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2017.03.04

プロ直伝! キレイに切ると美味しくなる、刺身の正しい切り方

刺身の切り方イメージ

短冊の形で売っている刺身の「柵(さく)」。家庭で美しく切るのは、なかなか難しいものです。そこで魚のプロに初心者でもできる切り方を教えてもらいました。

どうやら、刺身を切るとぐちゃっとなってしまう最大の原因は、包丁の動かし方にあるようです。

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包丁は手前にすーっと「引いて切る」のが正解

引いて切る正しい切り方

「刺身を美味しく切るには、包丁の刃元を刺身に当てて、手前にすーっと引きながら1回で切るのが正しい切り方。刺身はやわらかくて崩れやすいので、身に負担がかからないよう、できるだけ触る回数を少なくするのが理想的なんです」

 

そう語るのは、伊勢丹新宿店の<東信水産>で調理を担当している安藤雅哉さん。

押して切るのは間違い

よくある間違った切り方は、包丁の刃先を刺身に当て、ギコギコ押しながら切るやり方。身がぐちゃっとつぶれて、刺身の見た目も食感も悪くなってしまうのです。

 

さらに詳しい包丁の持ち方、動かし方の解説はこちら

包丁の基本的な動かし方がわかったところで、刺身の切り方の基本「平作り」と「そぎ切り」を教えてもらいました。意外に迷ってしまう「刺身はどんな向きで置くか」にも注目!

【平作り】まず覚えたい、もっとも基本の切り方

平作りにした刺身イメージ

赤身から白身までオールマイティに使える平作り(=平切りとも)です。刺身の食感を楽しめるように厚みを持たせて真っすぐに切る、初心者でも挑戦しやすい切り方です。

 

1)目の向きが「右上から左下」になるように置く

赤身の場合はさくの目に対して直角に切る

目が写真と逆(左上から右下の向き)に置いて切ると、繊維に引きずられて身がぐちゃっと崩れやすくなります。

刺身のさくには目(=筋肉の筋・繊維)があります。平作りの場合は、右上から左下の向きになるようにまな板に置きます。

さくの奥と手前で厚みが違う場合は、高いほうを奥にして置きましょう。

 

2) さくの右側から切って、右へ寄せる

平作りの切り方

目に対して直角に包丁を入れることで、筋を断ち切るので口当たりがよくなります(①)。そのあと包丁を右に寄せて少し傾け、切った刺身を置きます(②)。残りも同じように1cm幅くらいの間隔で切っていきます。

 

◆白身の場合 目の向きは気にせず、細い部分は斜めに切る

白身の平作りの切り方

白身を平作りにする場合、目が「くの字」に入っていることが多いので、目の向きは気にしなくてOK。さくの厚みが高いほうを奥にして置きます。

白身のさくは尾の方が細くなっています。ひと切れの大きさを揃えるため、最初は平行に切り、身が細くなるにつれ斜めに切っていくのがコツです。

 

【そぎ切り】白身やカルパッチョに

白身のそぎ切りのイメージ

そぎ切りは平切りより薄く、断面が広くなる切り方です。身が締まっていて、薄く切ったほうが食べやすい魚によく用います。

また断面が広いので、味をなじませたいカルパッチョやマグロの漬けにも向いています。

 

1)さく自体を斜めに傾けて置く

白身のそぎ切りの場合、斜めに傾けて置くと左側から切りやすい

そぎ切りの場合、さくは右斜め上に傾けて置きます。さくの奥と手前で厚みが違う場合は、高いほうを奥にして置きましょう。

白身の場合、初心者なら皮目を下にして置くと、皮にひっかかりにくく切りやすくなります。赤身の場合は、目の向きは平作りと逆。左上から右下になるように置きます。

 

2) 左側から包丁を寝かせて切り、切り身は手で左へ移す

白身のそぎ切りのプロセス

そぎ切りはさくの左側から切っていきます。包丁を寝かせて薄くそぐように切ります。さくを押さえている左手の下を通るようにイメージしましょう。

白身のそぎ切りのプロセス

さくを押さえていた左手で切り身をつまみ、左側に重ねるように置いていきます。

 

安藤さん曰く「まずはやってみて慣れること」が最大のポイントのようです。みなさんも、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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中級編・包丁の動かし方と持ち方

もっと刺身が上手に切れる、さらなるコツを教えてもらいました。

◆包丁を引くイメージ

ひじの動かし方。ひじの角度を変えずに後ろに引くのがポイント

包丁を引いて切るときには、脇をしめてひじの角度を変えないまま①→②(写真)後ろに引きましょう。「包丁の刃を端から端」まで使って切るようにイメージすることが大切です。

 

◆包丁の持ち方

包丁の持ち方

包丁は刃元から指1本半くらい空けて持つと、手元の刺身がよく見えて包丁が動かしやすくなります。

 

◆刺身を置く位置

まな板の手前に刺身を置けば、まな板に手が当たらない

意外に見落としているのが、刺身は「まな板の手前寄り」に置くということ。包丁を引いたときに、包丁を持つ手がまな板にぶつからないので、失敗しにくくなります。

 

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文: 松本いく子

写真:菅井淳子

バイヤー・スタイリスト / 安藤雅哉
伊勢丹新宿店「東信水産」担当。現在は店頭に並ぶ刺身の製造を中心に行い、夕方以降は接客に立つことも。「お客さまの好みに合わせた鮮魚をご提案できるよう心がけています。特におろすのが好きな魚は、ヒラメです!」

商品の取扱いについて

【商品の取扱いについて】
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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