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2021.12.21

【銀座シェフ直伝】田作り(ごまめ)のレシピ。簡単なレンジ技でカリッと食感に!

田作りのイメージ

日本ではかつて、田畑の肥料としてカタクチイワシを使っていたことから、豊作を願う縁起物としておせち料理の仲間入りをしたといわれる「田作り(たつくり)」。メイン食材の名前でもある「ごまめ」とも呼ばれています。定番おせち料理であるものの、口当たりがかたい、苦い…といったイメージがあり、ちょっと不人気な存在かもしれません。

今回は、そんな田作りを「今まで作っていたものより、おいしい!」と喜んでもらえる味に作るため、銀座の日本料理店<六雁(むつかり)>の秋山能久シェフにプロならではのポイントを教えてもらいました。

プロのおせち、と聞くと「難しいのかな?」と身構えてしまうかもしれませんが、安心してください。作り方は驚くほどシンプル! ピーナッツオイルや粉山椒を使った、意外な技もお見逃しなく。

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<六雁>総料理長が教える、田作りをおいしく作る3つのポイント

田作りのイメージ

おせち料理の「田作り」が敬遠されがちな理由は、「歯にまとわりつくようなかたさ」と「苦み」。それを改善するためのプロのポイントは、以下の3つです。

ポイント① 電子レンジで水分を飛ばし、カリッと仕上げる

袋に入ったごまめは、湿気を含んだ状態です。そのまま調理してしまうと、でき上がりはかたく、かみ切りにくくなってしまいます。

一般的なレシピでは、ごまめを鍋やフライパンでから炒りして水分を飛ばすことが多いのですが、この方法だと均一に火を入れることが難しく、一部が炒りすぎたり、逆に炒り足りなかったりと、ムラができてしまいます。

そこでおすすめするプロの方法は、代わりに電子レンジを使ってから炒りすること。この方法なら均一に仕上げることができますし、フライパンや鍋で行うよりもカリッとした歯ごたえになります。

ポイント② ピーナッツオイルをまとわせ、かたまるのを防ぐ

冷めるとごまめ同士がくっついてかたまってしまうのは、タレに糖分が多いため。それを避ける方法は、ごまめとタレを合わせるタイミングで、コク出しの効果もあるピーナッツオイルを一緒にまとわせること! かたまるのを防ぎ、でき上がりのやわらかい状態を保つことができます。

ポイント③ 山椒やこしょうを少量加えて、苦みを抑える

ごまめ特有の苦みは、粉山椒または粗びき黒こしょうを加えることで抑えることができます。ピリリとするほどは加えず、ごく少量にとどめるのがポイントです。少量でも、でき上がりの味が驚くほど変わります!

面倒だと思っていた、ごまめのから炒りが電子レンジでもOKだなんて意外です! ピーナッツオイルでくっつきを防ぐテクニックや、山椒やこしょうを使ってあの独特の苦みが抑えられることも、目からうろこでした。

それでは、さっそくレシピを見ていきましょう。

ピーナッツオイルや山椒使いに注目! <六雁>が教える田作りの作り方

田作りの材料

<材料>(作りやすい分量)

  • ごまめ…100g
  • <タレの材料>
    酒…120ml
    濃い口しょうゆ…40ml
    みりん…40ml
    上白糖…40g
  • ピーナッツオイル…10cc
  • 白炒りごま…20g
  • 粉山椒、または粗びき黒こしょう…適量

<作り方>

1. ごまめを電子レンジで加熱し、水分を飛ばす

ごまめを耐熱皿に広げたところ

ごまめを、平らな耐熱皿の上になるべく重なりがないように広げ、電子レンジ(500~600W)で1分~1分30秒ほど加熱する。

「乾燥させることが目的なので、蒸れないようラップはかけません。電子レンジはご家庭ごとに性能が違うので、様子を見ながら加熱してください」

加熱の具合を確認しているところ

「加熱されたごまめを触ってみて、カサカサになっていればOKです」

2. 大きめのバットに、クッキングシートを広げて敷いておく

以降の工程で、鍋の中でタレとごまめを混ぜ合わせたあと素早くバットに移して冷ますため、あらかじめ広めのバット(横30cm以上のもの)にクッキングシートを敷いて準備をしておく。

3. タレの材料を合わせて煮詰める

タレを煮詰めているところ

弱火でタレを煮詰め始めた様子

タレの材料(酒、濃い口しょうゆ、みりん、上白糖)をすべて鍋に入れて強火にかける。沸騰したら弱火に落とし、木べらでかき混ぜながら煮詰めていく。

「弱火といっても、上の写真のようにブクブクと泡立っている状態を保てるように、火加減を調整して煮詰めていきましょう。あめ状の一歩手前になる状態までを目指し、しっかりと煮詰めていきます」

タレをかき混ぜているところ

まだゆるく、煮詰まりきっていない状態

タレを煮詰めているところ

タレに照りとツヤが出て、あめ状になった状態になればOK。ここでチェックする

タレがしっかりと煮詰まったら、火を止める。水をはったボウルに一滴たらして状態を確認する(状態の確認方法は、以下の囲みを参照)。

「木べらでかき混ぜたときにやや抵抗があり、タレを木べらでなぞると鍋底が見えるようになるくらいまで煮詰まってきたらOK。チェックしましょう」

【これはNG!】タレが水の中で広がったら、しっかりと煮詰まっていない状態

ボウルにタレを落としているところ

「上の写真のように、落としたタレが水の中に広がってしまったら、まだゆるい状態です。さらに煮詰めていきます」

【目指すのはこれ!】水の中でタレのかたまりができれば、しっかりと煮詰まった状態

ボウルにタレを落としているところ

「水をはったボウルにタレを落としてみて、上の写真のようにタレが広がらず、水の中でかたまったら、でき上がりのタイミングです」

4. タレにごまめをからませる

粉山椒を入れているところ

タレが熱いうちに、3の鍋に1のごまめと、ごま、粉山椒(または粗びき黒こしょう)、ピーナッツオイルを入れ、木べらで手早く混ぜ合わせる。

「ピーナッツオイルはコク出しの役割も果たしてくれます。山椒やこしょうは好みの量でOKですが、多く入れると風味が立ちすぎてしまうため、隠し味程度の量がおすすめです」

田作りをかき混ぜているところ

練り上げるようにかき混ぜながら、タレとからませる。

「タレがかたまらないよう、タレが熱いうちに手早く行います。ごまめにからみつくようにしっかりと混ぜていきましょう」

5. クッキングシートを敷いたバットに広げて、冷ます

田作りをバットに広げたところ

でき上がった田作り

2で準備しておいたクッキングシートを敷いたバットに、4のごまめを広げ、常温において冷ます。粗熱がとれたら完成。

「鍋の中でかたまらないよう、この作業も手早く行いましょう。ごまめ同士がなるべく重ならないように広げておくと、くっつかず、あとの盛りつけの作業がしやすくなります」

【田作りの保存方法】

田作りは日持ちがするので、そのまま常温で1週間ほど保存可能です。ホコリよけに乾いたふきんやキッチンペーパーをふんわりかぶせて、風通しのよい場所で保存しましょう。

カリッとした食感に驚き! かたくない、苦くない「田作り」は、日ごとに味わい深くなるおせち

田作りのイメージ

せっかくなので、作りたての田作りをいただいてみます! 粘りつくようなかたさがなく、カリッとした食感にまずは驚きます。甘辛いタレにごまの香ばしさとコクが際立ち、ほんのりとした山椒の香りがさわやか。苦みも感じられないので、これまで田作りが苦手だった人もパクパク食べられそう!

「でき立ての温かいうちもおいしいですし、4~5日たって味が全体になじんでくると、さらに味わい深くなります。おせち料理として、味わいの変化もぜひ楽しんでみてください」

シンプルながらプロの技が光る田作りのレシピ、いかがでしたか? プロのおいしいレシピをもとに、今年はぜひ、おせちのラインナップに田作りを加えてみてください!

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<銀座 六雁>秋山能久さん<銀座 六雁>秋山能久さん

<割烹すずき>での修行後、精進料理店<月心居>で研鑽を積む。2005年<銀座 六雁>立ち上げにあたり総料理長に就任。日本料理の伝統を重んじながらも、新たな食の可能性に挑戦し続ける姿勢は、多くの食通を虜にし続けている。

撮影:菅井淳子 (秋山シェフ写真以外)
文:ケイ・ライターズクラブ

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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