2016.01.13
ぬか漬けの美味しい作り方。ぬか床作りの基本。おすすめ食材・手入れ・失敗ポイントを編集部が検証!
かつては、各家庭にひとつはあったぬか床ですが、独特な匂いや手入れの煩わしさから、ぬか漬けを作る家庭はすっかり少なくなりました。
しかし最近、美容や健康をサポートする発酵食品として、ぬか漬けに注目が集まりはじめていることをご存知ですか?
WEB FOODIEでは、編集部員4名がぬか漬け作りに挑戦。マイぬか床、マイぬか漬けを持って座談会を開催しました。座談会にはぬか漬け歴15年のベテラン、料理研究家・濱田美里先生も参加。熱いぬか漬けトークを繰り広げました。
まずは知っておきたい、ぬか床作りの基本
座談会の前に、まずはぬか床の基本的な作り方を紹介します。
① ぬかに材料を混ぜる
ぬかに水と塩、唐辛子、昆布など出汁になるものを混ぜる。
② 『捨て漬け野菜』を入れる
大根、キャベツ、人参など水分のある野菜を「捨て漬け野菜」として投入する。
③ 食材を入れて、ぬか漬けスタート
始めて1週間くらいは毎日かき混ぜます。「捨て漬け野菜」を3〜4日ごとに交換しながら1週間〜10日程経てばぬか床は準備完了!
【座談会スタート】毎日お手入れor放任!? 性格の出るぬか床生活
——まずは、初めてあるいは久しぶりにぬか漬けを作った感想を聞かせてください。
編集部K: 塩分量の調整がうまくいったようで美味しいぬか漬けが作れました。以前チャレンジしたときは、すぐにしょっぱくなってしまったので「急いで食べなきゃ」と焦ってしまい「ぬか床疲れ」をして断念したことがあったのですが。お酒が飲みたくなるぬか漬けができましたよ!
編集部I:私は、今回初めて挑戦しました。ぬか床作りの手間をかけず、すぐに始められる〈金沢大地〉の「わたしのぬか床」を使ったので、簡単でした! 食材は、子供が食べられるよう定番の野菜。ほぼ毎日かき混ぜたり、野菜を入れ替えたりしています。思わず「面倒くさいわね」と口走ってしまうこともありますが、今では、ぬか床を愛しています。
編集部M:私もIさんと同じ〈金沢大地〉の「わたしのぬか床」を使っています。冷蔵庫で管理しているので、取り出すときにちょっとかき混ぜるくらいで、ほとんど何もせず、最小限の手間でぬか漬けを作りました。
編集部O:以前に作っていたとはいえ久しぶりの挑戦なので、はじめは野菜を漬けてカンを取り戻してから洋風食材に挑戦しました。どれも美味しくできたと思います。
どれが一番? 自慢のぬか漬けをみんなで試食!
やっぱり美味しい定番の野菜。でも乳酸菌が溺れる!?
編集部I:私の自信作はカブです。いろいろな形に切って漬けてみた結果、6等分に切ると漬かり具合がちょうど良くなることが判明しました。ポイントは、ちょっと葉っぱを残すところですね。
編集部O:甘くて美味しい! 葉っぱの歯ごたえがいいアクセントになりますね。
濱田先生:ちゃんと乳酸発酵しているので酸味があって、とてもいい味です。ただ、ぬか床はかなり緩めですね。水分が多いと、乳酸菌が溺れて発酵しなくなってしまうんです。干し椎茸や昆布のような水気を吸う乾物を入れると、水分量が調整でき、同時にうま味も出ます。ベストな固さは味噌ぐらいですね。
絶賛&酷評! 嵐を巻き起こすぬか漬け問題作……
編集部M:私のオススメはささみです。酒蒸しして漬けただけで、その後はほぼ何もしていません。塩気が強くなってもほかのお料理に使えるので、気に入っています。
濱田先生:美味しい! チーズみたいな後味がありますね。
編集部M:アボカドはいかがですか? やわらかいと崩れてしまうと思ったので硬めのものを漬けたのですが。
編集部K:あれ……、美味しくない! アボカドはやわらかいものを使った方がいいんじゃない?
編集部員I:これは……アボカドの良さがが全くない(笑)。アボカドは繊細さが必要なんじゃ……。
魚もぬか漬けにすれば、絶品の日本酒のつまみに!
編集部K:僕の代表作はタラ。タラの表面が隠れるくらいうっすらとぬかを塗り、フリーザーパックに入れて、冷蔵庫で2日間漬け焼きました。
濱田先生:フリーザーパックでお魚を漬けるのはとてもいいアイディアですね。においも移りませんし。
編集部I:手間がかかっていますね……。ちょっと私にはできないや。あ、塩気が強すぎなくてやさしい味! 美味しいですね。日本酒と一緒に食べたい!
濱田先生:ぬか床自体の発酵はまだ少し弱いようなので、一度ぬか床を冷蔵庫からお出しになって、もう少し乳酸発酵させると栄養面ではさらに良くなると思います。乳酸菌がビタミンを増やしてくれますから。
ワインに合う!? モッツァレラチーズのぬか漬け
編集部O:私のおすすめはモッツァレラチーズ。昨日の夜、小さめのものを、クッキングペーパーに包んで入れました。こうすると、出した後に洗う手間が省けるんですよ。
編集部K:これ、本当に美味しいですね。ワインが飲みたくなる。パンにも合いそうだし、一緒に漬けた豆腐のぬか漬けも白ワインに合いそう。
「ぬか床部」が漬けたぬか漬け
編集部I:かぶ、きゅうり、茄子、トマト
編集部M:ささみ、アボカド、アスパラ
編集部K:タラ、タコ、するめ
編集部O:モッツァレラチーズ、豆腐、昆布、こんにゃく、大根
教えて先生、もっとぬか漬けを楽しむには?
ぬか漬け作りにチャレンジする中で出てきた疑問を、濱田先生に答えてもらいました。
Q,1ヵ月くらいの長期間外出するとき、ぬか床はどうすればいい? (K)
A, まずはしっかりと水分をとってぬか床の上に乾いたぬかを被せ、その上に塩をかけた状態で冷蔵庫に入れてください。一部は使えなくなりますが、そこを捨てれば大丈夫。
Q,ぬか床に入れると美味しくなるものって? (O)
A, 昆布や煮干し、かつおぶし、干し椎茸などを入れるといいですよ。あとは、焼いた塩鮭の頭を入れると格段に美味しくなります。胡椒、にんにく、しょうが、生の梅の実もおすすめです。
最後には、お互いのぬか床の匂いを嗅ぎ始め、「まろやか」「食いしん坊の匂い」と、ぬか床の匂い批評を始めた一同。できあがったぬか漬けのみならずぬか床にもその人の個性が表れるようです。 2016年の事始め、みなさんもぬか漬けにチャレンジしてはいかがですか?
取材協力:濱田美里
料理研究家。「食べて改善おくすりスープ」「干し野菜百科」など著書多数。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクションにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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