2016.07.24
酸っぱさにハマる! ジャムだけじゃない、ルバーブの新しい食べ方
さわやかな酸味が美味しく、ジャムのフレーバーとして人気があるルバーブ。でも、ジャム以外の食べ方はあまり知られていません。酸味を堪能できるルバーブの味わい方を探るため、千葉県の松戸からほど近い場所で数々の西洋野菜を栽培しているTAKEI FARMの代表・武井敏信さんのもとを訪れました。
シベリア原産、ヨーロッパではポピュラーな野菜
そもそもルバーブとはどんな野菜なのでしょう。
「見た目は蕗(ふき)に似た多年生の植物で、旬は5月から10月ごろ。寒いと赤く色づきますが、実は緑色のものの方が香りはいいんです」
一度植えると6〜7年は収穫できるというルバーブは、根の状態で越冬、春になると再度芽を出し、2、3カ月の間に50cm以上も成長します。原産はシベリアで、最初に日本に入ってきたのは大正から昭和のはじめにかけて。「ショクヨウダイオウ」と呼ばれることもあるようです。
加熱すると溶ける性質が生産者を悩ます
ルバーブがジャムとして食べられる機会が多い理由は、加熱すると溶けるという性質にあります。
「実は生産者としては頭の痛い問題。ジャムにすると消費のスピードが遅くなるので、なかなかたくさん食べてもらえなくなるんです(笑)」
実はサラダからケーキまで、フルコースで味わえる
でももちろん、ルバーブはジャム以外の料理でも楽しむことができます。
「工夫次第でサラダからケーキまでフルコースを作ることができます。おすすめはドレッシングやサラダ。さわやかな酸味が効いて美味しいですよ」と語るのは、南青山のフレンチレストラン「Prévenance H.Shizukai」のシェフ・静井弘貴さん。
静井さんは武井さんの野菜に魅了され、料理に取り入れているシェフの一人。「味に対する評価は結構厳しいんですよ」と武井さんは言いますが、それだけ、武井さんの野菜の持ち味や活かし方を熟知しているということ。今回は静井さんの協力を得て、ルバーブの酸味を生かすサラダを作ってもらいました。
ルバーブ、いちご、オリーブのサラダのレシピ
材料(作りやすい分量)
- ルバーブ(ごく薄い斜め薄切り) …10cm
- いちご(くし形切り)…5〜6個分
- 黒オリーブ(種なし)…10粒
- レモン汁…少々
- はちみつ…小さじ2
- オリーブオイル…小さじ1/2
- グラニュー糖…50g
- 水…50ml
- アカシアの花…あれば、適量
<作り方>
- 小鍋にグラニュー糖と水を入れて火にかけ、沸騰したら黒オリーブを加え、10分間弱火で煮る。
- オリーブを取り出し、水気を切って冷ます。冷めたらレモン汁、はちみつ、オリーブオイルで和え、くし形切りにしたいちごも加えて和える。
- ルバーブをオリーブオイルと塩適量(各分量外)で味付けして器に盛り、2をのせ、アカシアの花を散らす。
ルバーブの野生的な酸味をオリーブのマイルドさが包み込み、はちみつの甘み、アカシアの香りも素晴らしいバランス。いちごのフルーティさが口の中をさわやかにしてくれるので、デザートのような満足感もあります。ルバーブの繊維は口にあたるので、ごくごく薄く切るのが、生で食べるときのポイント。
ほかにもルバーブを細かく刻み、ブラックペッパーとオリーブオイルに混ぜてドレッシングにするなど使い方は無限大だそう。いつものサラダに変化をつけたいときに大活躍。目先が変わるのでおもてなしにも、ワインのお供にもよさそうです。これなら生のルバーブを思う存分堪能できそう!
日本の野菜にはなかなかない、酸っぱい味のルバーブ。ぜひご家庭でお試しください。
武井敏信さん(右)
TAKEI FARM代表。「心動かす野菜」をコンセプトに、西洋野菜やミニ野菜の生産に取り組んでいる。多くのレストランシェフ、料理研究家に信頼されており、一番美味しい状態の野菜をパッケージで定期販売している。テレビ、雑誌などでも多く取り上げられる注目の存在。
静井弘貴さん(左)
南青山のフレンチレストラン「Prévenance H.Shizukai」オーナーシェフ。都内や南仏のレストランで経験を積み、帰国後にレストランをオープン。食材の味を最大限に引き出す料理を提供している。
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