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2023.03.18

【銀座アスター】濃厚なタレのバンバンジー(棒棒鶏)レシピ。ゆでない余熱調理でしっとりやわらか!

バンバンジーのイメージ

しっとりとゆでた鶏むね肉の食感と濃厚なごまダレの味わいが、子どもから大人まで人気の「バンバンジー(棒棒鶏)」。家庭でも作りやすそうな中国料理ですが、シンプルな分、いざ自分で作ると「肉がパサパサになった」、「味が水っぽくなってしまった」などの失敗も起こりがちです。

そこで今回は人気店<中国名菜 銀座アスター>伊勢丹新宿店調理長の林直樹シェフに、家庭で作れるハイレベルな本場のバンバンジーのレシピを伝授してもらいました!

「バンバンジーの作り方は難度が低いので、料理初心者の方にもおすすめしたい中国料理。家庭で作るときは、鶏むね肉をしっとり仕上げることが大切です。そのためには、鶏肉は“ゆでない”ことがポイントです」

なんと、鶏肉をゆでないバンバンジーとは、目からうろこです! それではさっそく、美味しいバンバンジーのポイントから教えてもらいましょう。

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

名店の味をおとりよせ「シェフ’s DELI」はこちら>>

バンバンジー(棒棒鶏)のレシピ。プロの味に仕上げる3つのポイント

【ポイント1】鶏むね肉は箸で刺して火通りをよくし、生煮えを回避!

今回バンバンジーに使うのは鶏むね肉。1枚をそのまま切らずに調理しますが、厚みがある部分と薄い部分があるので、厚い部分だけが「生煮え」になりがちです。そこで、まんべんなく火を通すために、厚みがある部分には、菜箸やフォークなどでまんべんなく刺して穴を開けておきましょう。

【ポイント2】鶏むね肉はゆでずに、熱湯で余熱調理。中までしっとり、やわらかに

鶏むね肉は火を通すと「食感がパサつきやすい」といわれますが、実はもともと水分を多く含んでいる部位。しっとり仕上がるように加熱するには、その水分を逃さないことが大切です。そのための調理法は、鶏むね肉をゆでるのではなく、ボウルに張った熱湯に入れて余熱で火を通す「余熱調理」がおすすめ。ゆっくりと火が通ることでしっとりやわらかく仕上がります。

【ポイント3】バンバンジーのタレは食べる直前にかける

バンバンジーのタレは必ず食べる直前にかけること。たれをかけてしばらく時間をおいてしまうと、鶏肉や野菜から水分が出て、味がぼやけてしまいます。ちょっとしたことですが、これだけでおいしさがアップします。

しっとりやわらか! プロ直伝バンバンジー(棒棒鶏)のレシピ

バンバンジーの材料

<材料>(2人分)

  • 鶏むね肉…1枚(約250g)※使用量は150g。1枚のまま火を通すと食感が良くなるため、全量で調理するのがベター。残りはサラダチキンとして活用するのがおすすめ
  • 長ねぎ(青い部分)…1本分
  • しょうがの皮…1かけ分 ※中身はごまたれで使う
  • 酒(日本酒)…大さじ2
  • 塩…大さじ2と2/3(40g)
  • 【付け合わせ野菜】
    ・きゅうり(5~6cm長さ2mm幅に切る)…2/3本分
    ・ミニトマト(半分に切る)…4個分
  • 【ごまダレ(タレ)】
    ・ねりごま…50g
    ・醤油…大さじ2
    ・酢…大さじ1
    ・砂糖…大さじ1
    ・しょうが…1かけ(約10g)
    ・にんにく…1かけ
    ・長ねぎ(白い部分)…約1/2本分(20g)

「バンバンジーは鶏むね肉を使うというイメージがありますが、実はもも肉でも手羽でも、好みの部位を使っても構いません。銀座アスターでは鶏1羽を仕入れていることもあり、バンバンジーには鶏むね肉以外の部位も使っています。ひと皿で部位ごとの違った美味しさが楽しめますよ」

<作り方>

1. 鶏むね肉は厚みのある部分に箸やフォークなどを刺して、穴を開ける

鶏肉に穴を開けているイメージ

ボウルに鶏肉を入れ、厚みがある部分を重点的に、全体を菜箸やフォークなどを刺して穴を開ける。

「厚みがある部分に穴を開けることで、火が均一に通りやすくなります。または、鶏むね肉の厚みに(皮と平行に)切れ目を入れて、観音開きにして全体の厚みを均一にしてもいいでしょう」

2. 鶏肉の臭みをとり、下味をつける

ボウルに酒を加えているイメージ

長ねぎの青い部分、しょうがの皮、酒を入れ、水100ml(分量外)を加える。

「鶏肉の臭みをとり、下味をつけます。水を少し入れておく理由は、このあと熱湯を注ぎますが、その温度を少し下げるためです。いきなり熱湯をかけると、鶏肉の表面がキュッと引き締まりかたくなってしまうのを防ぐことができます」

3. 熱湯を注ぎ、常温に30分おいて余熱で火を通す

熱湯を注いでいるイメージ

余熱調理しているイメージ

沸かしたての2リットルの熱湯(分量外)と塩を注ぐ。ラップをかけてぴったりとふたをし、15分ほど常温におく。15分くらい経過したところで肉に切り目を入れて開き(次の写真参照)、再度お湯に戻して15分ラップをして火を通す。

「鶏むね肉1枚に対して熱湯の量が多いと感じても、必ず熱湯の量は守ってください。鍋で加熱し続けるよりも、こうして余熱調理することでゆっくりと火が入り、しっとりした食感に仕上がります。温度が徐々に冷めていくので、下味が中までしっかり浸透しますよ。また、15分経過後、一度切り目を入れることでそこから火が入りやすくなります。冷蔵庫に入れてしまうと温度が急激に下がり、また鶏肉の身がしまってかたくなってしまうので、必ず常温におきましょう」

鶏肉をチェックしているイメージ

鶏肉に火が通ったらバットなどに取り出し、常温に置いて粗熱をとる。

「最終的に、肉を開いてみて写真のように薄いピンク色になっていれば、火が通っている証拠です。火が通り切っていない場合は再度お湯に戻しましょう」

4. 付け合わせ野菜を切る

きゅうりを切っているイメージ

きゅうりは5~6㎝長さに切ってから、2mm幅の細切りにする。

「あまり細く切らないほうが、鶏肉の食感とのバランスがよく美味しいです」

トマトを切っているイメージ

トマトはヘタを取り、半分に切る。

5. ごまダレ(タレ)を作る

ねぎを切っているイメージ

しょうがを切っているイメージ

長ねぎの白い部分、しょうがは、ともにみじん切りにする。

「ねぎは食感が残る程度の細かさにします。しょうがはすりおろしてしまうと味や香りが立ちすぎてしまうので、みじん切りがおすすめです。ねぎと同様、食感が残るくらいの大きさでOKです」

にんにくをつぶすイメージ

にんにくをみじん切りにするイメージ

にんにくは手でつぶし、みじん切りにする。

「つぶすことで切りやすくなり、香りが増します。こちらも食感が残るくらいの大きさでOKです」

混ぜているイメージ

別のボウルにねりごまと醤油を入れ、泡立て器でよく混ぜ合わせる。

「すべての材料を一度に混ぜるとダマになります。まずはねりごまと醤油だけを丁寧に混ぜ合わせましょう」

混ぜているイメージ

酢、砂糖を加え、全体がなじむまでよく混ぜ合わせる。

混ぜているイメージ

4のねぎ、しょうが、にんにくを加えて、サッと混ぜる。

「もし、かたくて混ざりにくいようであれば、鶏むね肉をつけていた湯を少し加えて混ぜてみてください」

混ぜ終わったイメージ

とろっとした状態になれば、ごまだれの完成。

「味をみて、塩気が足りなければ醤油を、味が薄ければねりごまを足して調整してください。好みでラー油や豆板醬を加えると、大人好みのピリ辛風味なたれになります」

6. 余熱調理をした鶏むね肉を切る

皮を除いているイメージ

血管を除いているイメージ

3の鶏むね肉は皮を引きはがす。表面に血管が残っていたら、手で引っ張って包丁で切り、取り除く。

鶏肉を切っているイメージ

鶏肉を切り終わったイメージ

繊維に沿って、食べやすい大きさに切る。取り除いた皮も同様の大きさに切り、身と合わせておく。

「サイズはお好みで構いませんが、細ければ細いほどタレと良く絡みます。また、皮だけをまとめておくとゼラチン質でかたまってくっついてしまいます。身と一緒に混ぜ合わせてください。こうすることで、食感の違いも楽しめますよ」

7. 器に鶏肉を付け合わせ野菜とともに盛り付け、ごまダレ(タレ)をかける

盛り付けイメージ

器にきゅうり、鶏肉、トマトを盛り付ける。食べる直前にごまダレ(タレ)をかける。

「たれはぜひたっぷりとかけて召し上がれ。ラー油をプラスしても味が変化して楽しめます」

ごまダレ(タレ)の香りが食欲をそそる! しっとりやわらかなバンバンジー

バンバンジーの完成のイメージ

こうして完成した、バンバンジー。香味野菜たっぷりのたれが食欲をそそります。鶏むね肉は余熱調理のおかげでしっとりとやわらかく、シャキシャキ食感のきゅうりと好相性! タレに入ったにんにくやしょうが、ねぎの食感や香りも、口の中で豊かに広がります。

「タレはバンバンジーのほか、春雨やサラダ、冷ややっこにかけても美味しくいただけます」と林シェフ。

ランチやディナーのおかずにも、おつまみのもぴったりなバンバンジーは、大人も子どもも満足すること間違いなし! 今夜の一品に、ぜひお試しください。

取材協力/中国名菜 銀座アスター 伊勢丹新宿店

銀座アスターの林シェフ

林直樹シェフ

中国の調度品を飾ったシックな店内で、季節ごとに変わるコース料理や気軽なアラカルトなどのメニューが楽しめる。2022年8月より<中国名菜 銀座アスター>新宿伊勢丹店の調理長に林直樹シェフが就任。中国料理をこよなく愛し、25年間<銀座アスター>一筋で腕をふるう。

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撮影:矢野宗利
文:西島恵

店舗のご案内について

記事でご紹介している<中国料理 銀座アスター>は、伊勢丹新宿店 本館7階にございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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