2021.05.19
【プロが解説】実は国産が増えている! 酵素の王様「青パパイヤ」の食べ方・レシピ
みなさん青パパイヤをご存知ですか? 皮が青い未熟な状態のパパイヤのことで、日本ではまだ馴染みが薄い食材ですが、タイ料理店などで「ソムタム」という青パパイヤのサラダを食べたことがある人もいると思います。未熟ゆえのしっかりとした食感が魅力で、タイやインドをはじめ、沖縄など日本の一部の地域でも野菜として食べられてきました。
実はいま青パパイヤは、2020年上半期にブームが予想されるスーパーフードの1位(※)に選ばれ、高い栄養価に注目が集まっています。
そんな背景もあってか、これまで青パパイヤは輸入アジア食材の専門店などでないと入手できませんでしたが、最近、デパートやスーパーの青果売り場で、国産の青パパイヤをよく見かけるようになっているんです! 身近で手に入るなら、ぜひとも自宅で使ってみたいですよね。
そこで、青パパイヤとはどういう食材なのか、その特徴と注目の栄養価について、実際に育てている農園の方を直撃。さらに、青パパイヤの扱い方やおいしさを引き出すレシピを野菜のプロに教えてもらいました。
※一般社団法人 日本スーパーフード協会「2020年上半期トレンド予測 スーパーフードランキングTOP10」による
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【栄養】青パパイヤは“酵素の王様”と呼ばれている!
今回、お話をうかがったのは、大分県の自社農園で青パパイヤを栽培している<ベーベジ>の杉山尚美さん。
「パパイヤと聞くと、東南アジアなどの南国から輸入された黄色いフルーツをイメージしますよね。でも、熟す前に収穫した青パパイヤは野菜として利用されているんです。国内でも昔から沖縄などで栽培されてきましたが、そのおいしさや高い栄養価が注目されるようになり、今では東京や茨城などの関東圏の栽培地も増え、国産野菜として多く出回るようになってきています」
パパイヤが暑い地域でなくても栽培ができるとは意外です。注目されている栄養価には、どんな特徴があるのでしょう?
「青パパイヤには、『パパイン』というあらゆるタンパク質を分解する酵素をはじめ、脂質・糖質の三大栄養素を分解する酵素が含まれているのが特徴で、『酵素の王様』と呼ばれているんですよ」
タンパク質や脂質を多く含む肉や、糖質を多く含むご飯などは、毎日の食事に欠かせません。パパインを多く含む青パパイヤを食べることで、胃腸に入ったこれらの食材が効率よく消化され、素早くエネルギーに変わることが期待されているそうです。
「栄養素を取り入れることに注目されがちですが、同じように『出す』ことも大切です。パパインをはじめとする青パパイヤの酵素は、消化と分解をサポートし、老廃物を排泄する役目が期待されるため、ダイエットにも効果的と言われています。また、抗酸化作用が強いポリフェノールやビタミンC、食物繊維もたっぷり含まれているので、美容面からも注目されています。ぜひ、青パパイヤを毎日の食卓に『ちょい足し』して楽しんでいただけたらと思います(※)」
※参照サイト「青パパイヤマガジン(ベーベジ運営)」:青パパイヤで万事健康(監修:石畑農学博士石畑農学博士)
なるほど、まさに青パパイヤはスーパーフード、食べるサプリメントです! そんな食材が国産で手に入るとなると、実際に自分でも調理してみたくなりますよね?
そこで、伊勢丹新宿店・フレッシュマーケットの青果専属シェフ、鈴木理繪さんに下ごしらえなどの扱い方から自宅で簡単に作れるレシピまで、教えてもらいました!
【味の特徴・おすすめの調理法】青パパイヤはクセがないから、どんな料理にも使ってOKの万能野菜
まずは、味の特徴やおすすめの調理法を聞いてみました。
「青パパイヤは生でも、炒めても、煮てもおいしい万能野菜で、それぞれに違った食感を楽しめるのが魅力です。うれしいことに、通常は熱で壊れやすい酵素も、青パパイヤの酵素だと加熱しても壊れにくいそうです」と鈴木シェフ。
「香りや味にクセがなく、どんな食材にも合わせやすいので、お味噌汁やカレーなど、身近なメニューに取り入れるのがおすすめです。今まで青パパイヤを食べたことがないご年配の方がリピーターになるケースも多く、ファンがどんどん増えていると感じますね」
まだまだ馴染みの薄い食材だけに、選び方や保存方法などの基本情報も教えてもらいました。
青パパイヤの基本情報
【選び方】
果皮に茶色く変色している部分がなく、色がきれいな緑のものや、青々としてツヤがあるものが良いでしょう。また、持った時に重量感があるものは、身がつまっている証拠です。
【旬・食べごろ】
一部の青パパイヤは年中収穫・出荷されますが、最盛期は夏。店頭に並んでいる時から食べごろです。そのまま置いておくと、追熟して中から少しずつ黄色くなり、ほんのり甘みがするパパイヤになりますが、フルーツパパイヤほど甘くはならないので、青いうちに食しましょう。
【保存方法・保存期間】
カットしたら切り口をラップで包み、密閉ビニール袋に入れて冷蔵庫へ。1週間ほどで使い切りましょう。丸いままなら新聞紙に包んでビニール袋に入れ冷蔵庫へ。2週間ほど保存できます。
それでは実際に調理しながら、扱い方を学んでいきましょう。
【下ごしらえ】意外と簡単! 青パパイヤの皮をむきカットしたら水にさらすだけ
青パパイヤは果実の未熟な状態なので、アクが強く、下処理も大変そうに思われがちですが、実は扱いやすく、切ったら水にさらすだけなんです。
すべての調理に共通するのは、皮をむき、切ること。そして水にさらす。ここではサラダ用に細切りにし、水にさらすまでをご紹介します。
※肌が弱い方は手が荒れる場合がありますので、調理用手袋を着用ください。
1. 青パパイヤを縦半分に切る
縦半分に切り、種があれば取り除く。
「一見固そうでしょう? でも、大根を切るよりも抵抗なくスッと切れます。国産の良質な青パパイヤは鮮度がいいので、写真のように断面から白い果汁があふれてきますよ。今回使った<ベーベジ>の青パパイヤにはほとんど種がありませんが、輸入の青パパイヤには種があることがあります。スプーンなどでくり抜いて除きましょう」
2. 青パパイヤの皮をピーラーでむく
ヘタを切り落とし、ピーラーで皮をむく。
「皮は食べられないことはないですが、苦みも強く口当たりが良くないのでむきましょう。ピーラーを使うと、カーブに沿って手早くむけます。特に厚くむく必要はないので、緑色の部分が見えなくなればOKです」
3. 青パパイヤを細切りにする
縦にごく薄く切る。少しずらして重ね、端から細切りにする。
「きゅうりを切るのと同じくらいやわらかいので、包丁で薄く切るのも楽です。沖縄で使われている『しりしり器』のように、細切り用のピーラーやスライサーを使えばより手軽にできます」
4. 青パパイヤを水にさらすまたは10〜15分つける
「<ベーベジ>のサラダパパイヤを使う場合は、水にさっとさらすだけでOK。ほかの青パパイヤの場合は10〜15分水につけておきましょう」
下処理を終えた青パパイヤを味見させてもらうと、青りんごのような酸味と爽やかな甘みが、ほのかに口に広がりました。薄くても、シャキシャキとした確かな食感を感じます!
【青パパイヤのレシピ】食感やみずみずしさを生かした、サラダ、ピクルス(アチャール)、炒め物3品
青パパイヤの下処理の方法がわかったところで、食感やみずみずしさを生かした、鈴木シェフおすすめのレシピを教えてもらいました。
「サラダ、インド風のピクルス(アチャール)、炒め物の3品をご紹介します。どれも作りやすく食べやすいように、身近な食材や調味料で作りやすいように考えたレシピなので、ぜひレパートリーに加え、青パパイヤを常備野菜にしてみてください」
◆青パパイヤのレシピ① 細切りにするとシャキシャキ! タイ風の辛酸っぱいサラダ「ソムタム」を身近な素材でアレンジ
「まずは細切りにして、生のまま食べてみてください。シャキシャキとした独特の食感に、きっとハマります!」
今回は、辛酸っぱさが人気のタイ風サラダ「ソムタム」を、手に入りやすい素材でアレンジしてくれました。
「本来はナンプラーや干しえびなどを使って作りますが、今回はナンプラーの代わりにしょうゆを使い、だしパックで旨みをプラスしています。ライムを絞るとグッとエスニックテイストに近づくので、ぜひ加えてみて。水分が出やすいので、作ったその日のうちにどうぞ」
<材料>(2人分)
- 青パパイヤ(細切りにしてから水にさらす)…1/2個分
- にんじん(5cm長さの細切り)…1/3本分
- いんげん(長さを3等分に切り、さっとゆでる)…3本
- ライム(くし形切り)…適量
- 調味料
・和風だしパック(袋から出す)…大さじ1
・砂糖…大さじ2
・しょうゆ…小さじ2
・酢…小さじ2
・一味唐辛子…少々
※ナンプラーを使う場合は、和風だしパックの代わりに適量加える(しょうゆは不使用)
<作り方>
- ボウルに水気をきった青パパイヤ、にんじん、いんげんを入れ、調味料を加えてさっと混ぜる。
- 器に盛り、ライムを添え、好みで薬味などを飾る。ライムをしぼっていただく。
◆青パパイヤのレシピ② 薄切りにするとパリパリ! エスニックなピクルス「アチャール」
「同じ生でも薄切りにすると、パリパリッとした食感が楽しめます。ピクルスにすれば常備菜として4~5日は楽しめるので、日常的にすぐにいただけるのも嬉しいポイントです」
鈴木シェフおすすめのインド風ピクルス「アチャール」は、しょうがやごま油の風味がとっても豊か。
「カレーの付け合せはもちろん、ツナ缶と合わせてドレッシング的にサラダにのせたり、ベーコンなどとサンドイッチに仕立てたりと、アレンジもできますよ」
<材料>(2人分)
- 青パパイヤ(長さ4cm、厚さ2mmくらいの薄切りにしてから水にさらす)…1/2個分
※長さ4cmに切る方向を、縦・横混ぜると異なった食感が楽しめる - しょうが(皮ごとせん切り)…薄切り10枚分
- 塩…小さじ1
- 調味料
・砂糖…大さじ2
・酢…大さじ3
・ごま油…大さじ2
・一味唐辛子(好みで)…大さじ1〜2
<作り方>
- 水気をきった青パパイヤをボウルに入れ、塩をふって軽く混ぜ、5分ほどおき、しんなりしたら軽く絞る。
- しょうが、調味料を合わせてさっと和える。
※冷蔵庫で4~5日保存可能
◆青パパイヤのレシピ③ 炒めると絶妙な歯ごたえに! サバ味噌煮缶で「チャンプルー」
「最後は、アチャールと同じ切り方で炒めものに。青パパイヤは炒めてもクタッとなりにくく、ほどよい食感が楽しめます。沖縄では、青パパイヤをツナ缶などと炒め合わせた『チャンプルー』がポピュラーですが、今回はサバの味噌煮缶を使い、味付けいらずのお手軽料理にアレンジしてみました」
<材料>(2人分)
- 青パパイヤ(長さ4cm、厚さ2mmの薄切り)…1/2個分
※長さ4cmに切る方向を、縦・横混ぜると異なった食感が楽しめる - セロリ(斜め薄切り)…1/2本分
- しいたけ(薄切り)…2個分
- サバ味噌煮缶…1缶(180g)
- オリーブオイル…大さじ1
<作り方>
- フライパンにオリーブオイルを入れ、青パパイヤ、セロリ、しいたけを入れ、さっと炒める。
- サバ味噌煮缶を缶汁ごと加え、全体に味がなじむよう、サバをざっとほぐしながら炒め合わせる。器に盛り、好みで刻んだセロリの葉(分量外)をちらす。
以上がおすすめのレシピでした。
「この他に、煮物もぜひ試していただきたい一品。酵素の働きで肉類がやわらかくなるので、豚の角煮や塊肉を使ったカレーは、普段の煮込み時間でいつもよりもおいしく仕上がります」と鈴木シェフ。
後日、青パパイヤでポークカレーを作ってみたら、確かにいつもより早く豚肉がやわらかくなりました。しかも青パパイヤは煮崩れることなく、カレーの味が良く染みて絶品でした!
驚くほど栄養たっぷりで、料理の幅も広い青パパイヤ。日々の食事と健康作りに「ちょい足しパパイヤ」生活、はじめてみませんか? 最後に今回、撮影で使った<ベーベジ>の青パパイヤを紹介するので、ぜひ試してみてください!
通販でも買える! ぜひ生で食べてほしい<ベーベジ>ZEPPINサラダパパイヤ
今回使用したのは、大分県中津市の農場で、農薬・化学肥料に頼らない健全な土壌と、きれいな水、そして手をかけて育てられた<ベーベジ>のZEPPINサラダパパイヤ。<ベーベジ>は、<ベースボール・マガジン社>が、作る人・食べる人の健康を護り、アスリートのセカンドキャリアを支援するために立ち上げられた新農業プロジェクトです。
「ZEPPINサラダパパイヤは国産なので鮮度がよく、切るとすぐに水分があふれ出します。シャキシャキとした食感が心地よく、下処理が簡単なのが特徴です」。新宿の某カレー店のシェフが、わざわざ<ベーベジ>の青パパイヤを指名買いするほどのお墨付き。
「袋の口は、伊勢丹オリジナル仕様で、野球のグラブを作る過程で出る廃材を再利用した紐でとめています。サラダパパイヤのリピーターさんが、集めた紐でアクセサリーを作り、見せてくれることもあるんですよ」と<ベーベジ>の杉山さん。通年販売なので、見かけたらぜひ手にとってみてください!
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※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階
<ベーベジ>でしか味わえない意外なアレンジ! 大根おろしの代わりに「青パパイヤおろし」
生のままで食べてもアクをほとんど感じない、<ベーベジ>のZEPPINサラダパパイヤだからこそ、試してほしいのが大根おろしのように食べる「青パパイヤのすりおろし」。
「シャリッとした食感と、爽やかな甘みが絶品です。大根おろしの独特な匂いが苦手な方でも、きっとご満足いただけます。暑い季節は、ぶっかけそうめん風に仕立てるのがイチオシ。食欲が減退している時でもスルスル入ります」(鈴木シェフ)
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