2023.07.25
【下処理も解説】ししとうの人気レシピ3品。大量消費はじゃこ炒め、おつまみは串焼き&肉詰め揚げがおすすめ!
食べやすいサイズ感と程よい苦みが魅力のししとう(しし唐辛子)。つやのいい緑色が食卓でもよく映える野菜のひとつです。暑い季節になると、野菜売り場で見かける機会も増えますが、「いまいち料理のレパートリーが少ない…」という人も多いのでは?
今回は、ししとうをさまざまな調理法でおいしく食べるレシピをプロに聞きました。教えてくれるのは、「ししとうは私の出身地、高知県で栽培が盛んな野菜のひとつ。よく料理に使います!」という料理研究家の小島喜和さんです。
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【特徴と使い方】辛いししとうの見分け方、青唐辛子との違いは?
●ししとうってどんな野菜? 青唐辛子との違いは「辛み」
ししとうはナス科トウガラシ属の野菜で、唐辛子の仲間。唐辛子は辛みのある「辛味種」と、辛みのない「甘味種」に分けられますが、ししとうは後者に含まれます。ハウス栽培が盛んで、1年中出回っていますが、旬は気温の高い夏の時期。苦みや独特の青っぽい風味が特徴で、焼いたり、炒めたり、揚げたりと、いろいろな方法で調理できます。
「さっと加熱するだけで食べられるのがししとうのいいところ。ヘタを含め丸ごと食べられるので、下処理も簡単です。ししとうは油と相性のいい野菜。ししとうの料理にはよく油を使うようにしています」
ししとうと見た目が似ている野菜に、青唐辛子や万願寺唐辛子があります。これらは、すべて「ナス科トウガラシ属」に分類される仲間。ただし、青唐辛子は「辛味種」で、ししとうと万願寺唐辛子は「甘味種」という違いがあります。ししとうと万願寺唐辛子の大きな違いは、そのサイズ。ひと口サイズのししとうに対して、万願寺唐辛子は大きく、果肉も肉厚です。
●辛いししとうの見分け方。形が悪いししとうは辛い?
ししとうは、青唐辛子を食べやすく、辛みをなくすよう品種改良したものなので、本来辛みはないはず。それでも、たまに辛いものに当たってしまうことがあります。どうしたら辛いししとうを見分けられるでしょうか?
「ししとうが辛いかどうかは、結局のところ食べてみないとわかりません。ただ一般的に栽培中にストレスがかかると、ししとうが辛くなると言われています。あくまで私の経験則ですが、『①形がいびつなもの』『②緑色が濃いもの』『③香りが強いもの』は、辛いししとうの可能性も。そういったししとうを見つけたら、ひと口目はちょっとだけかじってみて、辛いかどうかを見分けるようにするといいでしょう」
【ししとうの下処理】破裂しないよう、穴や切り込みを入れよう!
ししとうの基本の下処理を紹介します。ししとうは丸ごと食べられますが、そのまま加熱すると、中の空気が膨張して破裂してしまうことも。あらかじめ穴を開けたり、切り込みを入れたりしておくと破裂するのを避けることができます。
1. ヘタの先を切り落とす
ヘタの先の部分を切り落とす。
2. 竹串などで穴をあける
竹串や爪楊枝で穴を数か所あける。
※包丁で切り込みを入れたり、刺して穴をあけたりして使う場合は不要
それでは、実際にレシピを見ていきましょう。今回は「炒める」「焼く」「揚げる」の3種類の調理法で作る、おすすめ3レシピです。
【ししとうレシピ①:炒める】「ししとうのじゃこ炒め」甘辛い味付けにご飯が合う。大量消費におすすめ!
フライパンひとつでさっと作れる、簡単レシピ。甘辛い味付けでご飯のお供にも、おつまみにもぴったりです。カリカリに炒めたちりめんじゃこの食感と、ナッツのクリスピー感がししとうのおいしさを引き立て、箸が止まりません!
「我が家ではたくさん作ってもすぐになくなってしまうおかずです。いつも多めに仕込むようにしています。あれば松の実などのナッツを入れるのがおすすめ。ピーナッツやカシューナッツなど他のナッツ類でも構いません」
<材料>(2〜3人分)
- ししとう…1パック(16本)
- ちりめんじゃこ…30g
- 松の実(あれば)…大さじ1 ※好みのナッツで代用する場合、粗く砕く
- ごま油…大さじ1
- 砂糖…大さじ1/2
- 醤油…大さじ1
<作り方>
- ししとうはヘタの先を切り落とし、竹串などで数か所穴をあける。
- フライパンにごま油少々(分量外)を入れて中火で熱し、松の実、ちりめんじゃこを炒める。さっと炒めたら一度取り出す。
- 2のフライパンにごま油を入れて中火で熱し、ししとうを炒める。軽く焼き色がついたら2を戻し入れ、 砂糖、醤油を加えてさっと煮からめる。
【ししとうレシピ②:焼く】「ししとうと牛肉の串焼き」。バーベキューにもぴったり!
見た目から食欲をそそる一品。串に刺したししとうと牛肉を豪快に頬張れば、素材の旨みが口いっぱいに広がります。今回はフライパンを使ったレシピを紹介していますが、オーブントースターや魚焼きグリルで焼いても◎。もちろんバーベキューで、網や鉄板の上で焼くのもありです。
「焦げやすいので、焼くときは火加減に気をつけてください。今回は下味をつけた牛肉と一緒に串焼きにしましたが、ししとうだけで串に刺して焼いても充分おいしいです。シンプルに塩をふったり、削りかつおをのせてポン酢醤油をかけたりすれば、立派なおつまみになります!」
<材料>(7串分)
- ししとう…21本
- 牛カルビ肉(焼き肉用)…100g
- A
・にんにく(すりおろし)…1かけ分
・砂糖…小さじ2
・醤油…小さじ2
・ごま油…小さじ2
・酒…小さじ1 - ごま油…小さじ2
<作り方>
- 牛肉にAを加えてもみ込み、約30分おいて下味をつける。
- ししとうはヘタの先を切り落とす。
- ししとう3本、牛肉2切れを交互に竹串に刺す。同様に計7本作る。
- フライパンにごま油を入れて弱めの中火で熱し、3を焼く。焼き色がついたら上下を返し、牛肉に火が通るまで焼く。
【ししとうレシピ③:揚げる】「ししとうの肉詰め」ささみを詰めるから簡単!
肉詰めといえばピーマンが一般的ですが、ししとうで作るのもおすすめ。ささみを詰めて揚げるだけで、上品な一品料理に仕上がります。ししとうは油で揚げることで、緑色がいっそう鮮やかに!
「ししとうは小さいので、ひき肉よりもささみの方が詰めやすく、簡単に作れますよ。揚げる直前に肉の面にだけ片栗粉をふって揚げると、肉の面はカリッと揚がり、ししとうは素揚げされるので色よく仕上がります。下味はつけずに揚げるので、仕上げに好みの調味料を添えてください。塩をふるだけでも充分おいしい。大根おろしとポン酢醤油などもよく合います」
<材料>(3〜4人分)
- ししとう…1パック(16本)
- 鶏ささみ…2本
- 片栗粉、揚げ油…各適量
<作り方>
1. ししとうはヘタの先を切り落とし、縦に切り込みを入れる。ささみはそれぞれ筋があれば除き、ししとうのサイズに合わせるように8等分に細長く切る。
2. ししとう1本につき、ささみ1切れを詰める。同様に残りも詰める。
3. 片栗粉をささみの面だけに薄くまぶし、180℃に熱した油で肉に火が通るまで揚げる。器に盛り、好みで柚子胡椒適量(分量外)を添える。
どれも少ない材料であっという間に作れる料理ばかり。ししとうを一度にたくさん食べられるのも嬉しいですね。ぜひ、ご家庭のおつまみやおかずのレパートリーに加えてみてください!
小島喜和さん
テーブルトップディレクター。季節のめぐりとともに暮らす日々。手仕事を行う楽しさ、美味しさを伝えることをライフワークに、自身の料理教室では「味噌」や「梅干し」など、【季節の手仕事教室】を開催している。『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。
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