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2020.11.26

【プロ直伝】お弁当にもおすすめ「ぶりの照り焼き」レシピ。パサつかずふっくら仕上げる方法とは?

脂ののったぶりに甘辛いタレがからんだ「ぶりの照り焼き」。煮魚は苦手でも、香ばしいぶりの照り焼きは好き! という方も多いですよね。

フライパンで焼いてからタレを煮からめる手軽な料理ですが、臭みが残ったり、パサパサになったり、意外と満足のいく仕上がりにならないもの。今回は手軽に作れて、ふっくら照りよく仕上げるコツをプロが伝授します。冷めてもかたくならないので、お弁当にもおすすめですよ!

教えてくれるのは、伊勢丹新宿店の鮮魚コーナー、<東信水産>の石戸宏さんです。

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鮮魚店が教える、ぶりの照り焼きをおいしく作る極意

ぶりの照り焼きのイメージ

近年は養殖技術が向上し、一年を通しておいしいぶりが手に入るようになりましたが、本来の旬は冬。北海道から日本海側を南下する天然ぶりは「寒ぶり」と呼ばれ、脂をたっぷり蓄えています。まずは照り焼きに向いたぶりの選び方と、臭みを抑えるポイントを知っておきましょう。

極意①「脂ののり」と「鮮度」を見極める

ぶりの切り身

脂がのったものほど、焼いたときにパサつきません。ぶりの切り身には、腹側と背側とがあり、腹側の方が脂が多くなります。違いを見極めるポイントは「形と皮の色」。腹側は長細い形で皮は白っぽく、背側は四角くて皮は黒っぽいのが特徴です。とはいえ、さっぱりとした味が好みなら、背側を選んでも構いません。

魚特有の臭みの原因となる「鮮度」の見極めも忘れずに。血合いの色が赤みがかっていると新鮮な証拠。黒ずんだものは、酸化して鮮度が落ちているので避けましょう。

また、ぶりには「天然」と「養殖」がありますが、天然は身が締まっていて味が濃く、養殖は身がやわらかいのが特徴です。照り焼きは、どちらでもおいしく作れます。

極意② 醤油洗いで臭みを抑え、下味をつける

ぶりを醤油洗いしている様子

ぶりを焼く直前に「醤油洗い」をしておきます。これは醤油が持つ、魚の臭みを引き出す作用を利用した方法で、臭みが抑えられ、下味もつきます。

手順は簡単。ぶりに醤油を軽くまぶしたらすぐにペーパータオルで拭き取ればいいだけ。ぶりをタレに漬け込んだり、塩をふってしばらく置いたりする必要もないので、手軽なのも嬉しいポイントです。

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

【保存版】鮮魚店が教える、ぶりの照り焼きの作り方

ぶりの照り焼きの材料

<材料>(2人分)

  • ぶり(切り身)…2切れ
  • サラダ油、片栗粉…各適量
  • 醤油(醤油洗い用)…大さじ1
  • タレ ※作りやすい分量(6人分)
    ・醤油…大さじ4
    ・みりん…大さじ5
    ・酒、砂糖…各大さじ1

<作り方>

1. ぶりを醤油洗いする

ぶりを醤油洗いしているところ

ぶりの切り身をバットに並べ、醤油洗い用の醤油を全体にまぶす。

「漬け込まないので、表面にさっとまぶす程度で大丈夫です」

ぶりをペーパータオルで拭いているところ

すぐにペーパータオルで醤油を拭き取る。

「醤油にぶりの臭みが移っているので、しっかり拭き取りましょう」

2. 片栗粉をまぶす

ぶりに片栗粉をまぶしているところ

ぶりの表と裏全体に、刷毛で片栗粉をまぶす。刷毛がない場合は、手で薄くまぶしても問題ない。

「片栗粉をまぶすことでタレがよくからみ、照りが増すという効果が。口当たりもしっとりします」

片栗粉をまぶしたぶり

余分な片栗粉をはたき落とす。

3. 調味料を合わせておく

調味料を混ぜているところ

ボウルにタレの材料を合わせ、砂糖が溶けるまで混ぜる。

「タレはぶりの脂の味に負けないよう、醤油を効かせています。そのままで4〜5日、火入れしたら10日ほど持つので、多めに作っておくと便利です。おろししょうがを加えれば、しょうが焼きのタレにもなります」

4. フライパンにサラダ油を熱し、ぶりを皮目から焼く

ぶりの皮目を焼いているところ

フライパンを中火で熱します。向きを揃えてぶりを重ね、皮目を下にしてフライパンの端に立てかけ、皮に焼き色がつくまで焼く。

「皮は残しがちですが、パリッとするまでしっかり焼くと、香ばしくておいしいですよ」

5. 盛り付けるとき表となる面を2~3分焼く

ぶりを焼いているところ

サラダ油をひき、盛り付けるときに表になる面を下にして、焼き色がつくまで2~3分焼く。途中、火が強いようなら弱める。

6. 裏返して1分焼く

ぶりを裏返しているところ

裏返して、さらに1分ほど焼く。

「タレを加えてから煮詰めるので、ここで完全に火を通すと固くなってしまいます。うっすら焼き色がつく程度に加熱しましょう」

7. ペーパータオルで残った油を拭き取る

油を拭いているところ

フライパンに残った油を、ペーパータオルで拭き取る。

「流れ出る脂とともに、ぶりの臭みもさらに落ちます。タレと混ざらないよう、残った油は拭き取っておきましょう」

8. タレを加える

調味料を加えているところ

タレの1/3量を加え、強めの中火にする。

9. 煮汁をかけながら煮からめる

煮汁をかけているところ

煮立ったらフライパンを傾けながらタレをスプーンで上から回しかける。泡が大きくなり、照りが出てきたら火を止める。

「身を返しながらタレを煮絡めると崩れるので、返さずに上からタレを回しかけましょう。片栗粉をまぶしてあるので、まんべんなくからみます」

香ばしいのにパサつかない! ぶりの照り焼きが完成

ぶりの照り焼きのイメージ

照りよく焼かれたぶりは、驚くほど身がふっくら! 甘辛い醤油ダレが、ぶりの脂のおいしさを引き立てています。魚特有の臭みもなく、パリッと焼けた皮の香ばしさがよいアクセントに。

片栗粉をまぶしたおかげでしっとりとしているので、冷めても固くなりません。お弁当にもおすすめです! また、メカジキでも同じように作れるとのこと。プロの極意が詰まったレシピを、ぜひお試しください。

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撮影:難波雄史
文:香取里枝

バイヤー・スタイリスト / 石戸宏
伊勢丹新宿店「東信水産」担当。秋田県の料理屋に生まれ、もともとは料理人を目指していた経緯から、ふぐ調理師の免許も所持。休日もキッチンに立ち、料理した魚をアテにお酒を飲むのが楽しみ。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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