Foodie(フーディー)は、三越伊勢丹グループが運営する食のメディアです。

2021.10.17

【プロが解説】違いを知ってる? 生鮭、塩鮭、銀鮭、サーモン…レシピ(食べ方)によって選ぶのが正解!

鮭の切り身

日本人になじみの深い魚、鮭。家庭料理からコンビニのおにぎりまで、私たちの食生活とは切っても切り離せない魚ですが、実はひと口に鮭といっても、さまざまな種類があるって知っていましたか?

今回は「鮭って何種類あるの?」「鮭とサーモンの違いは?」「鮭の種類によって食べ方は違うの?」といった素朴な疑問を解決すべく、鮭の基本について鮮魚のプロに聞きました。さらに、ホイル焼き、ムニエル、ちゃんちゃん焼き、西京焼きなど、レシピ別にどの種類の生鮭を選んだらいいかについてもご紹介します!

▼関連記事もチェック!
どっちがサーモン(鮭)かわかる? 意外に知らないトラウト(マス)との違いの解説記事はこちら>>

鮭のムニエルのレシピ~洋食店のように仕上げる焼き方のコツ 【シェフ直伝】

三越伊勢丹 こだわりのお米はこちら>>

鮭とサーモンの違いは? 焼き鮭には何を使う? 魚のプロが疑問にお答えします!

<東信水産>店長さん

鮭の基本について教えてくれるのは、伊勢丹新宿店の鮮魚コーナー<東信水産>店長の喜多川周也さん。この道約30年の鮮魚のプロフェッショナルです。鮭に関する素朴な疑問について、丁寧に教えてもらいました!

Q1 生の鮭にはどんな種類がある?

鮭の切り身

A1 代表的な生鮭は6種類。日本人になじみ深いのは天然ものの「白鮭(秋鮭)」

鮭は川で生まれて海を回遊する魚。日本で流通しているのは、「白鮭(秋鮭とも)」、「銀鮭」、「紅鮭」、「アトランティックサーモン」、「キングサーモン」、「サーモントラウト」の6種類があげられます。

それぞれ産地や特徴は以下の通り。市場に出回る鮭は、「白鮭」以外のほとんどが養殖ものか海外で獲れた冷凍もの。「白鮭」はほぼ100%が日本国内で水揚げされた天然ものです。

▼日本で流通している、おもな生鮭の産地と特徴

白鮭(秋鮭) 【主要産地】日本、ロシア、アラスカ、カナダなど。
【特徴】日本で「鮭」というと、「白鮭」を指すのが一般的。獲れる時期によって「秋鮭」「時鮭」などと呼び名が変わり、脂のノリも異なる。市場に出回るものは、ほとんどが国内で獲れた天然もの。
銀鮭 【主要産地】チリ、日本、アラスカ、ロシア、カナダなど。
【特徴】脂のノリがよく、身がやわらかい。チリで養殖されて輸入したものが圧倒的に多く流通しているが、日本国内で養殖されたものもある。
紅鮭 【主要産地】アラスカ、ロシア、カナダ、日本など。
【特徴】身が締まっていて味が濃い。赤みが強いほどおいしいとされている。海外で獲れた天然ものの冷凍を輸入したものがメインで流通。
アトランティックサーモン 【主要産地】ノルウェー、チリ、カナダ、オーストラリア、スウェーデンなど。
【特徴】刺し身コーナーでおなじみのサーモン。脂ノリがよく、身は薄いオレンジ色をしている。海外で養殖されたものを輸入したものがメインで流通。
キングサーモン 【主要産地】アラスカ、カナダ、チリ、日本など。
【特徴】身が分厚く、脂ノリもよく、海外ではステーキにして食べられることが多い。海外で養殖され、輸入したものがメインで流通。数は少ないが、日本で獲れるキングサーモンは天然の「マスノスケ」と呼ばれ、希少品として親しまれている。
サーモントラウト 【産地】チリ、ノルウェー、デンマーク、日本など。
【特徴】鮭と鱒を品種改良したもの。アトランティックサーモンよりさっぱりしている。海外で養殖され、輸入したものがメインで流通。日本で養殖された津軽の「海峡サーモン」、長野の「信州サーモン」などもご当地サーモンとして人気がある。

実は、川魚で知られる「鱒(ます)」も、鮭の仲間です!

ちなみに、日本の川魚として知られているニジマスなどの鱒(ます)も、実はサケ科の仲間なのだそう! ただし、鮭と鱒は育つ場所が違います。川で生まれて海を回遊して大きく育つのが鮭、川で生まれて川に残って小さく育つのが鱒なのです。

▼関連記事もチェック!
サーモン(鮭)とトラウト(鱒)の違いの詳しい解説記事はこちら>>

Q2 「秋鮭」「時鮭」…、1つの鮭で呼び名が複数あるのはなぜ?

鮭のイメージ

A2 「秋鮭」も「時鮭」も同じ「白鮭」のこと。収穫時期によって呼び名が変わるだけ!

「秋鮭(あきざけ)」、「時鮭(ときしらず)」はどちらも同じ「白鮭(しろざけ)」のことで、実は“水揚げされる時期”によって呼び名が変わります。

「白鮭」は川で生まれて、海を回遊して成長し、9~11月の産卵時期に再び生まれた川に戻ってきたタイミングで水揚げされます。

「秋鮭」は産卵期の秋冬のタイミングで水揚げされる「白鮭」のこと。卵をたくさん蓄えているので脂は少ないですが、身には鮭の旨みとコクがギュッと詰まっています。

「時鮭」は春から初夏にかけて、まだ海を回遊しているタイミングで水揚げされる「白鮭」のこと。卵に栄養がとられる前なので、脂ノリがよくて、身もやわらか。「秋鮭」よりも高級で希少品です。

ちなみに、「秋鮭」の卵は筋子(すじこ)やいくらに加工され、身は塩漬けにして荒巻鮭に加工されます。どちらもお正月に欠かせないものですね。

▼関連記事もチェック!
筋子をほぐして作る、いくらのしょうゆ漬けレシピはこちら>>

Q3 「鮭」と「サーモン」の違いは?

鮭とサーモンの写真

A3 「鮭」は加熱調理が基本。「サーモン」は生食可能なのが特徴

「鮭」と「サーモン」は、食べ方に違いがあります。「鮭」は焼いたり、揚げたりして火を通して食べますが、「サーモン」は刺身や寿司として生のままでも食べられます。

「サーモン」が生で食べられるのは、養殖で寄生虫の心配がないから。一方、「鮭」にはアニサキスなどの寄生虫がいるため、基本的には生食に向いておらず、加熱して食べるのが一般的です。

▼関連記事もチェック!
サーモン(鮭)とトラウト(鱒)の違いの詳しい解説記事はこちら>>

Q4 生鮭、塩鮭の違い、下処理方法は? 生鮭は塩鮭で代用できる?

鮭の水分をキッチンペーパーでふくところ

A4 「生鮭」はふり塩をして臭みをとる。「塩鮭」は酒とみりんで塩抜きするのがプロのおすすめ!

魚売り場の店頭に並ぶ鮭には、「塩鮭」と「生鮭」があります。

「塩鮭」は塩水に漬けて保存性を高めたもので、塩分量によって甘口(甘塩)、辛口があります。一般的に甘口は塩の濃度が5~8%、辛口は8%以上が目安です。

「生鮭」は、旬の時期に出回る新鮮な切り身で、塩分は加えていません。

【生鮭の下処理】塩をふって水気をふいて臭みを除く

「生鮭」は調理するまえに、塩をふりましょう。塩の脱水作用で魚特有の臭みがとれます。塩少々をふり、15~20分くらいおいたあと、魚の表面の水分をペーパータオルで拭き取るだけ。臭みを除くだけでなく、塩をふることで下味がつき、さらに水分が抜けることで身が締まるので、調理するときに身崩れしにくくなります。

【塩鮭の下処理(塩抜き)】プロの技は意外! 酒とみりんを使う方法がおすすめ

「塩鮭」は下処理なしでそのまま焼くことができますが、塩分を控えたいときは、塩抜きしましょう。

薄い塩水や水に漬けて塩抜きする方法が一般的ですが、塩分が抜けすぎてパサパサになりがち。おすすめは酒とみりんを使って塩抜きする方法。酒:みりん=2:1を混ぜた液の中に塩鮭を入れ、冷蔵庫で3時間漬けます。

塩が適度に抜けて、みりんの甘みが加わり、旨みのある味に。焼き鮭としてだけでなく、生鮭の代わりにムニエルやフライなどにしてもおいしいです。

Q5 ホイル焼き、ムニエル、ちゃんちゃん焼き、西京焼き…、料理レシピに合わせて選ぶ、鮭の種類を教えて!

鮭のホイル焼きの写真

A5 脂ノリ、身のやわらかさなど、鮭の特徴を活かして種類を選ぶ

鮭の種類と特徴を知った上で、料理によって使い分けると、いっそう鮭料理がおいしくなります。刺し身、焼き魚、洋食など、料理によって、鮭の種類を使い分けるポイントをおさえましょう。

▼レシピ(食べ方、料理)におすすめの鮭の種類

焼き鮭 シンプルに焼く場合は、ほどよい脂ノリで身がやわらかい「銀鮭」「紅鮭」が最適。
刺し身 生で食べるなら、脂ノリのいい「アトランティックサーモン」「キングサーモン」を。鱒を品種改良した「トラウトサーモン」は比較的安価なのがうれしいポイント。
ホイル焼き ホイル焼きには、脂ノリがよく、身がやわらかい「アトランティックサーモン」がぴったり。ホイルに包んで蒸し焼きにすることで、脂が野菜にも回り、鮭の身もふっくらとしておいしい。
ムニエル 小麦粉をまぶして焼くことで、旨みをギュッと閉じ込めるので、「アトランティックサーモン」「キングサーモン」など、脂ノリのよいサーモンがおすすめ。
▼関連記事もチェック!
プロが教える「鮭のムニエル」のレシピ記事はこちら>>
フライ フライは衣で旨みを包むので、脂ノリのいい「アトランティックサーモン」「トラウトサーモン」などがおすすめ。レモンを絞って酸味を加えて食べると◎。
ちゃんちゃん焼き 鮭と野菜に味噌とバターを加えて蒸し焼きにする、北海道のご当地料理。味噌やバターのコクが加わるので、脂ノリは少ないけれど、鮭ならではの旨みがたっぷりの「秋鮭」がおすすめ。
西京焼き 甘みのある味噌床に漬け込んでから焼く西京焼きは、「秋鮭」「銀鮭」などシンプルな味の鮭と相性抜群。焼いてから醬油だれに漬ける焼き漬けにしても。
鍋料理 寄せ鍋や石狩鍋などの鍋料理には、脂の少ない鮭がおすすめ。身にコクや旨みがある「秋鮭」を選んで。
炊き込みごはん 「秋鮭」「銀鮭」がおすすめ。生のまま加えて炊くと、鮭の脂がいいだしに。炊きあがったごはんに焼いた鮭を混ぜてもおいしい。
チャーハン 色鮮やかな「紅鮭」を焼いてほぐし、ごはんに混ぜると見た目もきれい。塩味のしっかりした「塩鮭」で作るのもおすすめ。

いかがでしたか? 違いが分かると買い物をするときに楽しくなるし、献立を考えるときの参考にもなりますね。鮭料理のバリエーションも広がること間違いなしです!

▼関連記事もチェック!
どっちがサーモン(鮭)かわかる? 意外に知らないトラウト(マス)との違いの解説記事はこちら>>

鮭のムニエルのレシピ~洋食店のように仕上げる焼き方のコツ 【シェフ直伝】

三越伊勢丹 こだわりのお米はこちら>>

写真:難波雄史(Q2、Q5の写真以外)
文:白鳥紀久子

バイヤー・スタイリスト / 喜多川周也
伊勢丹新宿店<東信水産>店長。この道約30年の鮮魚のプロフェッショナル。好きな魚は真鱈。「新鮮な真鱈の切り身や白子、濃厚な肝で作る鱈鍋が好物です。頭や骨からも極上なだしがとれるので、真鱈は捨てるところなし! 魚の旨さを丸ごと楽しめるところが好きな理由です」

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店 本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

FOODIE 占い

人気のカテゴリー

閉じる