2016.12.26
出汁のプロが教える「そばつゆ」の作り方。鰹節は厚削りを使うべし!
「そばつゆ」は、美味しいそばを味わう上で欠かせないもの。家庭では手軽なめんつゆを使いがちですが、出汁をとって作ると格段に美味しいんです。今回は、出汁の美味しさを知り尽くすプロだからこそ知っている、本格そばつゆレシピを日本橋だし研究所の南出洋伸さんに伝授してもらいました。
出汁のプロが教えるうどんつゆの作り方は、こちらからご覧いただけます。
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味の決め手は、たまり醤油と厚削りの鰹節
「ご紹介するのは、江戸前のそばつゆの作り方です。そばつゆというと、鰹出汁のコクと香りが強いと思われがちですが、本来は醤油の味わいが主役。そのため出汁は、あくまで主役の醤油の味を引き立てる土台として、つゆ全体にうまみとコクを与えているんです」(南出さん)
江戸前のそばつゆには、濃口醤油にさらにたまり醤油を合わせることで、醤油がもつ大豆の香りとコクをより際立たせられるのです。そして鰹節は、薄削りではなく、厚削りをじっくり煮出して魚のうまみを引き出し、力強い出汁に仕上げます。そこに今回は、薄削りの宗田鰹節を加えてさらに香りをプラス。宗田鰹節は、薄削りのため煮すぎると苦くなるので、最後に加えます。
醤油の香りとコクが引き立つ、江戸前そばつゆの作り方
そばつゆは、まず出汁をとり、醤油とみりんを煮立てた返しを作って、それらを合わせて作ります。
ざるそば用のそばつゆの作り方は、記事末尾でご紹介しています。
材料(約3人分)
[出汁]
- 鰹節の厚削り……60g
- 宗田鰹節……20g
(なければ、鰹節の厚削りを80gにしてもよい) - 真昆布……6g
- 水……1ℓ
※昆布や削り節は、厚みによって同じ大きさでも重さが変わります。必ず重さを計りましょう。
[返し]
- 濃口醤油……100ml
- みりん……100ml
- たまり醤油……大さじ1
作り方
[出汁をとる]
① 鍋に水、鰹節の厚削り、真昆布を入れて弱火にかけ、煮出す。沸騰寸前で昆布を取り出し、そのまま弱火で5分ほど煮出す。
昆布の表面にフツフツと気泡がついてきたら、引き上げる合図。宗田鰹節は煮出しすぎると苦みがでてしまうため、まだ加えません。
② 宗田鰹節を加えてさらに5分煮出す。
③ 5分たったら火を止めて、蓋をして1分ほど蒸らして漉す。
POINT 「蒸らし」の工程で、鰹節のうまみを出し切る!
鰹節は、約70〜50℃のとき出汁が一番出ます。火を止めて蒸らすことで、沸騰したときには出なかった出汁を出し切ることができます。逆に50℃以下になると、削り節が出汁を吸ってしまうので、1分ほど経ったら、すぐに漉しましょう。
[返しを作る]
④ 鍋に濃口醤油、みりんを加えて煮切り、たまり醤油を加えてよく混ぜる。
[出汁と返しを合わせる]
⑤ ③の出汁に水を足して1ℓにし、④の返しを合わせ、弱火にかける。沸騰寸前で火を止めて完成。
完成したそばつゆは、醤油のように濃い色。ちょっと塩辛いのでは……? と思いましたが、塩気は一般的なそばつゆと同じくらい。そばをすすると、醤油の香りを追いかけるようにして、鰹節の風味が口いっぱいに広がり、見事に調和します。専門店に引けをとらない上質なそばつゆを、家庭でもぜひ体験してみてください。
「ざるそば用つゆ」の作り方
ざるそば用につゆを作る場合は、かけそば用のそばつゆと同じ要領で「出汁」と「返し」を用意し、出汁3に返し1の割合で合わせます。そばと一緒に食べたときはもちろん極上の味わいですが、そば湯をついだときに、鰹の香りがフワッと香るのも特長です。(そばつゆの作り方に戻る)
日本橋だし研究所
西暦1854年創業の乾物屋・山長商店株式会社が主宰する、出汁素材専門店。確かな品質と添加物、塩も使わない素材本来の美味しさを引き出した削り節や昆布をはじめ、天然だしを使用した即席麺セットなど多種多様なアイテムを取揃えている。
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商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=日本橋だし研究所にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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