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2017.10.22

水溶き片栗粉を使った「あんかけ」レシピの疑問にプロが答えます。とろみが思いのままに!

水溶き片栗粉でとろみをつけたスープのイメージ

麻婆豆腐やチンジャオロース、八宝菜、あんかけ焼きそば、中華丼、卵スープ…。料理が熱いうちに美味しさを閉じ込める、水溶き片栗粉のとろみ付け。一見簡単そうですが、「ダマになる」「時間が経つとゆるくなる」ことはありませんか?

今回、思い通りのとろみ付けをマスターすべく、伊勢丹新宿店の中国料理店、銀座アスターの安蒜(あんびる)義政シェフにとろみ付けにまつわる疑問に答えてもらいました。

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

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Q:失敗しない、片栗粉と水の割合は?

片栗粉と水の割合

A:失敗しがちな人は「片栗粉:水=1:2」(倍の量の水で溶く)から始めると簡単です。

片栗粉と水の割合は、水の量が多くなるほどとろみがつくまで時間がかかり、ゆるいとろみに仕上がります。煮詰めていけば水分が飛び、強いとろみに調整することができます。

ちなみにプロは「片栗粉:水=1:1」(同量の水で溶く)の割合で溶いているんだそう。

 

Q:水と片栗粉は、使う直前に混ぜる?

水溶き片栗粉が分離した状態と混ぜている様子

できれば使う直前ではなく、早めに混ぜ合わせておきましょう。片栗粉がきちんと水に溶けていないと、ダマになるなど失敗の原因になるからです。片栗粉はすぐに沈殿する(写真左)ので、使う直前に必ずもう一度混ぜてから(写真右)使いましょう。

 

Q:水溶き片栗粉を入れるときの火加減は?

水溶き片栗粉を加えている様子

A:ダマになるのが心配な人は、加えるタイミングで一度火を止めると失敗しにくいです。そのあと焦がす心配のない中火~弱火にし、絶えずかき混ぜながら加熱してとろみを付けます。

ちなみに、プロは強火で沸騰させたところに水溶き片栗粉を入れて、素早く混ぜてとろみを付けています。

 

Q:片栗粉を入れて、何分加熱するの?

水溶き片栗粉を加えてから、しっかり加熱する様子

A:片栗粉のでんぷんは65℃以上の温度でかたまりはじめるため、フツフツ煮立った80~90℃の状態で最低でも1分加熱してください。ツヤと透明感が出てきたら火を止めてOK。とろっとしはじめたら「とろみが付いた」と思って火を止めてしまう方が多いのですが、加熱が足りません。

ただし5~10分と時間をかけすぎると、水分が飛んでとろみは強くなりますが、具から余分な水分が出てとろみが弱くなったり、素材の色がくすんだりする場合も。

 

Q:かため、ゆるめ、どう調整すれば?

A:片栗粉の量が増えれば、とろみは強くなります。水分が多ければとろみは弱くなります。

よくあるのが「とろみは付けたけど、まだゆるい」ということ。その場合は、水溶き片栗粉を足して調整してOKです。一方「とろみがしっかり付いてしまって、ゆるめたい」場合は、水溶き片栗粉を足しても、元のとろみが邪魔をして均一に混ざらないので、ダマになってしまいます。

Q:ダマにならないコツは?

絶えず混ぜるイメージ

A:水溶き片栗粉を「少しずつ入れる」こと、そのあと「絶えず混ぜる」ことです。

ダマになってしまう大きな原因は、①片栗粉をきちんと水に溶かしていない、②グラグラ沸騰しているところに、濃度が高い水溶き片栗粉を一気に入れている、③水溶き片栗粉を加えたあと、絶えず混ぜていないことが考えられます。

また、細い菜箸ではなく、全体を均一に混ぜやすい木ベラやゴムベラ、玉じゃくしを使うこともお忘れなく。

 

Q:時間が経つと、ゆるくなってしまう

あんかけ焼きそばのイメージ

A:鍋の中ではちょうどいいとろみ具合だったのに、器に盛ったらゆるくなってしまう――、その原因は食材に残っている水分です。

特に水分が多いキャベツ、チンゲンサイ、もやし、豆腐を使う場合、加熱が中途半端だと、盛りつけてから食材から水分が染み出てしまい、あんが水っぽくなってしまうのです。

八宝菜やあんかけ焼きそば、麻婆豆腐を作る時は、具材をしっかり炒めるか煮るかして、水分を出してからとろみ付けをしましょう。

過去のあんかけ焼きそば麻婆豆腐の記事はこちら。

 

【番外編】シェフ直伝「なめらかな舌触り」に仕上げるテクニック

だし汁と水溶き片栗粉を混ぜて湯せんでとろみをつけている様子

だし汁と水溶き片栗粉を混ぜて、湯せんでとろみをつけている様子

かに玉のあんなど、とろみもしっかり付けたいけれど、なめらかな舌触りに仕上げたい時は、湯せんにかけてゆっくり加熱しながら丁寧にとろみを付けています。

中国料理の手法ではないのですが、私がいろいろ試してみてたどり着いた方法です。

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取材協力/中国名菜 銀座アスター 伊勢丹新宿店

銀座アスターのシェフ安蒜義政さん

銀座アスターの安蒜(あんびる)義政シェフ

中国の調度品を飾ったシックな店内で、季節ごとに変わるコース料理や気軽なアラカルトなどのメニューが楽しめる。2017年4月よりシェフに就任した安蒜義政さんは、豊富なアイディアの持ち主。お客さまからのリクエストにも、柔軟に応えてくれる。

<銀座アスター>直伝のレシピ一覧はこちら>>

 

文: 松本いく子

写真:菅井淳子、八田政玄(8枚目)

店舗のご案内について

記事でご紹介している<中国料理 銀座アスター>は、伊勢丹新宿店本館7階にございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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