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2017.11.02

【マカロニグラタン】プロのレシピ。3つのコツで洋食店のホワイトソースが作れる!

グラタンのでき上がりイメージ

バターとミルクのやさしい味わいが人気のマカロニグラタン。家でも同じような材料で作っているのに、洋食屋さんで食べると味の違いは歴然! ソースのなめらかさや味の深み、香りの豊かさは比較にならない美味しさです。一体どこが違うのか、洋食店のシェフにコツを教えてもらいました。

家で作るのとはここが違った! 洋食のプロが教える3つのコツ

  • セロリを加え、香りと味に「深み」を出す
  • ホワイトソースに「粉チーズ」でコクを出す
  • 仕上げに「澄ましバター(=溶かしバターの上澄み)」を使い、香り高く

「家庭でもプロの味に近づけることができる、とっておきのレシピをご紹介します」と話すのは、伊勢丹新宿店にある洋食店<西櫻亭(せいおうてい)>の宮下響シェフ。

ふだんお店ではさまざまな手間をかけて作られている、えびマカロニグラタン。本来はえびと野菜を別々に炒め、えびの蒸し汁を煮詰め、ホワイトソースは1時間煮込んでこし器でこす……といった手間がかかる料理です。

それを今回、WEB FOODIEのために家庭用のレシピを開発してくれました。ダマになりがちなホワイトソースの悩みも解消できる、プロのワザが満載です!

グラタンのソース作りにも使える片手鍋はこちら>>

【保存版】ホワイトソースに悶絶する「えびマカロニグラタン」のレシピ

材料(4~5人分)

  • マカロニ(乾)…60~70g(ゆでると120g)
  • むきえび…220g
  • 玉ねぎ…小1個
  • セロリ…30g
  • ピーマン…1個
  • 無塩バター…100g
  • 白ワイン…40ml
  • 小麦粉…100g
  • 牛乳…1リットル
  • チキンスープの素(顆粒)…大さじ1
  • 粉チーズ…大さじ2
  • 塩、白こしょう…各少々

【仕上げ用】 ※下記は「1人分」です。人数に合わせて増やしてください

  • パン粉(乾燥)…小さじ2
  • 粉チーズ…小さじ2
  • 澄ましバター…大さじ2
    ※バターを湯煎にかけて溶かしたあと、2層に分離した透明な上澄み部分のこと

えびマカロニグラタンの一部の材料

作り方

1)マカロニをゆで、えびの下処理をし、野菜を切る

マカロニは袋の表示通りにゆでて、冷水でしめて水気をきる。えびは塩小さじ1(分量外)をふってもみ、水で洗って食べやすい大きさに切る。玉ねぎ、ピーマン、セロリは少し厚めの薄切りにする。

「マカロニはホワイトソースを作る前にゆでておいてOK。ゆでた湯は仕上げ用のバターを溶かすときの湯煎に使うといいでしょう。野菜は歯ごたえを残したいので、1mm程度の少し厚めにスライスします」

2)バターで香味野菜とえびを焦がさないように炒め、ワインを加える

鍋にバター、野菜、えびを入れて炒め、白ワインを加える様子

鍋にバター、玉ねぎ、セロリ、えびを入れ、中火にかけて炒める。少し香りが立ち、えびの色が少し変わってきたら白ワインを加える。

ホワイトソースは白く仕上げるために、焦がさないように炒めるのが基本です。玉ねぎとセロリは、食感を残すために炒め過ぎないようにしましょう。通常、店では玉ねぎだけを使っていますが、セロリは味に深みを出してくれる野菜なので、ぜひ加えてみてください」

3)水分が半分になるまで煮詰める

白ワイン加えた状態から、煮詰めて水分が半分になった状態

ふたをしないで水分が半分になるまで煮詰める。

「ワインだけでなく野菜からも水分が出てきます。煮詰めることで、えび、玉ねぎ、セロリから出てくるうまみを凝縮させることができます。右写真のように、木ベラを動かして鍋底が見えるくらいになればOKです」

4)火を止めてから、小麦粉を加えて混ぜる

小麦粉を加える様子、粉っぽさがなくなった状態

いったん火を止め、小麦粉を加えて粉が見えなくなり全体になじむまで、しっかりと混ぜる。

必ず火を止めてから粉を加えるのが、失敗しないポイント。焦がす心配がなくなり、粉っぽさがなくなるまで、落ち着いて混ぜ込むことができます。なじんでくると、かなりもったりとして木ベラが重くなります」

5)牛乳を少しずつ加え、その都度混ぜ込む

少しずつ牛乳を加え、混ぜてなじませた様子

最初は玉じゃくし2杯分の牛乳を加え、よく混ぜ込む。牛乳が残らないようにしっかりと混ぜ込む(1回目)。

ダマにならないようにするコツは、牛乳を一度に入れすぎないこと。少しずつ加えてのばしていくので、手間と時間がかかりますが、なめらかなソースに仕上げる大切なポイントです」

2回目の牛乳混ぜ込み、3回目の牛乳混ぜ込みの様子

4回目の牛乳混ぜ込み、5回目の牛乳混ぜ込みの様子

4回目の牛乳を混ぜ終わったら弱火にかける。残りの牛乳を同じように加えていく。

「4回目までで、だいたい分量の牛乳1リットルのうち500㎖ほどを加えています。5回目を混ぜ終わると右写真のようなゆるさになります。さらに全体をのばしていくようなイメージで混ぜましょう。6回目からは牛乳を多めにザーッと加えてもOK。だいたいトータルで7~8回に分けて入れ終わるのが目安です」

6)粉チーズ、チキンスープの素、ピーマンを加える

粉チーズを加え、ピーマンを加える様子

牛乳をすべて混ぜ込んだら、粉チーズ、チキンスープの素を加えて調味し、中火にしてフツフツと煮立ってきたらピーマンを加えて塩、こしょうで味をととのえる。

「ピーマンは早く加えると色が悪くなるので、このタイミングで加えます」

さらっとしている状態から、煮詰めてヘラからポタポタと落ちるまで煮たホワイトソースの状態

2~3分混ぜながら煮込み、木ベラからさらっと落ちていたソース(左写真)が、とろみがついてもったり落ちる状態(右写真)になったら、ホワイトソースの完成。ゆでたマカロニを加えて、マカロニが温まる程度に煮て火を止める。

表面の様子をしっかり見て、ソースにつやが出てきたら加熱終了のサイン。見た目で見極めるのも大切なコツです」

7)パン粉、粉チーズをふり、香りづけの澄ましバターをまわしかける

溶かしバターと澄ましバターの比較、グラタンの仕上げに澄ましバターかける様子

グラタン皿に4等分して盛り、仕上げ用のパン粉、粉チーズの順にふってから表面を軽く手で押さえ、焦げ目が均等につくようにする。澄ましバターをまわしかけ、230℃に温めたオーブンに入れてこんがりと焦げ目がつくまで焼く。

プロの味に近づけるなら、ぜひ試してほしいのが澄ましバターです。バターは溶かしたあとしばらくおくと、透明な油分と白っぽい乳成分の2層に分離します(左写真奥)。この上澄みが澄ましバターと呼ばれるもの(左写真の手前)。すっきり上品な香りがプラスでき、つややかに焼き上がるんです」

バターの上品な香り、なめらかな舌触りに感激!

こんがり焼けたグラタンのイメージ

焼き上がると家庭では体験したことのない、澄ましバターのすっきりと品の良い香りにびっくり。仕上がりはつやつやと美しく、食欲をかきたてます。食べてみると生クリームを使っていないのに、とっても濃厚! きめ細やかでなめらかなホワイトソースがたまりません。 玉ねぎとセロリの食感がしっかり残っていて、食べ応えもあります。

そういえば、ピーマンのほのかな苦みと香りがアクセントになっているのが珍しいですが……。 「加えるのは少量ですが、味を引き締める重要な材料なんです」と宮下シェフ。

家庭でこの味を再現しようと、さっそく取材後に作ってみると、気になっていたダマになる心配はいっさいなし! 料理の腕を勘違いしてしまうスペシャルレシピでした。ぜひお試しください。

取材協力/<西櫻亭>伊勢丹新宿店

西櫻亭シェフの宮下響さん

2016年から<西櫻亭>料理長を務める宮下響シェフ

じっくりと手間をかけて作る、洗練された料理が人気の洋食店。温かみのある店内には、一人で来店する女性客も多い。看板メニューのメンチカツや人気のオムライスのほか、月替わりで登場する料理長の宮下シェフのアイディアメニューも好評。

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文: 原田視納子

写真:菅井順子

店舗のご案内

記事で紹介している<西櫻亭>は、伊勢丹新宿店本館7階にございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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