
2025.04.19
美しい色の秘密はタイミング! 豆ご飯(グリンピースの炊き込みご飯)簡単レシピ(2合、3合)
3月から5月にかけて出回る、生のグリンピース(グリーンピース)。ほっこりと甘く、冷凍や缶詰のグリンピースにはない爽やかな香りやほくほくした食感は格別です。その美味しさをシンプルに味わうなら、やっぱり「炊き込みご飯」は外せませんよね!
そこで今回は、栗、さつまいも、牡蠣、たけのこ、松茸など、食材の持ち味を生かした炊き込みご飯レシピがWEB FOODIEで大好評な、料理研究家の小島喜和さんにレシピを教えてもらいました。
「具材はグリンピースだけ。だしも不要でとっても簡単ですが、グリンピースの選び方や扱い方、加えるタイミングなど、押さえて欲しいポイントがいくつかあります」
なるほど! それでは気になるポイントを、まずはチェックしていきましょう!
▼関連記事もチェック!
嫌いな人も食べられる!? グリンピースのミネストローネのレシピ>>
グリンピース(グリーンピース)を美しく、甘くホクホクに仕上げる!「豆ご飯」3つのポイント
【ポイント①】グリンピースはサヤつきを選び、サヤから出したら水に浸すこと。やわらかさが保たれ、豆にシワが寄らない!
グリンピースとは「エンドウ」の一種で、緑色のサヤの中に入った実(豆)だけを食べる野菜です。
「生のグリンピースを購入するときは、サヤから出して実だけを集めたものと、サヤに入ったものと2パターンで販売されているので、旬の時期はサヤに入ったものを選びましょう。サヤから出すことで空気に触れて鮮度が落ち、グリンピース特有の青臭さが強まったり、かたくなったりするからです。
そして、サヤから取り出したグリンピースは、使う直前まで水に浸しておきます。グリンピースは空気に触れると芽を出そうとして皮がかたくなるので、それをできるだけ防ぐことと、でき上がりの豆にシワが寄るのを防ぐためです」
ちなみに、新芽を食べる「豆苗」が成長すると、サヤごと食べる「さやえんどう(絹さや)」に、さらにふっくら成長すると緑色の実だけを食べる「グリンピース」に、最後は成熟した豆はみつ豆に入っている「エンドウ豆」と呼ばれます。これらが同じ植物だったとは意外ですね。
エンドウはほかにも種類があり、食べる部分によって以下のように分類できます。
【実だけを食べる実エンドウ】グリンピース、うすいえんどう(うすい豆)
【サヤごと食べるさやえんどう】絹さや、スナップエンドウ、砂糖ざや、マーメラス
▼エンドウ豆の種類はこちらの記事をチェック!
【豆知識]グリンピースには仲間がいっぱい!>>
【ポイント②】味つけは「美味しい塩」のみ! グリンピースの香り、味わいが際立つ
炊き込みご飯というと「だし汁」が必須と思いがちですが、今回は不要。調味料も塩のみです。
「塩だけのシンプルな味つけの方が、グリンピースの繊細な香りや甘みを素直に感じられます。ただし味の決め手となる塩は、なるべく美味しい天然塩を使ってください。塩加減もしっかり効かせ、グリンピースの甘みを引き出しましょう」
【ポイント③】グリンピースを加えるタイミングは、お米が沸騰してから! ほどよいホクホク感ときれいな色味に仕上がる
グリンピースは最初から炊き込むと、火が通りすぎてホクホクとした食感や、色味が損なわれてしまいます。お米が沸騰したタイミングで加え、ちょうどよい具合に仕上げましょう。
「ただし、炊飯器で作る場合は、ふたを途中で開けられないことも多いので、ゆでておいたグリンピースを炊いたご飯と合わせてください」
鍋で炊く「豆ご飯(炊き込みご飯)」の作り方。グリンピース(グリーンピース)を加えるタイミングに注目!
<材料>(米2合分) ※3合で作る場合の分量はこちら
- 米…2合
- グリンピース(またはうすいえんどう)…正味100g(さやつき28本、約320g)
- 塩(天然塩)…小さじ1
「今回のレシピは、うすいえんどう(うすい豆)でも作ることができます。グリンピースよりも皮がやわらかい品種なので、やわらかい食感が好みであればおすすめです」
※米3合で作る場合の分量
グリンピース(またはうすいえんどう)…正味150g(さやつき42本、約480g)、塩(天然塩)…小さじ1と1/2 ※水は、鍋の場合は540ml、炊飯器の場合は内釜の3合の目盛りまで注ぐ
<作り方>
1. 米を研ぎ、20~30分ほど浸水させる
米は研ぎ、20分~30ほど浸水させる。
「浸水時間は米の状態によって調整してください。新米の場合は水分量が多いので、浸水は不要。研いだらすぐにザルに上げて炊けばよいので、作り方3のタイミングで研いでください」
▼詳しい米の研ぎ方はこちらの記事をチェック!
調味料は塩だけ! 栗ご飯のシンプルな作り方>>
2. グリンピースはサヤを開いて豆を取り出し、水に浸す
3. 炊飯のできる鍋に米、水、塩を入れて炊く
1の米をザルに上げて水気をしっかりきり、鍋に入れる。水を360ml注ぎ、塩を加えて手でざっと混ぜ、ふたをして強火にかける。
「今回は鋳物の琺瑯鍋を使用しましたが、炊飯のできる土鍋やステンレスの鍋をお使いいただいても構いません。炊飯器で炊く場合は、グリンピースの下ごしらえ、加えるタイミングが異なるので、最後にご説明します」
4. 沸騰したらグリンピースを加えて15分ほど炊き、火を止めて10分ほど蒸らす
沸騰したらザルに上げて水気をきった2のグリンピースを加え(写真)、平らにならす。ふたをして弱めの中火で炊き、沸騰して湯気が出てきたら弱火にし、トータルで15分ほど炊いたら火を止める。
10分ほど蒸らし、底からさっくりと混ぜたら完成。
【炊飯器で炊く場合の作り方】
- 塩少々を加えた湯でグリンピースを好みのかたさにゆで、ザルに上げておく。
- 米は研いでザルに上げて水気をきり、炊飯器の内釜に入れる。炊飯器の2合(米3合の場合は3合)の目盛りまで水を注ぎ、20〜30分浸水させる(新米の場合は浸水不要)。
- 2に塩を加えて手でザッと混ぜ、炊飯器にセットして普通の白米と同じように炊く。
- 炊飯器に1のグリンピースを加えてふたをし、グリンピースが温まるまで待つ。底からさっくりと混ぜたら完成。
【実食】豆ご飯(炊き込みご飯)。生グリンピース(グリーンピース)ならではの、ホクホク感とに感激!
ふたを開けると、あたりに春を思わせる爽やかな香りが漂います。だしが入っていないと物足りないのでは?と思いつついただくと、一口で「これが正解!」と納得! 塩のみのシンプルな味つけだからこそ、生のグリンピースの甘みや香りがダイレクトに感じられます。
「給食の豆ご飯のグリンピースがグニャッとしていたので、じつは苦手…」と公言していた撮影スタッフは、おそるおそる口に運ぶやいなや「全然違う!ホクホクしていて美味しい!」と感激し、残りをお土産にしていたのが印象的でした。
「お弁当用におにぎりにしても美味しいのよ」と小島さん。行楽のお供にもぴったりです!
レシピ/小島喜和さん
料理・菓子研究家。季節の手仕事を得意とし、梅仕事や味噌作りなど、各種ワークショップを開催。また、ニューヨーク、パリの製菓学校で製菓、製パンを学び、ディプロマを取得した経験を活かし、料理教室、お菓子教室を主催している。
高知県出身で、地元の郷土料理や食材を広める活動はライフワーク。『心ふるえる土佐の味』(高知新聞社)、『みそさえあれば。』(日東書院本社)、『四季を愉しむ手しごと』(河出書房新社)など著書多数。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
※オンラインストアでは商品によりギフト包装が出来ない場合がございます。詳しくは各商品ページの「ギフト包装」をご確認ください。
Ranking
人気記事ランキング