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2023.03.06

基本のカレイの煮付けレシピ。プロのコツでふっくら味しみしみ! おすすめの種類も解説

カレイの煮付けのでき上がり

和食の定番として家庭でおなじみの煮魚料理、カレイの煮付け(鰈、かれいの煮物)。調味料で煮るだけの簡単なレシピですが、いざ作ってみると、臭みが残っていたり、身が崩れてしまったりとなかなか難しいもの…。

それに「カレイ」といっても店頭ではいろいろな種類があって、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。

そこで今回は、いつもの煮付けをレベルアップさせるコツを、魚の選び方や下処理から丁寧に解説します。教えてくれるのは、伊勢丹新宿店の鮮魚コーナー、<東信水産>の石戸宏さんです。

※この記事は過去の記事を再編集して掲載しています。

カレイの煮付けも上手にできる深型フライパンはこちら>>

使うのは丸ごと? それとも切り身? 煮付けにおすすめのカレイの選び方

カレイの切り身

日本近海だけでも30種類以上生息していると言われるカレイ。まずは、代表的な種類と特徴、煮付けに向いているカレイについて紹介します。

① アカガレイ

赤みがかった皮の色が特徴。秋から冬にかけて出回る。身質は締まっていてやや固く、さっぱりした味わい。煮付けや塩焼き、ムニエルなどに向いている。

② ナメタガレイ ★おすすめ!

冬に旬を迎え、子持ちが出まわる。高級魚として有名なカレイ。「ババガレイ」とも言われ、脂がのっているのが特徴。煮付け、刺身、干物などにするとおいしい。

③ マコガレイ

初夏から夏にかけて旬を迎えるカレイ。さっぱり淡白な味わいで、から揚げや酒蒸し、刺身におすすめ。

カレイの煮付けには、冬が旬の「ナメタガレイ」の切り身がおすすめ! 肉厚な子持ちを選んで

カレイの切り身

「煮付けにいちばんおすすめなのは、冬に旬を迎えるナメタガレイです。旬にはピンク色の子持ちが出まわります。脂がのっているので煮てもパサつかず、ふっくら仕上がります。

カレイの切り身を選ぶときは、肉厚なものを選ぶのがおすすめ。一尾丸ごとの場合は小ぶりでやせていることが多いので、煮付けよりもから揚げなどに向いています」

それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

【保存版】鮮魚店が教える、カレイの煮付けの作り方

カレイの煮付けの材料

<材料>(2人分)

  • カレイ(切り身)…2切れ
  • 【煮汁】
    ・水…175ml
    ・酒…175ml 
    ・みりん…大さじ4(60ml)
    ・濃口醤油…大さじ2と1/3(35ml)
    ・たまり醤油…大さじ1強(17.5ml) ※濃口醤油で代用可
    ・砂糖…大さじ2強(20g)
  • 長ねぎの白い部分(3〜4cm長さに切る。太ければ切れ目を入れる)…1本分
  • しょうが(皮付きを薄切り)…1/2片分

「煮魚にはたまり醤油を使うのがおすすめ。照りやツヤが出ると同時に味にコクが加わるので、本格的な見た目と味わいに仕上がるので、ぜひ試してください」

▼たまり醤油など醤油の種類について詳しい解説はこちら>>

<作り方>

1. 塩をふって10~15分ほどおく

カレイに塩を振る様子

バットに塩少々をふってからカレイの切り身を置き、上からも塩少々(ともに分量外)をふる。

「塩は下味ではなく、生臭みを取るためにふります」

カレイから出ている余分な水分

カレイの余分な水分をふき取る様子

10~15分ほどおくと、余分な水分が出てくるのでペーパータオルで軽くふき取る。

「しばらくおくと出てくる水分に魚の臭みが含まれているので、ふき取りましょう。このあと湯に通して霜降りするので神経質にとる必要はありません」

2. カレイを霜降りして冷水にとる

カレイを霜ふりする様子

ボウルに冷水を用意しておく。カレイの切り身が入るサイズのフライパン(直径24cm深さ5cm)か鍋に、たっぷりの湯(カレイの切り身がかぶるくらいの量)を沸かし火を止める。カレイの切り身をそっと入れ、すぐに鍋から取り出し、冷水にとる。

「『霜降り』とは魚の臭みを取るための下処理のこと。魚に塩をふってから、鍋に沸かした熱湯につけたり、切り身に直接、熱湯をまわしかけたりして行うのが一般的です」

3. カレイをやさしく洗う

カレイを霜ふりしてから洗う様子

冷水でやさしく洗う。表面のぬめりや残っているうろこ、血のかたまりなどがあれば、指でそっとしごいて取り除く。

4. 深さのあるフライパンに【煮汁】の材料、カレイ、しょうがを入れ、煮立てる

煮汁の材料とカレイを鍋に入れた様子

きれいに洗った深さのあるフライパン(直径24cm深さ5cm)か鍋に、【煮汁】の材料、カレイ、しょうがを入れ、中火にかける。

「カレイの身はやわらかいので、あまり触らずに煮るのがポイント。そのためフライパンや鍋は、カレイの切り身が重ならないサイズのものを選んでください。

また、煮汁を煮立たせてから魚を下処理しないまま加えるレシピもよく見かけますが、熱い煮汁に魚を入れると身が崩れることがあります。今回のように霜降りした魚を、煮汁に入れてから火にかける方法がおすすめです」

5. 煮立ったらアクを取り除く

カレイの煮汁からアクを除く様子

煮立ったら、アクを丁寧にすくって取り除く。

「最初に煮立たせたときにアクが出るので、このタイミングで丁寧にアクを取り除きましょう」

6. 落し蓋をして弱めの中火~弱火で10分ほど煮る

落し蓋をしてカレイを煮る様子

ふつふつ沸くくらいの弱めの中火~弱火にし、クッキングシートやアルミ箔で落とし蓋をして10分ほど煮る。

「落し蓋をして煮れば煮汁が対流するので、カレイが煮汁から出ていても問題ありません。カレイの身はとてもやわらかいので、火加減は強火でグラグラ煮立たせるのではなく、弱めの中火~弱火でできるだけ触らずに煮るのがポイント。煮ている途中で身割れしたり、皮がはがれたりするのを防ぎます」

7. 長ねぎを加え、落し蓋をしてさらに5分煮る

カレイを煮ている途中で長ねぎを加える様子

長ねぎを加えたあと煮る様子

沸騰して10分ほど煮たら、長ねぎを加える。再度落し蓋をして、さらに5分ほど煮る。

「しょうがと長ねぎは魚の臭みを消す目的で加えます。長ねぎは食べてもおいしいように、最後に加えることでほどよいやわらかさに仕上げます。ほかの野菜ではごぼうがおすすめ。ごぼうは長ねぎよりかたいので、作り方4のタイミングで加えて煮るといいでしょう」

8. 火を止め、いったん冷まして味を含ませる

カレイを煮る様子

火を止めて、そのまま冷ます。表面が乾かないよう、落し蓋をしたままでよい。

「できたてをすぐに食べてもおいしいのですが、味は温度が下がるときにしみ込むので、一度冷ますといいでしょう」

カレイの煮付けに煮汁をかける様子

食べる直前に、カレイに煮汁をかけながら温め直す。器に長ねぎとともに盛りつけ、煮汁をかける。

「好みでもう少し濃いめの味で食べたい場合は、カレイを器に盛りつけてから、煮汁を煮詰めてからかけてもいいでしょう」

味しみしみ! ふっくら美味しいカレイの煮付けが完成

カレイの煮付けのでき上がり

照りのいい見た目が食欲をそそるカレイの煮付け。ひと口食べるとふっくら、そしてしっとりしたカレイの食感にびっくり! 煮魚特有のパサつきや臭みが一切なく、上品な白身魚の旨みが楽しめます。

甘辛い味がしっかりしみ込んでいますが、濃すぎることなくちょうどいい塩梅。子どもから大人まで大好きな、ごはんがすすむ魚料理の完成です。

「魚料理は下処理で仕上がりに差が出ます。手間でも『塩をふって臭みを除く』、『霜降りする』といった工程をきちんと行って、おいしい煮付けを作ってみてください」

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撮影:松本いく子、八田政玄(カレイの選び方)
文:WEB FOODIE編集部

バイヤー・スタイリスト / 石戸宏
伊勢丹新宿店「東信水産」担当。秋田県の料理屋に生まれ、もともとは料理人を目指していた経緯から、ふぐ調理師の免許も所持。休日もキッチンに立ち、料理した魚をアテにお酒を飲むのが楽しみ。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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