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2017.12.23

【シェフ直伝】スコッチエッグレシピ。作り方のコツは「冷やす」だけ!とろ〜り半熟に仕上がるテクニック

スコッチエッグ

半熟卵の黄身がとろ~りと溢れるスコッチエッグ。レストランやデパ地下などでは見かけるけれど、どうやって作るのか不思議に思っていました。黄身を半熟にしようとすると肉が半生に。逆に肉にしっかり火を入れようとすると卵が固ゆでになってしまう……。

「卵を半熟に仕上げる秘密は、揚げる前に『冷やす』ことにあります。それさえ押さえれば、家庭で作っても確実に半熟にすることができるんですよ」そう教えてくれたのは、伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフ。

半熟卵のスコッチエッグのテクニックとレシピを教えてもらいました。

半熟スコッチエッグを作るコツは「冷やす」こと!

半熟に仕上げるためには、とにかく「黄身に火を入れすぎないこと」が重要なんだそう。そのため、卵は揚げる前に冷やしておくことが鉄則! ただ、せっかく卵を冷やしても、肉ダネを通して火が入りすぎてしまっては台無しなので、肉にも工夫が必要です。
そこでシェフが導き出した冷やし方テクニックが以下の3つ。調理工程の3段階で冷やしていきます。

1 卵を半熟にゆでたあと、「急冷」する

2 さらに冷蔵庫で「キンキンに冷やす」

3 卵を包んだ肉ダネも冷蔵庫で「冷やす」

まず、ゆでた卵に余熱が入らないよう冷やすのが①。さらに、②で卵の中心まできっちり冷やし、揚げてもすぐには熱が入らないようにします。③で肉ダネを冷やすのは、温度を下げる意味ではなく、肉と卵を密着させるため。肉と卵に隙間があると、揚げている最中で肉にヒビが入ったとき、卵全体に熱が回って半熟がキープできないんだそう。これらのテクニックを使ったシェフのレシピを紹介します。

トロ~リ半熟! スコッチエッグのレシピ

スコッチエッグの材料

<材料>(3個分)

  • 【ゆで卵】
    ・卵…3個(L玉)
    ・岩塩…湯の重量の2%程度
     ※なめてみて「しょっぱい」と感じるくらいの量です
  • [肉ダネ]
    ・合いびき肉…400g
  • 【調味料A】
    ・塩…小さじ1
    ・粗びき黒こしょう…少々
    ・トマトケチャップ…大さじ1
    ・フレンチマスタード…小さじ1
    ・にんにくのすりおろし…小さじ1
    ・ナツメグ…少々
  • 【衣】
    ・小麦粉、溶き卵、パン粉…各適量
    ・揚げ油…適量

<作り方>

1) 沸騰した湯に岩塩を入れ、卵を6分ゆでる

卵をゆでているところ

湯を沸かして岩塩を入れ、卵を静かに入れて6分間ゆでる。

「この塩は省略せず、必ず入れてください。精製塩ではなくミネラル分を含む岩塩を使いましょう。岩塩のミネラル分が白身を固まりやすくし、ヒビ割れたときに白身が流れ出すのを防ぎます。通常よりも早く湯からあげることができます。加熱時間が短くなった分だけ黄身に火が入らないので、トロトロ半熟の状態に仕上げやすいんです」

2)氷水で急速に冷やし、余熱で黄身が固まるのを防ぐ

ゆでた卵を冷やしているところ

ゆで上がったらすぐに氷水で冷やす。氷水の中で卵をころころと回しながら、2分ほど冷やしたら殻をむき、冷蔵庫でさらに冷やす。

「トロトロの半熟状態をキープし、殻を剥きやすくするため、氷水で急冷し、余熱が入るのを防ぐことが重要です」

ゆで卵を割ったところ

※実際に卵は割りませんが、黄身と白身のやわらかさはこの程度。かなりやわらかいので注意しましょう

 

3)合いびき肉にAを入れて練り混ぜ、肉ダネを作る

肉ダネをこねるところ

ボウルに合いびき肉、Aの調味料をすべて入れて、よく練り混ぜる。肉が薄いピンク色になったら、肉ダネの3分の1の量を手に持ち、両手で投げ合うように10回ほど往復させ、中の空気を抜く。

「合いびき肉は温度が上がると肉の脂が溶けて肉がダレてしまうため、作る直前に冷蔵庫から取り出してください」

4)卵に小麦粉をまんべんなくつける。

ゆで卵に小麦粉をつけるところ

ゆで卵全体に小麦粉をまんべんなくつけ余分な粉を払い落とす。

「肉ダネをゆで卵にしっかりくっつけるため、小麦粉は隙間なくつけておきましょう」

5)肉ダネをラップの上に広げる

ラップの上に薄く肉ダネを広げ、中央にゆで卵をおく

肉ダネ(全体の1/3量)を、広げたラップの上にのせ、上下左右に卵と同じくらいの余白ができるくらいの面積まで均等の厚さに伸ばし、ゆで卵をのせる。

6)ラップを使って、肉ダネで卵を包む。

ゆで卵を肉ダネで包むところ

ラップごと手に持ち、肉ダネでゆで卵を包み込む。ある程度丸くなったら、ラップを取り外し、指先で肉ダネの表面をなでて継ぎ目をなくす。

「表面をなめらかにしておくと、揚げたときに肉ダネにひびができにくくなります」

7)冷蔵庫で30~60分冷やす。

「作ってすぐに揚げるのではなく、冷蔵庫で休ませることでゆで卵と肉ダネを密着させます」

8)肉ダネに小麦粉、溶き卵、パン粉を順につける。

パン粉をつけているところ

「小麦粉、卵、パン粉はそれぞれたっぷりつけます。隙間があるとひび割れの原因になるので、隙間なくていねいにつけることが大事です」

9)160℃の油で7分揚げる。

揚げているところ

熱した油にスコッチエッグを静かに入れ、時々転がしながら中火で7分間揚げる。

「油の量は、スコッチエッグが油にひたるくらい。小さい鍋で1個ずつ揚げると失敗しません。金串を肉の層に刺し、金串の刺した部分が熱くなったら、肉に火が通っている証拠。すばやく油から上げましょう」

スコッチエッグの完成

半熟卵は余熱でどんどん火が入ってしまうので、揚げたてをいただきます。ナイフを入れた途端に流れ出るトロットロの黄身に、わっと歓声が上がること間違いなし!とろけた黄身がスパイスの香り豊かな肉ダネにソースのようにからみ、深みのある味わいです。

家でも完璧に半熟にできるスコッチエッグのレシピ、ぜひ試してみてくださいね。

伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!

キッチンステージ

伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

<キッチンステージ>の詳細はこちら>>

shinjukuisetan_kitchenstage

文: 白鳥紀久子

写真:矢野宗利

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
4~5週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」
柬理シェフのレシピ一覧はこちら>>

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