2024.07.05
【銀座アスター】エビチリの本格レシピ。調味料2つだけで簡単に味が決まります!
プリプリ食感のエビに、真っ赤な甘辛ソースがからんだ「エビチリ(海老のチリソース煮)」。中国料理のなかでも、昔からとりわけ幅広い世代に人気の一品です。具材は基本的にエビと香味野菜だけとシンプルなので、家庭でもトライしやすい料理ですよね。
でもいざ作ってみるとエビが生臭い、ソースがうまくからまない、味が決まらないなど、簡単なようでパッとしない仕上がりになりがち…。やはりエビはプロのように油通し(たっぷりの油にくぐらせる下ごしらえ)して、いろいろな調味料を使わないと美味しくならないのでしょうか?
「フライパンに具材を順に足していく作り方で、ちゃんと美味しいエビチリになります。調味料も2つしか使わないので簡単です!」
そう教えてくれたのは、伊勢丹新宿店 本館7階 レストラン街に店舗を構える<中国名菜 銀座アスター>の調理長、林 直樹シェフ。まさか調味料2つでプロの味が作れるなんて信じられません…。まずは気になる作り方のポイントから、伝授してもらいましょう!
簡単だけどプロの味! 仕上がりに差がつく「エビチリ」3つのポイント
「エビチリは、銀座アスターでは『海老のチリソース煮』として長年お客様から愛されてきた一品です。お店では専用のケチャップを使い、エビを先に油通し(たっぷりの油にくぐらせる下ごしらえ)して一度取り出し、手間をかけて作っています。ですが、今回はご家庭でも作りやすいよう、まずはエビを炒め、順に具材や調味料を加えていく、簡単な作り方をご紹介します。
ソースに使う調味料は2つだけですが、私が日ごろ培った知識や技を生かし、簡単で美味しいオリジナルレシピを考えたので、ご満足いただけるお味になっていると思います。エビの下処理など、ちょっとしたひと手間が味の違いを生むので、次のポイントを押さえて作ってみてください」
【ポイント①】エビは下処理で臭みを除き、味付け衣でプリプリの食感に!
「生のエビはそのまま調理すると生臭みや汚れが残るので、下処理で取り除くことが大切です。まずは塩をふり、塩の浸透圧効果によって臭みを含んだ水分を浮かせます。次に浮いた水分と汚れを片栗粉に吸わせ、きれいに洗い流します。
また、エビに下味をつけたあと、衣の材料(溶き卵、片栗粉、油)を加えて、全体にまとわせます。卵と片栗粉は加熱するとかたまり、エビがコーティングされるので、水分が逃げずプリッとした食感になりうま味も逃げません。油は衣がなめらかになって、エビ同士がくっつくのを防げます。さらに、衣がつくことでエビにソースがからみやすくなります」
【ポイント②】味つけはケチャップ+スイートチリソース! これだけで味が決まり、絶妙な甘辛バランスに
「味の決め手となるチリソース。お店では、ケチャップ、豆板醤、しょうゆなどをブレンドした『乾焼醤(カンシャオジャン)』という自家製の専用ケチャップを使っていますが、ご家庭ではスイートチリソースとケチャップを使いましょう。
スイートチリソースは生春巻きのタレなど、タイ料理やベトナム料理で多く使われる調味料で、唐辛子の辛さが特徴的な甘めのソースです。ここにほどよい酸味と甘みを持つケチャップを加えると甘辛のバランスが取れて、調味料2つだけでも味がしっかり決まります」
【ポイント③】仕上げに溶き卵を流し入れる! 口当たりがよくなり、辛さもマイルドに
「仕上げに溶き卵を加え、フワッとした状態に仕上げます。卵が加わるとソースの口当たりがよくなり、辛味もマイルドになるのでお子さんでも食べやすくなります。
また、溶き卵は衣に使用した残りを使うので、食材を無駄なく使い切れることもポイントです」
<銀座アスター>林シェフ考案「エビチリ」の作り方
<材料>(2人分)
- むきえび(バナメイえび)…120g ※冷凍の場合は解凍しておく
- にんにく(みじん切り)…1かけ分
- しょうが(みじん切り)…1かけ分
- 長ねぎ(みじん切り)…10cm分
- 【味付け衣】
・塩…少々
・こしょう…少々
・酒(あれば紹興酒)…少々
・溶き卵…小さじ1 ※卵1個(L玉)を溶き、味付け衣用に使った残りは仕上げ用に使う
・片栗粉…小さじ1
・サラダ油…小さじ1 - 【合わせ調味料】
・トマトケチャップ…100g
・スイートチリソース…50g
・水…大さじ3 - サラダ油…大さじ3
<作り方>
1. エビの下処理をする。背ワタを取り除き、塩と片栗粉でもみ洗いしてから、水気をしっかりふき取る
エビは背ワタを取り除く。エビの背中の少し下あたりに楊枝を刺し、そのまま背中を突き破るようにして上に引き抜く。
「背ワタはついていない場合もありますが、あれば黒っぽい筋が引き出されます(写真)。背ワタは消化器官なので砂などが含まれていて、残ったままだとジャリッとして臭みを感じることも。ひと手間ですが、やっておきましょう」
エビをボウルに入れ、塩をひとつまみ(分量外)ふってもみ込む(上写真)。次に片栗粉を加え、エビから出た水分を片栗粉が吸ってしっとりするまでさらにもみ込む(下写真)。
汚れた水が透明になるまで、水を2~3回交換して洗い(上写真)、水気を手でギュッと絞り、キッチンペーパーに並べ、さらに上からも押さえて水気をふき取る(下写真)。
「水分が残っていると油ハネしやすいので、水気をしっかりふき取っておきましょう」
2. えびに【味付け衣】をまとわせる
1のエビをボウルに入れ、塩、こしょう、酒、溶き卵小さじ1、片栗粉、サラダ油を順に加え、そのつど手で混ぜ合わせる。
「ここではもみ込まず、全体をさっと混ぜ合わせる感じにします」
3. 【合わせ調味料】を混ぜ合わせておく
別のボウルに合わせ調味料の材料入れ、よく混ぜ合わせておく。
4. エビをフライパンで焼き、6割程度火を通す
フライパンにサラダ油を中火で熱し、2のエビを入れる(上写真)。裏側の衣がかたまるまでそのまま1分ほど火を通し、裏返してさらに1分ほど火を通す(下写真)。
「合わせ調味料を加えてさらに煮込むので、ここではエビに6~7割火が通っていればOKです。火が入り過ぎるとかたくなるので気をつけましょう」
5. 香味野菜を加えて炒め、【合わせ調味料】を加えてトロミがつくまで煮る
エビをフライパンの片側に寄せ、空いたところににんにく、しょうが、長ねぎ1/3量を加え、香りが立つまで炒める。
「ここで長ねぎを少量炒めるのは、香味を立たせてエビの臭みをやわらげるためです。残りの長ねぎは仕上げに加え、シャキッとした食感を生かします」
3の合わせ調味料を加え、混ぜ合わせる。火を強め、トロミが出るまで少し煮立てる。
「一度しっかり煮立てることで、トマトケチャップの酸味が飛んで甘みが引き出されます。また、煮ることでエビにまとわせた片栗粉がソースに溶けだし、トロミがつきます」
6. 仕上げに溶き卵を回し入れ、残りの長ねぎを加えて火を止める
残りの溶き卵を回し入れ(上写真)、卵が半熟状態になるまでそのまま触らずに加熱する(下写真)。
残りの長ねぎを加え、火を止めて器に盛る。
「長ねぎを加えたらすぐに火を止めましょう。余熱で長ねぎに火が入り、シャキッとした食感に仕上がります」
【実食】プリプリのエビチリ。奥深い味わいで、ねぎとフワフワ玉子の食感が心地よい!
フライパン1つであっという間に完成したエビチリ、さっそくいただきます! 噛んだ瞬間に弾けるようなエビの弾力。丁寧な下ごしらえのたまものでしょう、臭みが全くありません。仕上げに加えた玉子のフワフワ感と、ねぎのシャキッとした食感がよいアクセントになっています。
何より驚いたのが、調味料たった2つだけできちんとエビチリのソースになっていること。辛味はしっかりありつつ、甘みはスッキリとした上品な味わいで、「本当にこんな簡単にこんな美味しくていいの?」と唸ってしまいました。子どもから大人まで喜ばれる味わいのエビチリ、どうぞお試しください!
伊勢丹新宿店 本館7階 レストラン<中国料理 銀座アスター>では作りたてのお惣菜が、テイクアウトも可能です!
伊勢丹新宿店 本館7階にあるレストラン<銀座アスター>では、「海老のチリソース煮」(店内3,300円、テイクアウト3,240円・ともに税込)をはじめ、レストランで提供している作りたてのお惣菜が、テイクアウトでも購入できます! レストラン店頭、またはお電話(☎03-3352-0975 <銀座アスター>伊勢丹新宿店)にて注文も可能なので、ぜひチェックしてみてください。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館7階 レストラン街 イートパラダイス
取材協力/中国名菜 銀座アスター 伊勢丹新宿店
中国の調度品を飾ったシックな店内で、季節ごとに変わるコース料理や気軽なアラカルトなどのメニューが楽しめる。2022年8月より<中国名菜 銀座アスター>新宿伊勢丹店の調理長に林直樹シェフが就任。中国料理をこよなく愛し、25年間<銀座アスター>一筋で腕をふるう。
店舗のご案内について
記事でご紹介している<中国料理 銀座アスター>は、伊勢丹新宿店 本館7階 レストラン街 イートパラダイス にございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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