2016.12.14
【魚のプロ直伝】簡単いくらの醤油漬けレシピ。失敗しない生筋子(鮭の卵)のほぐし方を解説!
メスの鮭から採れる「生筋子」が出回るのは、産地によって異なりますが一般的に9月~11月中旬。生筋子の薄皮を除いたものが「いくら」です。いくらは冷凍保存ができるので、鮮魚コーナーで生筋子を見かけたら、ご飯のお供「いくらの醤油漬け」を作ってみませんか?
「市販品のいくらの醤油漬けはちょっと塩辛くて」という方は必見、手作りすればあっさりとした味つけでフレッシュな美味しさが楽しめます。しかも、リーズナブルにたっぷりと!
今回は、はじめてでも失敗しない「生筋子のほぐし方」から「いくらの醤油漬け」のレシピを魚のプロ伊勢丹新宿店<東信水産>の石戸宏さんに徹底解説していただきます。
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【いくらの醤油漬けの下準備】生筋子のほぐし方(薄皮の外し方)3つのポイント!
ポイント① 膜にハリのある筋子がほぐしやすい
「粒の大きさは時期によって変わるので、実はあまり気にしなくてもいいんです。それよりも卵一粒一粒が朱色で、膜にハリがある筋子を選ぶことがポイントです」
鮮度が高い筋子は旨みが強く、ほぐしやすさも段違い。膜から見える血筋や全体が赤黒くなっているもの、膜がへたっているものは鮮度が落ちているので避けましょう。
ポイント② 40度のぬるま湯が、一番ほぐしやすい
「筋子は水に浸しながらほぐしますが、作業しやすいのは40度のぬるま湯。膜がほどよく縮み、卵がほぐれやすくなります。鍋で湯を沸かし、小さな気泡がフツフツと出てくるころが40度の目安です」
ポイント③ ぬるま湯に「塩」を入れることで、よりほぐしやすく
「塩分濃度0.5%程度の塩水での作業がおすすめ。何も加えていないぬるま湯でほぐすと、卵が割れやすくなり、旨みも外に溶け出してしまいます」
初心者でも簡単「生筋子のほぐし方(薄皮の外し方)」レシピ
① 40度のぬるま湯に塩を入れて溶かす(2,000mlに対して、小さじ山盛り1が目安)。
「0.5%程度の塩分濃度が理想ですが大体で大丈夫です。ぬるま湯は何度か入れ替えるので、たっぷりと用意しましょう」
② 筋子の膜の切れ目から指を入れ、卵が表にくるように裏返す。湯に浸し、親指の腹で膜をしごくようにして卵を剥がす。
「筋子をぬるま湯に入れると、力を入れなくても卵がぽろぽろとほぐれます。端の方など、ほぐれにくい部分も親指の腹で膜をしごくようにすると簡単にばらけていきますよ」
【こんなときどうする?】
湯につけたら、卵(いくら)が白っぽくにごってしまった…!(Q&Aへ)
【ほぐし方】焼き網に押し付ける方法も!
このほかに、焼き網を使ってほぐす方法もあります。卵側の面を網目に押し付け、擦りつけるようにほぐします。※焼き網は汚れていないものを使用しましょう。「ええっ、ちょっと乱暴では!?」と思うかもしれませんが、「意外と潰れないんですよ!」と石戸さん。手作業よりも、素早く作業ができるそう。
③ 卵がすべてほぐれたら、3〜4回湯を替えながら、血合いや白い薄皮を取り除く。
大きな膜から卵をほぐし終わったら、ぬるま湯を替えて剥がしきれなかった細かい膜も丁寧に取り除きます。
「卵を優しくかき混ぜながら、浮いてくる血合いや白い薄皮をすくっていきます。この作業を怠ると、見た目も食感も悪くなるので、しっかり取り除いておきましょう」
【こんなときどうする?】
ほぐした筋子の汚れはどの程度まで取るべき?(Q&Aへ)
④ ザルに水あげして、5分ほどおく
「卵に含まれた水分をしっかりきっておくことで、このあとの調味液も入りやすくなります」
【基本の味付け】まず覚えたい「いくらの醤油漬け」レシピ
<材料>(作りやすい分量)
- 生筋子(1本分・250〜300g)
- 【調味液】
・濃口醤油…大さじ2
・みりん…大さじ2
・酒…大さじ2
<作り方>
- 小鍋にみりんと酒を入れ、煮切ってアルコール分を飛ばす。
- 1.に醤油を加えて弱火にし、フツフツした状態で3分程煮詰め、冷ましておく。
- ほぐして水気を切った筋子を清潔な保存容器に入れ、2.を注ぐ。
※調味液に漬けてから、半日〜一晩たったら食べごろ。ゆず皮を加えてさっぱりと仕上げるのもおすすめです。
【保存方法】
冷蔵庫で1週間程度保存可能。冷凍する場合は1食分ずつラップで小分けにして2か月程度冷凍保存も可。使う時には冷蔵庫に移して解凍します。
【こんなときどうする?】
いくら醤油漬けがしょっぱく感じたら…?(Q&Aへ)
【味付けアレンジ】「いくらの味噌漬け」レシピ。旨みが濃縮されて、琥珀色に!
<作り方>
筋子はほぐして塩分濃度3%程度の塩水でさっと洗い、5分程度水気を切る。味噌大さじ2にみりん大さじ1を加えて練り、清潔な保存容器に味噌→ガーゼ→いくら→ガーゼ→味噌の順番で重ね、一晩漬ける。
【保存方法】
味噌に挟んだまま冷蔵庫で1週間保存可能。味噌から外して1食分ずつラップで小分けにすれば、2か月程度冷凍保存も可。使う時は冷蔵庫に移して解凍します。
【味付けアレンジ】「いくらの塩漬け」レシピ。すぐに食べられるシンプルな味わい!
<作り方>
適量の昆布だしに塩を加えて塩分濃度3〜5%にし、ほぐした筋子をさっと洗う。5分程度水気をきる。たったこれだけ!
【保存方法】
塩水を含ませたガーゼをかぶせ、清潔な保存容器に入れれば冷蔵庫で1週間保存可能。1食分ずつラップで小分けにすれば、2か月程度冷凍保存も可。使う時は冷蔵庫に移して解凍します。
こんなときどうする? Q&A
Q1:湯につけたら、卵(いくら)が白っぽくにごってしまった…!
A1:塩や醤油など、調味液につけると元に戻るので心配いりません。
(編集部調べ:生筋子に塩をまぶして熱湯をかけ、すぐに菜箸でぐるぐるかき混ぜて薄皮を除く方法がありますが、この場合でも、ザルに上げたあと卵はいったん白っぽくなりますが、すぐにオレンジ色に戻ります)
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Q2:ほぐした筋子の汚れはどの程度まで取るべき?
A2:薄皮や膜をすべて取り除こうとしても、際限なく出てきます。3〜4回、湯を替えながら取り除けばOKです。
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Q3:いくらの醤油漬けがしょっぱく感じたら…?
A3 :「呼び塩」という方法で塩気を抜くことができます。調味液を半分程度捨て、みりん少々と、飲める程度の濃度の薄い塩水を入れ、一晩おきます。いくらの中の塩分が調味液へ移動して、塩辛さが解消されます(浸透圧の影響で、塩分が濃いところから薄いところへ移動するはたらきを利用した方法)。
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商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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