2016.03.01
お家で簡単! フライパンで本格パエリアレシピ。プロの作り方は米を洗わない&炒めないが正解
お店で食べるパエリアは、おこげがパリッ! 魚介のうまみがご飯にギューっと凝縮していますよね。でもおうちで作ると、なんとなく「炊き込みご飯」テイストに…。
その違いは、一体どこに!?
世界的なパエリアコンクールの外国人部門優勝、という輝かしい経歴をお持ちの栗原靖武さん(豊洲のスペインバル「バルデゲー」シェフ)に、本場さながらの本格パエリアをフライパンで作るコツを教えてもらいました。
パエリア作り3つのポイント。プロと家庭はここが違う!
【ポイント①】スープに魚介のうまみを凝縮させる!
魚介のうまみをスープに閉じ込めることが、美味しいパエリア作りの最大のポイント。いかと野菜は炒めて味を引き出す、エビの頭を潰してスープにミソを溶くなど、ちょっとした工夫が大切なんです。
【ポイント②】米は洗わない&炒めない!
米は洗ったり、炒めたりすることで割れやすいため、ベチャッとした炊き上がりの原因に。米は洗わずそのまま使います。
【ポイント③】最後までふたはしない!
炊くときにふたはせず、水分を蒸発させながら加熱するのがポイント。濃度を詰めていくことで、うまみが凝縮されます。
今回、直径26cmのフッ素樹脂加工(いわゆるテフロン加工)のフライパンを使用したレシピです。これより直径が大きい場合は水の分量を増やし、逆に直径が小さい場合や家庭によってコンロの火力が弱い場合は、水の分量を減らす必要があります。
調整が難しいのでいきなりアレンジせず、まずはレシピと同じ直径のフライパンと分量、時間で作ってみるのがおすすめです。
シェフ直伝! フライパンで本格的パエリアレシピ
<材料>(直径26cm フライパン1台・2人分)
- いか…小1パイ分(100g)
- 白身魚(切り身)…小1枚(100g)
- 玉ねぎ…40g
- にんじん…20g
- セロリ…20g
- にんにく…2片
- トマト缶(ホール)…1/2カップ(100g)
- 有頭えび…5尾(200g)
- あさり(砂抜き済)…15~16個(100g)
- 水…600ml(※)
※直径26cm以下のフライパンを使う場合や、コンロの火力が弱いと感じる場合、水の分量は500mlに減らしてください。 - 塩…小さじ1/2
- サフラン…10本
- 米…1合(180ml)
- レモン、イタリアンパセリ…お好みで
- オリーブ油…1/4カップ(50ml)
<作り方>
① 魚介は食べやすい大きさに、野菜はみじん切りにする
いかは輪切りにし、白身魚は食べやすい大きさに切ります。玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにくはみじん切りに。トマト缶のホールは手で握りつぶしておきます。
② いかと野菜をじっくり炒める
フライパンにオリーブ油を中火で熱し、いかの両面に焦げ目がつくまで焼き、①の玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにくを加えて玉ねぎが透明になるまで炒めます。「いかは焦げ目がうまみの元になるので、あまり触らずに両面をじっくり焼いて」
③ つぶしたトマトを加えて煮詰める
①でつぶしたトマトを加え、水分がなくなるまで中火で煮詰めます。「トマトは水分を飛ばすことで酸味がやわらぎ、うまみが凝縮されます。写真の状態になるまで、しっかり煮詰めましょう」
④ 残りの魚介と水、塩、サフランを加え、煮立ったら魚介を取り出す
有頭えび、あさり、白身魚、水、塩、サフランを加えて強火にかけ、ひと煮立ちしたら魚介を取り出します。
「えびを取り出すときは熱いので、いったん火を消してもOK。トングでえびの頭をギュッと押して、えびのみそをスープに加えるのもプロのテクニックです。スープにえびの美味しいうまみが溶け込みます」
⑤ 米を加え、スープから顔が見えるまで煮詰める
煮立たせたスープに米をサラサラとふり入れ、強火で5分炊き、さらに弱火にして12分かけて炊き上げる。仕上げに10~20秒ほど強火にかけておこげを作る。
「最初はスープに隠れて米は見えませんが、火を入れているうちに水分が蒸発し、米も膨らんでくるので、徐々に米が見えてきます。写真右のように、米のでんぷん質、魚介のゼラチン質が溶け出し、表面にうっすら膜がはってきて、縁がチリチリと鍋肌からはがれてきたら、強火にしておこげを作りましょう」
⑥ 魚介を戻し入れ、レモンとイタリアンパセリを飾る
④でいったん取り出した魚介を⑤に戻して盛り付け、くし形切りにしたレモンとイタリアンパセリをのせて完成です。
「今回は直径26cmのフライパンを使用しました。もっと小さいフライパンを使う場合や、ご家庭の火力が弱い場合は、水の量を500mlに減らして加えてみて。様子を見ながら少ないと思ったら最大100mlを少しずつ加えて調整するといいでしょう」
パエリアに広がる魚介の濃いうまみ、おこげの食感が最高!
魚介のエキスを米がしっかり吸収しているので、うまみがとにかく強い! 調味料は塩をほんの少ししか入れてないのに、魚介のうまみがたっぷりで、とても深みのある味なんです。しっとり炊き上がった部分とパリッと香ばしいお焦げのバランスも絶妙です。キリリと冷えた白ワインが欲しい!
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取材協力/スペインバル バルデゲー(BAR DE G)
スペインの港町にあるバルをイメージした、東京豊洲のスペイン料理店。ポルトガル産のステキなタイルを飾った店内では、パエリアを始め、タパス、土鍋料理など、本場の味が楽しめます。テラス席からは船の発着場が見え、素晴らしい夜景も望めます。
催物のご案内
スペイン展
2016年3月2日(水)~7日(月)最終日午後6時終了
伊勢丹新宿店本館6階=催物場
豊かな伝統に培われたスペインの食と文化からカラフルな雑貨までをご紹介。 日本のレストランと現地の名店が組んだイートインをはじめ、スペインを体感する食材などが揃います。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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