2019.06.29
【プロが教えるタイ料理レシピ①】初心者必見! トムヤムクン麺、鶏肉の包み揚げ、焼きなすのあえもの
蒸し暑い日本の夏。この季節になると食べたくなるのが、タイ料理です。少し難しそうなイメージがありますが、材料さえあればとっても簡単! 実は伊勢丹新宿店には、エスニック系のハーブが充実しているのをご存知ですか? 地下1階のフレッシュマーケットで、1年を通じて購入することができます。
今回は、タイで暮らした経験がある料理研究家の橋本加名子さんに、伊勢丹新宿店で買えるエスニック系のハーブを使ってスタンダードなタイ料理を提案していただきました。いまでも年間に3回はタイに通うという橋本さんならではのテクニックが満載です。
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タイ料理、基本の「き」:タイのハーブ使い方あれこれ
① ホムデーン(別名:アカワケギ)
「タイ語で『ホム』は『玉ねぎ』。『デーン』は『赤』という意味です。見た目は紫色の小さな玉ねぎという印象ですが、辛さと香りが強いのが特徴。生はスライスしてサラダに。
刻んで高温でさっと揚げればフライドオニオンとして活用できます。フライドオニオンは、ポテトサラダや焼きそばのトッピングにするだけでコクをプラスすることができます。密閉容器に入れて常温で1週間ほど保存できるので多めに作っておくと便利です」
② バイマックルー(別名:こぶみかんの葉)
「葉脈を外して刻み、サラダに加えるだけで本格的なタイ料理に。普段のサラダが一気に香り豊かになります。長時間煮込むことで苦みが出るので、煮物など加熱する料理に入れる際は最後に入れるのがポイント。素揚げにして塩味のスナックにふりかけたりしてもおいしいです」
バイトゥーイ(別名:パンダナスリーフ)
「ほのかにココナッツのような香りがあります。煎じてお茶にしたり、香りづけに使用します。包んで揚げ物にも利用できるので、タイ料理では重宝します」
④ カー(別名:ガランガル)
「タイのしょうがです。ショウガ科ですが、酸味と香りが強くタイ料理のスープに大活躍します。煮出して使うのが一般的です」
⑤レモングラス(別名:タクライ)
「叩いて香りを引き出すと、さらに風味豊かに。根に近い部分はカットすると断面に紫色の部分があり、これが香りのポイントです。根元から3~4cmくらいまでは生食用に。上は加熱向きなのでハーブティーなどにしても楽しめます。
⑥ バナナの葉(別名:バイトン)
「伊勢丹新宿店の地下で、バナナの葉をみつけたときには感動しました。白身魚や肉を包んで蒸すとおいしいです。大判のバナナの葉は、テーブルコーディネートに使うのもおすすめ。料理の下に敷くだけでタイ気分が味わえてます」
※取扱い:伊勢丹新宿店
【レシピ① トムヤンクンヌードル】酢っぱ辛さを牛乳でマイルドに!
「タイ料理にハーブ類は欠かせません。そして、食材はそのまま使うのではなく、ひと手間かけて味と香りを引き出してあげるのがコツ。海老の殻は捨てずに、乾煎りして香ばしく。バイマックルーの香りも最大限に生かしています。牛乳を加えることで辛みを抑え、まろやかに仕上げるのがポイントです。今回は、おなじみのトムヤムスープをヌードルに仕立てました」
<材料>(2人分)
- 有頭海老…4尾
- レモングラス…1本
- パクチーの根…1本分
- プリッキーヌー(タイの唐辛子)…3本
- カー…10g
- ホムデーン…1個
- しめじ…1/2パック
- ミニトマト…2個
- バイマックルー(こぶみかんの葉)…2枚
- クイッティオセンレック(タイの米麺)…150g
- 水…800ml
- A
ナムプラー…大さじ2
レモンの絞り汁…75ml
ナムプリックパオ(チリインオイル)…大さじ1
砂糖…小さじ1/2 - 牛乳…50ml
- パクチーの葉…適量
<作り方>
1. 食材を切る
レモングラスは包丁の柄などで潰して長さ4等分に切ります。パクチーの根、プリッキーヌーも同様に軽く潰します。カー、ホムデーンは薄切りに。しめじは石づきを切り落としてほぐし、ミニトマトはヘタを取ります。
2. 食材の下準備をする
バイマックルーは葉脈を取ります。クイッティオセンレックは水に浸して戻します。海老は頭を折ってから尾を残して殻をむき、背ワタを取ります。
3. 海老の香ばしさを引き出す
鍋に海老の殻を入れて、油をひかずに乾煎りします。このひと手間が重要! 海老の香ばしさをそのままスープに移すことができます。
4. スープのベースを作る
海老の香ばしい香りがしてきたら3に水を加えます。沸騰したら弱火にし、殻を取り除いて、レモングラス、パクチーの根、プリッキーヌー、カー、海老の頭をすべて入れます。
5. 煮込む
途中アクが浮いてきたら取ります。海老の色が変わったら、しめじ、ホムデーンを入れ、A、牛乳を加えます。少し温めたら、海老の身、バイマックルーを加えます。
6. 仕上げ
海老の色が変わったら、ミニトマト、クイッティオセンレックを加え、麺がやわらかくなったら火からおろします。器に盛り、パクチーを添えたら完成です。温かいうちに召し上がれ!
【レシピ②ガイ ホー バイトゥーイ(鶏肉の包み揚げ)】バイトゥーイが香る!
「鶏肉をバイトゥーイ(パンダナスリーフ)で包んで揚げたタイの定番メニューです。バイトゥーイの香りがほんのりついた香り豊かな鶏肉は、ひと味違う贅沢さが楽しめます。甘じょっぱい合わせつけだれもタイならではの味わい。見た目も華やかなので、おもてなし料理にも最適です」
<材料>(作りやすい分量)
- 鶏もも肉…400g
- A
にんにく…1片
パクチーの根…1本
白粒こしょう…小さじ1/2 - B
シーズニングソース…小さじ2
シーユウ・カオ(なければ薄口しょうゆ)…小さじ2
チリソース…小さじ2
オイスターソース…小さじ1〕 - バイトゥーイ…10枚
- たれ
シーユー・ダム(なければたまりしょうゆ、またはしょうゆ:砂糖を2:1で使う)…大さじ1
シーユウ・カオ(なければ薄口しょうゆ)…大さじ1/2
酢…大さじ1
砂糖…大さじ4
水…大さじ2 - 白いりごま…大さじ1
<作り方>
1. 鶏肉に下味をつける
鶏肉を10等分に切ります。Aをクロックとサーク(すり鉢とすりこぎで代用可)でつぶしてポリ袋へ入れ、Bと鶏肉を加えて揉みこみ1時間以上置きます。
2. バイトゥーイで包む
1の鶏肉をバイトゥーイで包み(包み方は後述)、160℃の油でじっくり揚げます。
3. たれを合わせる
小鍋にたれの材料を入れ、ひと煮立ちさせます。器に移し、白いりごまを加えます。食べる時は、バイトゥーイを外して鶏肉にたれをかけながらいただくのがタイ流です。
【包み方】鶏肉をバイトゥーイで巻いてみましょう!
下味をつけた鶏肉にバイトゥーイを巻いていきます。最初は、ゆるく結び目を作って鶏肉を入れます。
バイトゥーイの先を結び目に刺し込みます。
刺し込んだバイトゥーイを引っ張り出し、後は鶏肉の形に沿って巻いていきます。バイトゥーイの先をはさみで切って、余った端を中に入れたら完成です。
【レシピ③ ヤム マックワ(豚ひき肉と焼きなすの和えもの)】刻んだバイマックルーがポイント!
「タイ料理で、ヤムとは“和えもの”という意味です。タイでは、和えもののメニューが豊富ですが、ここでは焼きなすを使った和えものをご紹介します。とろんとした食感の焼きなすとひき肉のヤムは、食べ応え充分。タイのハーブをたっぷりと使って、香りごと楽しみましょう」
<材料>(作りやすい分量)
- なす…2本
- 豚ひき肉…100g
- ホムデーン…1個
- レモングラス…1本
- バイマックルー…2枚
- A
ナムプラー…大さじ1 1/2
レモンのしぼり汁…大さじ1 1/2
砂糖…小さじ1/2
粉唐辛子…小さじ1/4
<作り方>
1. 食材の下準備をする
なすはグリル等で焼いて皮をむき、斜め6等分に切ります。ホムデーンは皮をむき、繊維に沿って薄切りに。レモングラスは薄く小口切りにします。
レモングラスは、先端を刻むと紫色の輪が見えます。これがレモングラスの香り成分。紫色が見える部分までは生食用に使えるので、香りを楽しみましょう! 上の部分はやや硬いので、煮込み用やハーブティーにして。
2. バイマックルーは、葉脈を取る
バイマックルーはそのままだと香りがしないので、香りを引き出してあげましょう。まず、葉を縦半分に折って葉脈を縦に取り外します。柑橘系の香りが一気に華やぎます。
あとは、半分に折りたたんで細かくみじん切りにするのが香りを最大限に生かすコツです。
3. 豚ひき肉を乾煎りする
豚ひき肉はフライパンに少量の水(分量外)を入れてよく混ぜ、混ぜながら中火にかけて乾煎りします。
4. 調味料で和える
1と3をボウルに入れ、Aを加えて和えます。
5. 盛り付ける
4を器に盛り付け、2を上から散らしたら完成です。
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プロの料理家たちが唸る! 伊勢丹新宿店にはエスニック系の食材が勢ぞろい
エスニック系の食材は専門店でないと手に入らないということもありますよね。伊勢丹新宿店には、レモングラスやこぶみかんの葉など、タイ料理に欠かせない食材が揃っています。「トムヤム野菜セット」など、セット販売もあるので、タイ料理に挑戦してみたいときに便利です。
本格的なタイ料理を作るための「万能調味料4選」
タイ料理にチャレンジしたいときに、ぜひ揃えておきたい調味料を紹介します。手に入りにくいものは、おなじみの調味料で代用可能なので、ご心配なく!
写真左から、
【シーズニングソース】
大豆が主原料の旨味調味料。野菜炒めや焼きそば、肉の下味にも最適。代用品は、オイスターソースか、またはたまり醤油+砂糖。
【シラチャー チリソース】
唐辛子とにんにくがベースのホットソース。辛さの中にも濃厚な旨味が特徴。ヤムウンセンの隠し味や、唐揚げなどにつけても美味。代用品は、豆板醤+塩+おろしにんにく。
【ナムプラー】
タイの魚醤。塩味の調味料。炒め物、和え物、煮込み料理など、味の付け足しに便利。代用品は、日本の魚醤で可。
【ナムプリックパオ】
にんにく、赤唐辛子、ホムデーン、干し海老などを炒めた後にペースト状にしたもの。代用品は、具入りのラー油に砂糖と粉唐辛子を適量加えたもので可。
本場タイ料理の味を知り尽くし、タイのお教室を主宰されていれている橋本加名子さんのレシピは、いかがでしたか? ハーブの使い方などはどれも参考になるプロの技ばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。家庭でも本格タイ料理が楽しめること間違いなしです。
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<プロフィール>
橋本加名子
料理研究家、栄養士、フードコーディネーター、飲食プロデューサー。懐石料理教授の母の影響で幼いころから「食」に興味を持つ。米国留学中にタイ、ベトナム料理と出会う。帰国後、東京、バンコクにて商社勤務をしながら、タイ料理、ベトナム料理を学び、実母より近茶流懐石料理を習う。子育てをしながら飲食店運営会社、冷凍食品開発会社に勤務後、独立。「タイ・アジア料理」「にほんの食ごよみ」教室主宰。著書多数。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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