2024.05.05
【時短ワザに注目】手羽先の唐揚げプロの人気レシピ。甘辛味&エスニック風の2品を紹介!
甘辛くスパイシーなパリパリの皮と、ふっくらとした身のコントラストがお酒を呼ぶ「手羽先の唐揚げ」。名古屋や九州の専門店をはじめ、全国の居酒屋や鶏料理屋さんで人気の一品です。
手羽先は手に入れやすい身近な食材ですし、家庭でもお店のような味を再現してみたいもの。そこで、料理研究家の橋本加名子さんに手羽先の唐揚げレシピを教わりました!
プロならではのある技を使って揚げる時間を短縮し、ジューシーな味わいになるんだそう。ご紹介する手羽先の唐揚げは、基本の甘辛くスパイシーな味と、仕上げの味つけをスイートチリソースでアレンジしたエスニック風の2品です。
まずはポイントから押さえていきましょう!
皮はパリパリ、身はジューシー! 基本の「手羽先の唐揚げ」3つのポイント
「鶏の手羽先は肉質が締まっていて、うま味が多い部位。骨が多く火が入りにくいので、しっかり揚げるとパサつきやすいのが難点ですが、今回ご紹介するレシピは、なるべく揚げる時間を短くし、なおかつしっとりジューシーに仕上がるよう工夫しました。工程はシンプルなので、ポイントをチェックしてぜひトライしてみてください」
【ポイント①】手羽先の先端(羽先)は切り落として! 揚げ油の量が減らせて、火が通りやすくなる
「手羽先を揚げるとき、手羽先の先端がついたままだと重なってかさばってしまうので、揚げ油を多く入れないとなりません。先端を切り落とせば、重ねずに並べ入れることができます。揚げ油の量も減らせるので、フライパンでも揚げることができ、手羽先が重ならないので早く火が通り、途中で返すのも簡単です。先端には身がほとんどついておらず、ない方が食べやすく感じる人も多いようです。
ただし、次のポイント②でご紹介しますが、先端は煮出すことで骨と皮からおいしい鶏スープがとれるので、捨てずに有効に活用しましょう」
※なお、手羽先の先端部分を切り落としてある「鶏手羽中」を使えば、この作業は不要です
【ポイント②】手羽先は揚げる前に下ゆでを! 揚げ時間4分でカリッとジューシーに仕上がり、鶏スープもとれて一石二鳥
「手羽先は骨つき肉なので、中まで火を通すには案外時間がかかります。暑い時期だと揚げもの調理は体力が奪われるので、食べたいけれど避けたくなる…。それならば揚げる前に下ゆでをするのがおすすめです。下ゆでをすれば中まで火が通っているので、揚げる時間は通常7~8分のところ4分程度でOK。揚げても身がパサつかずジューシーに仕上がります。
また、前出のポイント①で紹介した、切り落とした先端部分も一緒にゆでれば、骨と皮からおいしい『鶏スープ』がとれます。鶏スープは溶き卵やわかめ、野菜などを加えて汁ものにするも良し、すぐに使わないのであれば冷凍保存するも良し。お好みでどうぞ」
【ポイント③】片栗粉でコーティングしてから、高温で揚げる! 香ばしくカリッとした食感に
「手羽先をカリッと香ばしく揚げるには、揚げる前に粉をまぶしてコーティングするのがポイント。粉は小麦粉ではなく、よりカリッと仕上がる片栗粉を使います。すでに下ゆでして身に火が通っているので、揚げるときは高温で一気に。表面がきつね色になればOKです」
カリッとジューシー! 基本の「手羽先の唐揚げ」の作り方
<材料>(2人分)
- 鶏手羽先(または鶏手羽中)…8本
- 長ねぎの青い部分…1本分 ※またはしょうがの薄切り3枚
- 【たれ】
・にんにく…1かけ
・しょうゆ…大さじ3
・みりん…大さじ2
・酒…大さじ2
・砂糖…大さじ1 - 片栗粉…適量
- 揚げ油…適量
- 粉こしょう…適量 ※黒こしょうと白こしょうがブレンドされたものがおすすめ
- 白炒りごま…好みで適量
<作り方>
1. 鶏手羽先の先端(羽先)を、関節で切り落とす
手羽先の先端を、関節の部分(上写真の点線部分)で切り落とす(下写真)。
「関節は先端を動かしてみると、ちょうど折れ曲がる部分。キッチンバサミを使ってカットすると簡単です。ただし、あまり切れがよくないキッチンバサミを使う場合、危ないので包丁を使ってカットしましょう」
2. 手羽先を5分くらい下ゆでし、そのまま粗熱がとれるまでおく
鍋に1の手羽先、長ねぎの青い部分(またはしょうがの薄切り)を入れ、水をかぶる程度注いで中火にかける。
沸騰したら弱火にし、アクをすくって5分ほどゆでる。火から下ろし、そのまま粗熱がとれるまでおく。
「ゆでた手羽先は、すぐに鍋から取り出すよりも、粗熱がとれて冷めるまでおいた方がよりしっとりとした食感に仕上がります。手で触れるくらいに冷めてから取り出した手羽先は、冷蔵庫で3日ほど保存が可能なので、冷蔵保存したものを食べる直前に揚げてもOKです」
3. たれを作る。鍋にたれの材料を入れて軽く煮詰め、冷ましておく
たれを作る。にんにくは半分に切り、芽があれば除いてからつぶし、たれの残りの材料とともに小鍋に入れる。中火にかけて沸騰したら弱火にし、軽くトロミがつくまで煮詰め(写真)、火から下ろしてそのまま常温において冷ます。
4. 手羽先に片栗粉をまぶす
2の手羽先に衣をつける。手羽先を鍋から取り出し、キッチンペーパーで水分をふき取る。バットに片栗粉を入れ、手羽先の全体にまぶし、余分な粉をはたき落とす。
5. 手羽先を高温の揚げ油でカラッと揚げる
手羽先を重ねずに並べられる大きさのフライパンに、揚げ油を深さ1.5cm程度注いで中火にかける。高温(約180℃)になったら4の手羽先の皮目を下にし、重ならないよう並べ入れる。3分ほど揚げて皮目がきつね色になったら上下を返す(写真)。反対側も1分ほど揚げ、全体的にカリッとしたら、網を敷いたバットなどに取り出して油をきる。
「皮目がよく揚がっているとカリッとした食感になります。手羽先を油に入れたら、衣がかたまるまで触らないようにしましょう」
6. たれを手羽先にからめてこしょうをふる。器に盛って、好みで白ごまをふる
3のたれからにんにくを取り除き、バットに移す。5の手羽先を入れ、たれを全体にからめる。こしょうをたっぷりとふり、器に盛って好みで白ごまをふる。
「こしょうはふり過ぎ? というくらいたっぷりふると、お酒に合う味わいに。白ごまをふると、香ばしさがプラスされます」
【実食】手羽先の唐揚げ。外はカリッ、中はしっとりジューシー! 何本でもいけちゃう旨さ
手羽先唐揚げ専門店さながらのビジュアルに、鼻をくすぐるこしょうの香りがたまりません! 手づかみで豪快にかぶりつくと、想像以上に身がしっとりジューシー。手羽先の先端を切り落としているので、骨離れがよくスッと食べられるので、何本でもいけちゃいます。
肉自体に下味はつけていませんが、パリッとした皮にたれがしっかり染みて絶妙な味加減に。たっぷりふったこしょうも大正解で、ビールと合わせると「コレコレ!」と思わず唸りたくなる美味しさで、家飲みの定番メニュー確定です。以下に、たれをアレンジしたエスニック風のレシピも教えてもらったので、そちらもぜひお試しください!
【たれアレンジ】手羽先のエスニック風「チリマヨチキン」レシピ
「手羽先の唐揚げは、仕上げにからめるたれをアレンジすれば様々な味わいが楽しめます。今回は、スイートチリソースとマヨネーズを合わせたエスニック風をご紹介。お子さんでも食べやすい、まろやかなピリ辛テイストです」
<材料と作り方>(2人分)
「基本の手羽先の唐揚げ」の作り方と材料は同じ。たれの材料はスイートチリソース大さじ2、マヨネーズ大さじ3をバットに入れて混ぜ合わせ(鍋で煮詰めなくてOK)、手羽先の唐揚げにからめる。好みで、香菜の葉を添える。
橋本加名子さん
料理研究家、栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師。タイ料理、ヴィーガンタイ料理、和食、発酵の料理教室「おいしいスプーン」主宰。企業で働きながら子育てをした経験を活かし、「体にやさしくて、作りやすい家庭料理」を提案し続けている。飲食店のプロデュースやフードコーディネートにも携わる他、雑誌、書籍、ウェブサイト等で活躍。『ホットクックお助けレシピ』シリーズ(河出書房新社)、『たんぱく質の10分おかず』(ART NEXT)など著書多数。
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