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2020.07.31

すり鉢不要!植松良枝さんの冷や汁レシピ。洋風アレンジレシピもご紹介

冷や汁のイメージ

さっぱりしていて薬味がたっぷりの冷や汁は、暑い季節にぴったり。でも、「すり鉢を使うから手間がかかりそう……」「冷たい味噌汁をかけるだけなんて」といったイメージを持っている人も多いのでは?

今回は、すり鉢不要で、味噌汁よりも上品な味わいの冷や汁の作り方を、野菜料理を得意とする料理研究家の植松良枝さんに教えてもらいました。基本のレシピに加え、あさりだしを使った洋風や、干物の代わりに焼き鮭を使った和風のアレンジアイデアも紹介します。この夏、リピート間違いなしの絶品レシピです!

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おいしい冷や汁作りのポイント

水出しの昆布だし

① 水出しの昆布だしで品のある味わいに

だしは鍋で煮出すのではなく、冷蔵庫でじっくり時間をかけて昆布だけでとりましょう。加熱しないことで雑味なくクリアな味わいに仕上がります。昆布は、野菜と相性がよく上品な風味が出る利尻産がおすすめ。

② 干物はしっかり焼いて香ばしさを引き出す

味の決め手になる干物は、こんがりと焼き色がつくまでしっかり加熱を。凝縮した旨みとパリッとした皮目の香ばしい風味で奥深い味わいになります。

③ 麦味噌を使って旨み&甘みをアップ

宮崎県の郷土料理として知られる冷や汁は、九州地方で一般的な麦を使った味噌と相性ばっちり。麦味噌の芳醇な香りと親しみやすい甘さがおいしさを引き立てます。

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

基本の冷や汁の作り方

基本の冷や汁

あじの干物を使ったオーソドックスな冷や汁です。塩もみしたきゅうりとセロリの食感がアクセントに。味噌味をベースに豆乳を加えたまろやかな味わいが全体をまとめます。さっぱりした中にも味噌のコクや薬味の香り、焼いた干物の旨みが感じられ、ごはんが何杯でも食べられます!

「冷や汁は冷蔵庫で冷やしてから食べるといっそうおいしいですよ。急いでいるときは、味噌の量を増やして味を濃いめに作り、氷を浮かべるといいでしょう。ごはんのほかに、そうめんやうどんにかけても楽しめます」

<材料>(3〜4人分)

  • あじの干物(小)…2枚
  • きゅうり…1本
  • セロリ…1/2本
  • みょうが…1〜2個
  • 青じそ…6枚
  • 塩…小さじ1/2
  • 豆腐(木綿)…1/2丁
  • 麦味噌(または米味噌や合わせ味噌などがおすすめ)…大さじ4〜5
  • A
    ・昆布だし(※)…2カップ
    ・豆乳(成分無調整)…1/2カップ
    ・白すりごま…1/2カップ
  • ごはん(常温・玄米や雑穀米がおすすめ)…適量 ※炊きたての温かいごはんではなく、おひつに入れて常温に冷めた状態が目安

<作り方>

1. あじの干物は魚焼きグリルで10分ほど香ばしく焼き、粗熱がとれたら頭と骨を除いて食べやすくほぐす。

あじの干物をほぐしている様子

干物は手でほぐすことで、無駄なく身をとることができる。

2. きゅうり、セロリは3mm厚さの薄切りにし、一緒に塩で軽く揉む。そのまま5〜6分おいてしんなりしたら水気をしっかりと絞る。みょうがは小口切りにする。青じそは手で粗くちぎる。

3. ボウルに豆腐と味噌を入れ、フォークなどで好みの粗さにつぶす。味噌がなじんだらAを加えて溶き混ぜる。

味噌と豆腐を混ぜている様子

あらかじめ味噌と豆腐をなじませることによって、だしに溶けやすくする。豆腐の崩し具合は好みでよい。

4. 31、きゅうり、セロリを加えて混ぜる。大きめの器に盛り、みょうが、青じそを散らす。器に盛ったごはんにかけていただく。

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※水出し昆布だしの作り方

水1ℓに対し、昆布20g(水の重量の2%)を入れて冷蔵庫でひと晩おく。翌日、昆布を取り出して調理に使う。

※昆布は8〜12時間で取り出してください。それ以上つけるとぬめりや雑味が出てきてしまいます。余った昆布だしは塩ひとつまみを加えて冷蔵庫で2〜3日保存可能。使い切れない場合は冷凍保存しましょう。冷や汁以外に、炊き込みごはんや煮物、野菜のスープなどにおすすめです。

【アレンジ①】焼き鮭の薬味たっぷり冷や汁

焼き鮭の薬味たっぷり冷や汁

あじの干物の代わりに焼き鮭を使った、手軽で彩りのきれいなひと品。薬味のさわやかな香りとすだちの清涼感がたまりません。冷たいお茶漬け感覚でスルスルと食べられます。

「最初はおだしとすだちでさっぱり召し上がってみてください。途中で焼き味噌を加えて溶きながら食べると味わいが変わって二度楽しめます。鮭の代わりにしらすや焼きたらこなどを使ってもおいしいです。塩気は味見をしながらその都度調整を」

<材料>(2人分)

  • 塩鮭(切り身・中辛)…1切れ
  • かいわれ大根…1パック
  • みょうが…1個
  • 万能ねぎ…2本
  • 青じそ…4枚
  • 新しょうが…1/2片 ※または水にさらしたしょうがを使用しても
  • ごはん(常温・白米がおすすめ)…茶碗2杯分
  • 白炒りごま…小さじ2
  • A
    ・冷たいだし汁(かつお昆布だし)…500〜600ml
    ・塩…少々
  • すだち(半分に切る)…1個
  • 焼き味噌(※)…適量

<作り方>

1. 塩鮭は魚焼きグリルで香ばしく焼き、骨と好みで皮を除いて食べやすくほぐす。

2. かいわれ大根は1〜2cm長さに切る。みょうが、万能ねぎは小口切りにする。青じそは細かく手でちぎる。新しょうがはせん切りにする。

3. 器にごはんを盛って軽くほぐし、12をのせ、ごまをふる。Aを注いで、すだち、焼き味噌を添える。

焼き鮭の薬味たっぷり冷や汁

食べる直前にだしを注ぎ、すだちを絞る。

焼き味噌

※焼き味噌の作り方

しゃもじ(無塗装のもの)の片面(または両面)に味噌適量を均等な厚さに塗り、火にかざして全体に焦げ色がつくまで炙る。

※しゃもじは焦げてしまうので、焼き味噌作り専用に1本用意するのがおすすめ。しゃもじが余分にない場合は、アルミ箔に味噌を塗って、オーブントースター、または魚焼きグリルで焼いてください。
※事前に作り置きして、冷蔵保存することも可能。おむすびの具材にもなります。

【アレンジ②】アクアパッツァ風冷や汁

アクアパッツァ風冷や汁

冷や汁は洋風のアレンジもおすすめ! 人気の魚介料理を冷たく仕立てたアイデアメニューです。あさりのだし汁に含まれたたっぷりの旨みが、トマトの酸味、バジルの風味と一体となって口の中いっぱいに広がります。

「このイタリア風冷や汁には玄米ごはんがよく合います。イタリアの古代麦(ファッロ)のイメージです。プチプチした食感が、さらっとしたスープのいいアクセントに。玄米の代わりにもち麦を使っても、パスタ感覚で食べられておいしいですよ」

<材料>(2人分)

  • あさり(殻つき・砂抜きしたもの)…約300g
  • 水…3カップ
  • 白ワイン(または酒)…大さじ1
  • ごはん(常温・玄米がおすすめ)…茶碗2杯分
  • 塩…適量
  • A
    ・ツナ缶(油漬け・ファンシータイプ)…40g
    ・ミニトマト(ヘタを除いて半分に切る)…6〜8個
    ・セロリ(縦半分に切ってから斜め薄切り)…10cm
    ・フレッシュバジル(手でちぎる)、イタリアンパセリ(みじん切り)…各適量
  • オリーブオイル…適量

<作り方>

1. あさりだしを作る。あさりは殻同士をこすり合わせてしっかりと洗ってから小鍋に入れ、水1カップ、白ワインを回し入れ、ふたをして中火にかける。3〜4分たって殻が3〜4個開いたら火を止め、ふたをしたまま10分ほどおく。分量の残りの水を加えて中火にかけ、再び煮立ったら火を止める。あさりを取り出し、目の細かいザルで汁をこす。塩少々を加えて混ぜ、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。

2. 器にごはんを盛って軽くほぐし、あさり、Aをのせる。あさりだしを注いでオリーブオイルを回しかけ、塩少々をふる。

天日干ししたきゅうり

あさりの殻は好みで取り除いて。上質なオリーブオイルをたっぷり回しかけて食べるとおいしい。

サラサラとかきこめる冷や汁は、食欲のないときでもさらりと食べられそう。たくさんの具材とごはん、旨みたっぷりのスープが一度にとれるので、献立に悩まなくて済むのもうれしいですね。栄養満点の冷や汁で暑い夏を乗り切りましょう。

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植松良枝さん植松良枝さん

旬の野菜を使った料理を得意とする料理研究家。野菜づくりがライフワークで、季節に寄り添った食と暮らしに関するアイデアを発信している。

さらに国内外を旅し、多くの食文化に触れた経験から生み出される、世界各国のエッセンスを取り入れた料理も人気。『バスクバルレシピブック』(誠文堂新光社)、『春夏秋冬 ふだんのもてなし』(KADOKAWA)など著書多数。

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写真:難波雄史
文:ケイ・ライターズクラブ

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