れたイメージ

鍋そのもの重量を量ってメモしておく。鍋にバター、カルダモン、カシューナッツを入れ、中火にかけてヘラで炒める。

「カシューナッツを使うのもプロのテクニック。生クリームほどではありませんが、強いコクとマイルドさが加わります。トマトを加えて煮たあとにペースト状にすると、カレーソースにとろりとした濃度をつけることができます」

4. カルダモンから香りが立ってきたら、しょうが、にんにくを加えて炒める

にんにく、しょうがを加えるイメージ

バターが溶け、カルダモンの香りが立ってきたら、バターが焦げないうちに、しょうが、にんにくを加えてさっと炒める。

「カルダモン全体がぷっくり膨れてくると、香りが立ってきます。カルダモンはガラムマサラにも含まれていますが、ホールでも使うことで香りの軸になります」

5. トマトを加え、つぶしながら250~200gになるまで煮詰めていく

トマトを炒めるイメージ

にんにく、しょうがのツンとした香りがよい香りに変わったら、トマトを加え、ヘラでつぶしながら、中火のまま煮詰めていく。

「煮詰まってきたら焦げやすく、飛びはねるので、ヘラで絶えず底から混ぜ続けてください」

6. 2.のチキンティッカをオーブンに入れて15~20分焼く

作り方5.でトマトを加えたくらいのタイミングで、200℃に予熱したオーブンに2.の【チキンティッカ】を入れ、15~20分焼く。

※魚焼きグリルを使う場合は、弱めの中火で両面に焼き色がつくまで焼く。

7. カレーソースが煮詰まってきたら計量し、250~200gになっていたら火を止めて、粗熱をとる

ソースにヘラで跡がつくイメージ

写真のようにヘラで鍋底をなぞると、くっきり跡が残るようになったら、いったん火を止める。

鍋ごと計量するイメージ

カレーソースが入った鍋の重量を量る。最初に量ってメモしておいた鍋の重量の数値を引いて、【カレーソース】の重量が250~200gになっていたら、そのまま粗熱をとる。

「熱い鍋をデジタルスケールにのせるときは、コルク製の鍋敷きや、畳んだ布巾などを敷きましょう」

8. 7.のカレーソースをミキサーで攪拌してペースト状にし、鍋に戻し入れる

ペースト状にしたイメージ

鍋に戻し入れるイメージ

フードプロセッサーやハンディミキサーを使い、7.の【カレーソース】を攪拌し、ペースト状になったら鍋に戻し入れる。

「カルダモンの種がペースト状にならず、粒状に残っていたら、好みでザルで濾してもいいでしょう」

9. ガラムマサラ、塩、はちみつを加えて中火にかけ、味をととのえ、よく混ぜ合わせる

スパイスなどを加えたイメージ

ソースを混ぜ合わせたイメージ

ガラムマサラ(好みでひとつまみ分、別にしておく)、塩、はちみつを加え、中火にかける。全体が一体化するまで、よく混ぜ合わせる。

「ガラムマサラは少し別にしておき、仕上げに加えるのもおすすめ。香りがより豊かになります。ごはんと一緒に食べる場合、好みではちみつは減らしてもOKです」

10. 焼き上がった【チキンティッカ】と生クリームを加えて混ぜ、ひと煮したら完成

チキンを加えるイメージ

肉汁を加えるイメージ

焼き上がった【チキンティッカ】を加える。

「クッキングシートに残ったチキンティッカの肉汁には、うま味がたっぷり含まれています。残さず鍋に加えましょう」

生クリームを加えるイメージ

ハーブを加えたイメージ

生クリームを加え、よく混ぜ合わせてひと煮する。好みでカスリメティを加える。別にしておいたガラムマサラは、このタイミングで加える。

「生クリームを加えたら、さっと煮ればOK。グツグツと煮立てないようにしましょう」

煮終わったイメージ

ひと混ぜしたら火を止め、完成。

●カレーに合わせる主食は自由! 好きなパン、ごはんでも美味

「必ずしもナンを用意する必要はありません。自分が美味しいと思うパンを合わせるのがベストです。個人的なおすすめは全粒粉入りのマフィン。背徳感を味わいたいなら、バターたっぷりのクロワッサン。ごはんを合わせる場合は、はちみつの分量を減らして甘さを控えるか、なしにするとスッキリとした味わいになって、よりごはんに合います」

【実食】バターチキンカレー。上品な味わいに驚愕!トマトの爽やかな酸味と、ナッツのコク、カルダモンの芳香が押し寄せる

カレーでき上がりイメージ

お待ちかね、実食タイム。今回は、稲田さんイチオシの全粒粉入りマフィンを合わせていただきます。

まずはカレーソースだけで一口。とても不思議です…。ちょっと甘くて、クリーミー。これはまごうことなくバターチキンカレーなのに、その甘さや濃厚さが、いつもの味とは違うのです。はちみつの甘さはトマトから?と思うほどなじんでいて、濃厚さはバターやクリームよりもペースト状になったカシューナッツが由来なので、コクがありながら、重くありません。何よりトマトの爽やかな酸味とうま味、カルダモンの芳醇な香りがとても印象的です。

カレーでき上がりイメージ

お次はチキンと一緒に。穏やかなスパイス使いのカレーソースとうって変わり、スパイスの鮮烈な香りと、焼き目の香ばしさが一気に押し寄せてきます。このチキンとカレーソースの味わいのコントラストは、甘辛く味つけされた具材を、生卵でマイルドに味わう、「すき焼き」のよう。これはパンが欲しくなる! というわけで最後はパンといただきます。

わ!これはまるでチャパティ…。稲田さんがオススメする理由が分かります。この素朴な味わいがカレーの美味しさをより引き立てて、もう完敗。食べる手が止まりません。

カレーライスでき上がりイメージ

そして、ごはんにかけて食べてみました。バターチキンカレーにはごはんは合わない、と思い込んでいましたが、これは普通に合う。いや、むしろ美味しい! ごはんだと、幾重にも折り重なったスパイスの香りを、より素直に感じられるようです。

こんな複雑で作り込まれた味わいを、わりと短時間、少ない作業で作れるとは思っていませんでした。ガラムマサラを常備すれば、カレー作りはとっても身近なものになるんですね。

みなさんも、新感覚のバターチキンカレーをお楽しみください!

プロ直伝、自家製「ガラムマサラ」の作り方

「ガラムマサラはスパイスの組合せ、配合によって風味が違ってきます。バターチキンカレーに使う場合は、何か1つのスパイスの個性を突出させるのではなく、全体が調和するようなバランスになるよう、レシピを組み立てています。

ここでは、ホールスパイスを合わせて電動ミルで挽く作り方と、簡単にパウダースパイスを混ぜるだけの作り方の2つをご紹介します」

●ガラムマサラ、ホールスパイスを挽く作り方

ガラムマサラの材料

【ガラムマサラに使うスパイス、香りの特徴】

▼カレーのベースとなるスパイス

①クミンシード:インドカレーのメインとなる、華やかな香り
②コリアンダーシード:柑橘、木、ペパーを思わせる爽やかな香り

▼個性的な香りで、カレーの風味を押し上げるスパイス

③黒こしょう(粒):ピリッと刺激的な味わいと、木の香り
④シナモン:甘く、スパイシーな香り。お菓子作りにも重宝
⑤グローブ:甘く、シャープな強い香り
⑥カルダモン:スパイスの女王と称される、甘く高貴な香り

<材料>(作りやすい分量)

  • クミンシード…8g
  • コリアンダーシード…8g
  • 黒こしょう(粒)…8g
  • シナモンスティック…4g
  • グローブホール…4g
  • カルダモンホール…8g

<作り方>

スパイス炒め初めのイメージ

1. 冷たいフライパンにすべての材料を入れ、中火にかけて乾煎りする。

「スパイスに含まれる湿気を飛ばすために行います。開封したばかりの保存状態のよいスパイスであれば、この作業は不要です」

スパイス炒め初めのイメージ

2. 絶えずフライパンをゆすり、全体が温まって少し香りが立ってきたら(写真)バットなどに取り出す。

「スパイスが色づくまで加熱すると、香りが飛びすぎてしまいます。少し香りが立ってきたくらいで火から下ろしてください。フライパンに入れたままだと余熱で火が入ってしまうので、必ずバットなどに取り出しましょう。冷める過程でさらに水分が飛びます」

スパイスを冷ますところ

3. スパイスを広げて粗熱をとる。

ガラムマサラをミルで挽いたイメージ

4. 電動ミルなどに入れ、パウダー状になるまで攪拌する。

「写真のような、粗挽きでOKです。カルダモンのサヤが残りやすいですが、気になる場合はザルでふるいにかけても構いません」

【手作りガラムマサラの保存について】
密封容器に入れ、冷蔵庫で1年程度保存が可能。冷凍庫保存は結露しやすいので避けましょう。

「スパイスの香りは時間が経過すると、だんだん弱まってきます。使う前にさっと煎り直したり、テンパリング(熱を加える)したりすると、香りがいくらか起きてくれますよ」

●ガラムマサラ、パウダースパイスを混ぜる作り方

「市販品よりも、香り高く、キレを感じられるよう、スパイスのバランスを調合したオリジナルレシピです」

<材料>(作りやすい分量)

  • クミンパウダー…8g
  • コリアンダーパウダー…8g
  • 黒こしょうパウダー…8g
  • シナモンパウダー…4g
  • グローブパウダー…4g
  • カルダモンパウダー…8g

<作り方>

すべて混ぜ合わせる。密封容器に入れ、冷蔵庫で1年程度保存が可能。

カレー作りが楽になる! しょうがとにんにくの「GGペースト」の作り方

「インド料理ではしょうがとにんにくを同量使うことが多く、お店では同量のしょうが(皮ごとスライス)とにんにく(包丁の腹でつぶす)に、倍量の水を加えてミキサーにかけた『GG(ジンジャーガーリック)ペースト』を常備しています。

カレー作りがスムーズになったり、カレーの仕上がりや、肉のマリネの味なじみが良くなったりと、何かと重宝します。平たくしてから冷凍保存しておくと風味が落ちず、使い勝手がよいのでおすすめなので、ガラムマサラと合わせて試してみてください」

取材協力/<エリックサウス>稲田俊輔さん

稲田さん近影

南インド料理専門店<エリックサウス>総料理長。料理人、飲食店プロデューサー。文筆家。鹿児島県生まれ。京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て「円相フードサービス」の設立に参加。和食店、フレンチ、タイ料理など幅広いジャンルの事業立ち上げやメニュー開発などを手掛ける。

2011年にまだ日本人に馴染の薄かった南インド料理店専門店「エリックサウス」を開店。南インド料理とミールス、ビリヤニのブームの火付け役となる。

『だいたい15分! 本格インドカレー』『ミニマル料理』(ともに柴田書店)、『インドカレーのきほん、完全レシピ』(世界文化社)、新刊に『稲田俊輔のおそうざい十二カ月』など著書多数。

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写真:菅井淳子
文:香取里枝

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