2020.06.25
【下処理も解説】ピンと真っすぐ!えびフライの作り方。プリッとジューシーに仕上げるプロのコツ
老若男女問わず人気の高いえびフライ(エビフライ)。家庭でも作る機会の多いメニューですが、お店で食べるのとは見た目の美しさやえびのプリッとした食感、衣のサクサク感など歴然とした差があります。プロはどんな工夫をしているのでしょうか。
今回はえびフライの作り方のコツを、日本橋三越本店の鮮魚コーナー<吉川水産>の岡部悠人さんに教えてもらいました。基本のレシピに加えて、えびを2尾使った大きなフライの作り方も紹介します。
お店のようなえびフライに仕上げる3つのコツ
「えびフライをおいしく美しく仕上げるためのポイントは、えびの下処理です。ちょっとしたひと手間を加えるだけで、できあがりがまったく異なります」
① えびは「塩+片栗粉」で臭みをとる
えびはそのまま使うと、臭みが残っている場合も。塩と片栗粉で軽く揉んで水洗いすることで、汚れをしっかり落とすことができます。
② 腹側に切り目を入れ、まっすぐに
えびは加熱すると丸くなってしまうことがあります。あらかじめ腹側に切り目を入れて筋を切っておくと、お店のようなまっすぐのえびフライに。
③ 下味をつけたら、20分ほどおいてプリッと仕上げる
えびに塩、こしょうで下味をつけたら、すぐに衣をつけないで。そのまま少しおいておくと、塩の脱水効果で身の食感がよくなります。
それでは、実際にえびフライの作り方を見ていきましょう。
【決定版】鮮魚店が教える、えびフライの作り方
<材料>(2〜3人分)
- えび(無頭)…8尾 ※ブラックタイガーなど
- 片栗粉、塩、こしょう…各少々
- 小麦粉、溶き卵、生パン粉、揚げ油…各適量
「えびは手に入りやすく、食感のいいブラックタイガーがおすすめです。車えびやバナメイえびもフライに向いていますよ。えびは鮮度が落ちやすいので、生のものを購入した場合はなるべくその日のうちに調理しましょう」
<作り方>
1. えびの殻を剥く
えびはまず、足を取り除きます。残りの殻を尾側の一節分だけを残し、剥きます。
2. 背わたを除く
えびの背に包丁で浅く切り込みを入れ、背わたを包丁でかき出します。
「竹串などを使う方法もありますが、切り込みを入れる方が簡単で確実に背わたを取り除くことができます。背わたはえびの腸のことで、臭みがあり、砂が入っていることもあるので、きちんと取り除くようにしてください」
3. 塩、片栗粉で軽く揉む
ボウルにえび、塩、片栗粉を入れ、軽く揉みます。
「塩は脱水効果があり、片栗粉は汚れを吸着させる働きをします。えびを塩と片栗粉で揉むことで、汚れと臭みを取り除きます」
4. 水洗いし、水気を拭く
3のえびを水洗いし、ペーパータオルで水けをふきます。
5. 尾先と剣先を切って水を出す
尾先と剣先(尾の中央の尖っている部分)を斜めに切り落とし、包丁でしごいて中の水を出します。
「尾の先は空洞になっていて水分があり、油ハネの原因になるので取り除きましょう」
6. 腹に切り目を入れる
えびをまな板に腹を上にして置き、節に対して斜めに切り目を入れます。さらに指でえびをまな板に押しつけるようにして筋を切っていきます。
「えびの筋を切ることで、揚げたときに曲がりにくくなります。指で押しつけたときに『プチッ』とした感触が得られたら、筋が切れている証拠です」
7. 塩、こしょうをふり、20分ほどおく
塩、こしょうで下味をつけ、20分ほどおいたら、出てきた水分をペーパータオルでふき取ります。
「塩をふっておくことで、えびの水分が抜け、臭みが取り除けると同時に、食感もよくなります」
8. 卵液を作る
ボウルに卵を割って溶きほぐし、小麦粉少々を加えてよく混ぜます。
「卵は、卵白のコシを切るようにしっかりと溶きほぐしましょう。小麦粉を少し加えて粘度をつけることで、パン粉をつけやすくする効果があります」
9. 衣をつける
えびに小麦粉を薄くはたき、8の卵液にくぐらせます。
10. パン粉をつける
9のえびにパン粉をまぶします。
「パン粉は生のタイプを使用すると、揚げたときに衣が立って、見栄えがよくなるのでおすすめです。えびにパン粉をまぶしたあと、軽く手のひらで握り、しっかりとつけましょう」
11. 揚げる
180℃に熱した揚げ油に10を入れ、カリッときつね色になるまで揚げます。油を切って器に盛り、キャベツやレモンなどを添えれば完成です。
「揚げ油は量をケチらず、えびがしっかり浸かる程度の深さまで用意するのがきれいに揚げるポイントです。高温の油でさっと短時間で揚げると、身がかたくならず、ジューシーに仕上がります」
美しくてボリューミー。ごちそうえびフライのできあがり!
プロのさまざまなコツを取り入れてできあがったえびフライ。ムラなくきれいなきつね色に揚がった見た目が食欲をそそります。えびのプリプリ感と衣のサクサク感が際立っており、旨みが凝縮。生臭さは一切なく、ソースがなくても充分おいしいひと品です。
大きく作りたいときはえびを2尾使っても!
「スーパーなどで小さいえびしか売っていない場合は、2尾使うのもおすすめ。見た目も豪華になり、ごちそう感がアップしますよ」と岡部さんが教えてくれたのがこちらの方法。
下処理したえびの腹側に少しだけ小麦粉をはたき、えびの腹側同士をくっつけて、手で軽く握ります。あとは衣をつけて揚げれば、大きくて食べ応え十分なえびフライが完成です。
シンプルなレシピですが、意外と奥深いえびフライ。小さなコツの積み重ねで仕上がりに大きな差がつくので、ぜひプロのコツを意識してみてください。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=吉川水産にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
Ranking
人気記事ランキング