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2017.04.06

ゆでずに炒めるのが新常識! 青菜の胡麻和えレシピ。菜の花、小松菜、春菊…

炒めて作っているごまあえのイメージ

和食の定番「青菜の胡麻和え(ごまあえ)」。お湯で青菜をゆでて作るのが一般的ですが、実はゆでずに作った方が美味しい時期があるって知っていましたか? 新常識になりそうな驚きの作り方を教えてもらいました。

「はしり」の青菜はゆでちゃダメ!

青菜はゆでないほうが美味しいというワケを教えてくれたのは、伊勢丹新宿店・フレッシュマーケットの鈴木理繪シェフ。

「これは季節の野菜の出始めから旬にかけての話なんです。野菜の旬には『はしり(=走り)』『さかり(=盛り)』『なごり(=名残り)』があります。出始めの『はしり』から最盛期の『さかり』の時期はやわらかくアクが少ないので、下ゆでせずにさっと炒めればOK。逆に終わりに近い『なごり』の時期は、繊維がかたくなりアクが強くなってくるので、しっかり下ゆでしてアクを取ってから調理するのがおすすめです」

新常識! 炒めて作る「青菜の胡麻和え(ごまあえ)」レシピ

青菜は下ゆでするとお湯に栄養やうまみが流れ出てしまいますが、「炒めて作る胡麻和え」なら、旬の美味しさを余すことなく食べられます。また緑黄色野菜に含まれている脂溶性ビタミンは、油で調理すると栄養の吸収率が向上するので、いいことずくめというわけです。

今回は菜の花を使って作り方を紹介します。ほかに小松菜、春菊でもいいでしょう。なお、ほうれん草はアク(シュウサン)があるため、さっとゆでて冷水にとり水気を絞ってから、胡麻和えにするのが一般的です。ただし最近では、アクが強くないほうれん草も出回っているので、気にならない人はほうれん草でも試してみてください。

<材料>(2人分)

  • 青菜(はしり~さかりのもの)…1/2束(80~100g) 
    ※今回は菜の花を使用。小松菜、春菊、好みでほうれん草
  • サラダ油…大さじ1
  • 湯…大さじ2~3
  • 砂糖…大さじ1
  • しょうゆ…大さじ1
  • 炒りごま(白)…大さじ1~2

<作り方>

1)青菜はかたい部分、やわらかい部分に分ける

今回は菜の花を使いますが、青菜を料理するときは、かたい部分とやわらかい部分を分解するのが基本です。葉を茎から外し、葉は大きければちぎり、茎はやわらかい先端とかたい根元に折って分けます。

青菜の詳しい下処理についてはこちら

青菜はかたい部分、やわらかい部分に手でちぎって分ける

手でちぎったほうが野菜に負担をかけずアクが出にくい。

2)ごまは使う直前に「する」と香りがよい

ごまは使う直前に「する」と香りがよい

ごまはすって使うと、圧倒的に豊かな香りを楽しめます。使う直前にじっくり「する」ほどごまの油が出てねっとりコクが出てきます。たっぷり入れたいならすり鉢を使うのがおすすめですが、少しなら親指とひと指し指でギュッとひねって押しつぶす「ひねりごま」にすればOKです。

 

3)かたい茎の部分、やわらかい部分の順で炒める

フライパンに油を引き、いちばんかたい茎の部分を入れて中火で焼きます。途中で上下を返して全体が鮮やかな色になったら、残りのやわらかい茎の先端と葉を順に重ねて30秒ほどおいてから(春菊を使う場合は10秒ほどでよい)、大さじ2~3の水をさっと回しかけて蒸し焼きにします。

「炒めるといっても、できるだけ触らないことがポイント! 混ぜすぎると余計な水分が出て、べちゃっとした仕上がりになってしまいます」

青菜はかたい茎の部分、やわらかい部分の順で炒める。途中で水を加えて蒸し焼きにする

4)調味料とごまを加えて、完成!

ジュワーッと音がおさまり全体がしんなりして色が鮮やかになりかさが減ったら、調味をします。砂糖をふり入れてから、ここで初めて全体を混ぜましょう。水分がなくなってきたら、鍋肌からしょうゆを加え、強火にして全体の水気を飛ばします。火を止めてからごまを加えて完成です。

砂糖を加えて混ぜ、鍋肌からしょうゆを注ぐ

「でき立てでは調味料の味が立っており、温かいまま食べると少し濃く感じるかもしれませんが、冷めるにしたがって砂糖の甘みがまわってなじみ、ちょうどいい味になります」

凝縮された野菜の香りと歯ざわりが味わえる「炒め胡麻和え」

炒めて作る青菜のごまあえのでき上がり

食べてみると、かたいように見える茎の部分もほどよくやわらかで、シャキシャキと歯ざわりのいい食感。砂糖の甘さ、ごまのうまみと香りが、ほっとする懐かしい美味しさです。

はしりならではの菜の花の甘みもしっかりと感じることができ、野菜の生命力が凝縮されたような、味わいの強い胡麻和えに仕上がっていました!

 

【青菜の下処理】買ってきたら、広げて水につける

青菜は買ってきたら、すぐにビニール袋から出して30分ほどおきます。袋の中で縮まっていた葉や茎を広げ、空気に当ててリラックスさせてください。

菜の花は袋から出して30分おいたあと、水に10分ほどつけておく

そのあと水でさっと洗い、ボウルにためた水に10分ほどつけておくことでアクやえぐみが抜け、さらには水分を吸ってハリが出ます。

このあとは、すぐに使わなければ、新聞紙やキッチンペーパーに包んで冷蔵庫の野菜室に立て、保存しておきましょう。

文: 奈良巧

写真:八田政玄

バイヤー・スタイリスト / 鈴木理繪
伊勢丹新宿店 本館地下1階フレッシュマーケットの青果専属シェフでありながら、フリーのフードコーディネーターとしてTVドラマや広告などでも活躍中。キャンプとカメラを趣味としながら、美味しいごはんを作ることが楽しみのひとつ。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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