2018.09.02
鮮魚店直伝! ふっくらジューシーなアジフライのレシピ【三枚おろしの解説付】
定食やおつまみの定番、アジフライ。揚げたての美味しさは格別ですが、自宅で作るのはちょっと手間ですよね。しかし、鮮魚店のプロによれば「鮮度がいいアジを使って、さばきたてをサッと揚げるのが一番美味しい!」のだそう。
そこで今回は、初めて作る方でも挑戦しやすい、丸ごとのアジをさばいて作る「アジフライ」のレシピを教えてもらいました。「魚をさばいたことがない」「上手におろせない」という方のために、新鮮なアジの選び方から「三枚おろし」の方法、火を入れすぎずふっくら揚げるコツまでを徹底解説します!
自宅で作ったことはあるけれど「小骨が残ってしまう」「ふっくら仕上がらない」という方も必見。教えてくれるのは、伊勢丹新宿店<東信水産>の石戸宏さんです。
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鮮魚店が教える美味しいアジフライ、3つのポイント
①鮮度のよいアジを使う!
鮮度のよいアジを使えば、臭み取りや面倒な下処理は一切必要なし!
②さばきたてを揚げる!
丸ごと1尾買って自宅でさばきたてを揚げれば、格別の美味しさ!
③余熱調理で「ふっくら」仕上げる!
揚げすぎは身がぱさつく原因に。余熱で火を入れることでふっくら仕上がります。揚げ時間は170℃の油でたった3分!
プロが解説! ふっくらジューシーな「アジフライ」の作り方
材料(2人分)
- アジ…2尾
- 塩、こしょう…各少々
- 小麦粉、溶き卵、パン粉、揚げ油…各適量
アジの選び方
「アジは、身がふっくらと太っていて、触ってみてハリがあるものを選びます。身がぐにゃっとしているのは鮮度が悪い証拠。鮮度が悪いとさばきにくくもなるので、よく見極めましょう。目は濁っているものよりも澄んでいるものを。エラの裏側を見るチャンスがあれば、黒ずんでいるものは避けて、きれいな小豆色をしているものを選びましょう」
作り方
1 アジを三枚におろす
ウロコとゼイゴを取る、頭を落とす、内臓を出す、中骨から身を外す、の流れで進めていきますが、詳しいアジのおろし方はこちらをご覧ください。
2 身に塩、こしょうをふる
アジの切り身の両面に、塩、こしょうをふります。
「下味なので、塩、こしょうはうっすらとで大丈夫です」
3 アジに小麦粉をまぶす
アジに小麦粉をまんべんなくまぶし、余分な粉ははたいて落とします。
「小麦粉はつけすぎると衣がはがれやすくなるので、なるべく薄く、ムラなくつけるようにしてください」
4 溶き卵をつける
卵をよく溶き、アジの身にまんべんなく絡めます。
「卵がダマになるとパン粉がきれいにつかないので、卵は卵白のコシを切るように、サラサラになるまでしっかりと溶きましょう」
5 パン粉をつける
バットにパン粉を多めに広げ、4のアジをのせ、パン粉を全体にしっかりつけます。
「パン粉はちょうど使い切る量だけをバットに出したくなりますが、たっぷりと多めに使うのがきれいに衣をつけるコツです。その方が全体にまんべんなく衣をつけることができます。パン粉は好みのものを使用してください。今回は生パン粉を使用しましたが、乾燥タイプでもOKです。パン粉で全体を覆ったら、一度手で軽くおさえるとしっかりとつきますよ」
6 170℃の揚げ油で3分ほど揚げる
「揚げ時間は3分程度。余熱でも火が入るので、衣がカリッとなれば、取り出して大丈夫です。揚げ時間は短めにとどめた方が身がふっくらした仕上がりになります」
7 全体がきつね色になったら取り出し、油を切る
油から取り出したら、揚げ油の上で一度フライを振り、油切りをしてから網バットにあげます。
「網バットにそのまま1〜2分置けば、衣の中で身が蒸されて、ジューシーな仕上がりになります」
ふっくらジューシー! 美味しいアジフライが完成
きちんと目利きして、さばきたてを揚げたアジフライ。衣はサクサクッ、身はふっくらジューシーで、ひと口食べただけで「アジがいつもと違う」とわかります。青魚特有の臭みは一切なく、上質な白身魚のような品のよい味わいながら、アジ特有のうまみが凝縮されています。上品なアジフライにソースをじゃばじゃばかけたらもったいない! まずは、揚げたてをそのまま食べてみて。
「魚を三枚におろすのは少しハードルが高いと思うかもしれませんが、最初はゆっくりで大丈夫。ぜひトライしてみてください。慣れればあっという間にさばけるようになりますよ」
イチからマスター。プロが教えるアジの三枚おろし
アジのさばき方にはいくつか方法がありますが、今回は初心者でも実践しやすい「三枚おろし」の方法を教えてもらいました。きれいにおろすためには、よく切れる包丁を用意することが大事です。さばき始める前に、まずは各部位の名称から解説します。
<アジの部位>
- 背ビレ…背側にあるヒレ
- 胸ビレ…エラ近くにあるヒレ
- ゼイゴ…尾側にある、アジ特有のかたいウロコ
- 腹ビレ…腹側にある小さいヒレ
- 肛門…腹の中心にある、小さい穴
- 中骨…体の中心を走っている太い骨とその太い骨から上下垂直に伸びている骨をあわせて、「中骨」と呼びます。ここではわかりやすく、上下垂直に伸びている骨を「中骨」、太い骨を「中骨の中心の太い骨」と区別して、解説します。
<工程の流れ>
- ゼイゴとウロコを取る
- 頭を落として内臓をかき出す
- 腹→背→背→腹の順におろす
- 腹骨、小骨を取る
1 ゼイゴを薄くそぎ取る
アジには尾の近くに「ゼイゴ」と呼ばれるかたいウロコがあります。尾の付け根の部分から包丁を寝かせて入れ、上下に動かし、ゼイゴを薄くそぎ取ります。反対側も同様に取ります。
2 ウロコをこそげ取る
アジの頭に近い部分にあるウロコを、包丁の刃先を当てて細かく動かしこそげ取ります。アジはウロコがあまり多くないので、それほど神経質になる必要はありません。刃先で表面全体を軽く数回なぞって、刃がひっかかる部分がなくなれば大丈夫です。反対側も同様に取ります。
3 アジの頭を落とす
胸ビレから腹ビレのラインに、胸ビレの下から斜めに包丁を入れます。中骨の中心の太い骨まで切り込みを入れたら、裏返して、同様に切り込みを入れ、最後にぐっと力を入れて中骨の中心の太い骨を切断し、頭を切り落とします。
頭と一緒に腹ビレ、胸ビレを切り落とします。
4 腹を切り開き、内臓をかき出す
包丁の刃先を腹に浅く入れ、肛門まで皮に切れ目を入れます。包丁の刃先を腹の中に入れ、内臓を刃先で押さえて外に引っ張り出す要領でかき出します。
中骨の中心の太い骨についている血合いの膜に、包丁で傷をつけます(この後流水で洗い流す際に取れやすくするため)。
5 流水で洗い、ペーパータオルで水気を拭き取る
アジに流水をあてて、血やウロコを洗い流します。腹も広げて水をあて、中骨の中心の太い骨の血合いの部分は、指でしごいてしっかりと洗い流します。その後、ペーパータオルを使って外側、腹の内側ともに水分をしっかり取りましょう。
6 腹側から包丁を中骨に沿って入れ、中心まで切り込みを入れる
まずは、頭が右側にくるようアジを置き、胸ビレのついていたところから、皮のみに切り込みを入れるイメージで頭側から尾の方向に向かって包丁を入れます(写真①)。いきなり深く切り込みを入れると狙いたい場所に包丁が入らず、失敗の原因に。皮に切り込みが入ると、中骨が見えるので、その中骨に沿って、頭から尾に向かって切り進めていきます(写真②、③)。刃先で中骨を感じながら、中骨の中心の太い骨まで包丁を進めます(写真④)。
7 背側からも同様に包丁を入れる
今度は背を手前にし、腹側と同様に、中骨から身をはがしていきます。背ビレの少し上の位置から皮に浅く切り込みを入れます。開くと中骨が見えるので(写真①、②)、その中骨に沿うように包丁を入れ、中骨から身をはがします。尾から頭の方向に切り進め、中骨の中心の太い骨まで包丁を入れます(写真③、④)。
8 包丁を貫通させ、中骨から身をはがす
尾の付け根部分に、刃先を尾側に向けて入れ、向こう側に差し込んで、貫通させます(写真①)。一旦包丁を抜き、今度は刃先を頭側に向け、尾の付け根部分(先程と同じ場所)に包丁を入れます。そのまま中骨の中心の太い骨に沿って包丁を頭側に動かし(写真②)、つながっている部分を切り離します。これで二枚おろしが完了しました(写真③)。
9 身を裏返し、今度は背、腹の順に身を切り離す
アジの身を裏返し、同様に今度は背(写真①)→腹(写真②、③)の順に包丁を入れ、中骨からはずします(写真④)。これでアジが三枚におろされました(写真⑤)。
10 腹骨をそぎ取る
アジの腹骨を取り除きます。アジの身は腹骨が左側にくるよう縦に置き、腹骨に沿うよう包丁を寝かせて入れていきます(写真①)。すくい取るように包丁を端まで進め、最後は包丁をたて、腹骨を皮ごと切り落とします(写真②)。
11 小骨を骨抜きで取る
アジの身に残っている小骨を、骨抜きで取り除きます。頭側を右にしておき、指でなぞって小骨を見つけたら、左手で小骨の両側の身を押さえて、小骨の先を骨抜きでつかんで引き抜きます。頭側に向かって引くと、身が崩れにくく、骨もスムーズに抜けます。抜き残しがないように指で触って確認したらすべて完了です。
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商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。
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