2024.05.16
【基本の下処理】簡単! 砂肝の唐揚げ、炒め物、煮物レシピ。人気のおつまみ3品
焼き鳥のメニューでおなじみの「砂肝」。鶏のもつ(内臓)の一種で、コリコリ、サクサクとした独特の食感が後を引く美味しさです。何よりお酒に合う味わいなので、手軽にサッと作れるおつまみレシピを知っておくと、家飲みの楽しみが広がりますよね。
そこで、手羽先の唐揚げに続き、料理研究家の橋本加名子さんに、砂肝を使った「炒める、揚げる、煮る」の調理法で作る、簡単おつまみレシピを3品教わりました!
「砂肝は鶏のもつのなかでもクセがなく淡白な味わいなので、幅広い料理にアレンジできます。他の部位に比べてカロリー、糖質、脂質は低いのに、たんぱく質は多いので、おつまみの食材としてはうってつけですよね。ただし、ちょっとした下処理するのとしないのとでは美味しさが段違い! 包丁で切るだけなので、ぜひ覚えてください」
それでは、その下処理のやり方からチェックしていきましょう!
【基本の下処理】砂肝はかたい膜(銀皮)を包丁で取り除く。歯切れのよい、コリコリサクサク食感に!
一般的に生の砂肝は、銀皮(ぎんぴ)と呼ばれる青白い膜がついた状態で売られています。
「銀皮は残したままだと、ゴムのようにかたくなって噛みにくく、せっかくの美味しさが台なしに。火も通りにくいので取り除きましょう。砂肝はレバーのように血が出たり、水にさらして血抜きしたりする必要はないので、普通に鶏肉を切り分ける感覚で下処理をすればいいので簡単ですよ」
実際にやり方を解説していきます!
【下処理①】かたい膜(銀皮)を取り除いて、 口当たりをよくする。切るときは包丁を寝かせてそぎ落とす
砂肝の平らな面を裏にしてまな板に置き、内側と外側についた銀皮を包丁で取り除く。
「赤い肉の部分と銀皮の境目(上写真の点線部分)に沿って包丁でそぎ落します。右側から順に切るとやりやすいです」
「切るときのコツは、内側の銀皮は包丁を内側に、外側の銀皮は包丁を外側に少し寝かせ、そぎ切りにすること。食べられる部分の肉まで取り除いてしまうのを防げます」
全部の銀皮を取り除き、残った2つが可食部(食べられる部分)となる。
「砂肝の大きさにもよりますが、今回は300gの砂肝から約200gの可食部が取れました」
【下処理②】砂肝の可食部に切り目を入れると、より歯切れと火の通りがよくなる
砂肝に約3mm間隔の切り目を入れる。
「砂肝は筋肉質で身が締まっているので、加熱をすると独特なコリコリとした食感になります。銀皮を取り除いただけでもよいですが、切り目を入れるとより歯切れよくなり、火の通りもよくなります。
今回はこの状態の砂肝を使って3品ご紹介しますが、薄切りにすれば、炒め物や、サッとゆでてポン酢をかけた『砂肝ポン酢』など、また違った楽しみ方ができます」
それではいよいよ「砂肝のおつまみ」レシピ3品をご紹介します! 下処理を済ませた砂肝を、3通りの調理法(炒める、揚げる、煮る)で。それぞれ違った味わいや食感が楽しめます。
【おつまみレシピ①】薬味のパンチが◎「砂肝のにんにく炒め ねぎだれのせ」
にんにくとともに炒めたコリッ、サクッとした砂肝に、風味豊かなねぎだれをたっぷりのせた一品。ねぎだれは酢が効いていて、思いのほかさっぱりといただけます。
<材料>(2人分)
- 砂肝(基本の下処理をしたもの)…約200g ※下処理前は300g
- 【ねぎだれ】
・長ねぎ(粗みじん切り)…10cm分
・ごま油…大さじ2
・酢…大さじ1
・塩…小さじ1
・粗挽き黒こしょう…適量 - にんにく…2かけ
- 酒…大さじ1
- 塩…少々
- サラダ油…大さじ1
<作り方>
1. ねぎだれの材料を混ぜ合わせ、たれを作る
ボウルにねぎだれの材料をすべて入れ、混ぜ合わせる。
2. 砂肝とにんにくをフライパンで炒め、器に盛ってねぎだれをかける
にんにくは薄切りにする。フライパンにサラダ油とにんにくを入れ、中火にかける。香りが立ったら砂肝、酒、塩を加え、砂肝に焼き色がつくまで5分ほど炒める。
器に盛り、1のねぎだれをかける。
【おつまみレシピ②】外はカリッ、中はサクッとジューシー!「砂肝の唐揚げ」
砂肝をにんにく、しょうが風味のたれに漬けこんで揚げた唐揚げは、子どもも大人も大好きな味! 下味に漬ける時間は10分程度でOKなので、鶏の唐揚げよりも手軽に作れます。
<材料>(2人分)
- 砂肝(下処理をしたもの)…約200g ※下処理前は300g
- 【下味】
・にんにくのすりおろし…1かけ分
・しょうがのすりおろし…1かけ分
・酒…大さじ1
・しょうゆ…大さじ1
・塩…少々 - 片栗粉…大さじ1と1/2
- 薄力粉…大さじ1と1/2
- 揚げ油…適量
- 好みでレモン(くし形切り)…適量
<作り方>
1. 砂肝を下味に漬けて揉みこみ、10分ほどおく
ビニール袋に砂肝と下味の材料をすべて入れ、袋ごとよく揉みこむ。袋の空気を抜いて口を閉め、10分~一日おいて味をなじませる(夏場は冷蔵庫に入れる)。
「砂肝を下味に漬けた状態で、冷凍保存も可能です」
2. 汁気をきり、砂肝に片栗粉と小麦粉をまぶす
ビニール袋の口を開けて余分な汁気をこぼして除き、片栗粉と小麦粉を加える。袋ごと揉みこみ(上写真)、砂肝全体に粉をまぶす(下写真)。
「粉はカリッと仕上がる片栗粉と、はがれにくく、ふっくらと仕上がる小麦粉(薄力粉)を半量ずつ使います」
3. 170℃の揚げ油で、カリッとするまで3分ほど揚げる
フライパンに揚げ油を深さ2㎝程度注ぎ、中火にかけて170℃に熱する。2の砂肝を入れ、カリッとするまで3分ほど揚げる。器に盛り、好みでレモンのくし形切りを添える。
【おつまみレシピ③】コリコリ食感が楽しい甘辛しょうゆ味!「砂肝の鳥もつ煮風」
砂肝やレバーなどの鶏もつを甘辛いしょうゆだれで煮た、山梨県甲府市の名物「鳥もつ煮」風。コリコリとしたしっかりめの食感で、噛むほどにうま味が口に広がります。
<材料>(2人分)
- 砂肝(下処理をしたもの)…約200g ※下処理前は300g
- 【調味料】
・砂糖…40g
・しょうゆ…50ml
・水…50ml
・酒…大さじ1 - しょうが(薄切り)…2~3枚
- 一味唐辛子…適量
<作り方>
1. 鍋に調味料としょうがを入れて火にかける。ひと煮立ちしたら砂肝を加え、弱火で煮る
鍋に調味料としょうがを入れ、弱火の中火にかける。煮立ったら砂肝を加えて弱火にし、ときどき混ぜながら煮る。
2. 汁気がなくなってきたら器に盛り、一味唐辛子をふる
写真のように汁気が少なくなってトロミが出てきたら、火を止める。器に盛り、一味唐辛子をふる。
【まとめ】使い勝手のよい砂肝は、おつまみ作りの強い味方!
いかがでしたか? 「にんにく炒め」と「唐揚げ」はビールやレモンサワー、辛口の白ワイン、「鳥もつ煮風」は日本酒や焼酎、赤ワインが合うな~と感じました。
炒めてよし、揚げてよし、煮てよしの「砂肝」は、まさにおつまみ作りの強い味方! 下処理が面倒そうと敬遠しがちですが、ちょっとしたひと手間でこんなにも使いやすい食材になります。みなさんもぜひお試しください!
橋本加名子さん
料理研究家、栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師。タイ料理、ヴィーガンタイ料理、和食、発酵の料理教室「おいしいスプーン」主宰。企業で働きながら子育てをした経験を活かし、「体にやさしくて、作りやすい家庭料理」を提案し続けている。飲食店のプロデュースやフードコーディネートにも携わる他、雑誌、書籍、ウェブサイト等で活躍。『ホットクックお助けレシピ』シリーズ(河出書房新社)、『たんぱく質の10分おかず』(ART NEXT)など著書多数。
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