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2015.12.16

プロが教える関東風おでんレシピ。具材選び、出汁の黄金比、下ごしらえ、煮る順番を解説!

ちくわとおでん鍋

人が集まる機会が多い年末年始。一度にたくさん作れるおでんは、団らんにぴったりな料理です。せっかくみんなで食べるなら、本当においしい「究極のおでん」を作ってみませんか。

おでんを究極の味に仕上げる4つの鉄則を、おでんのプロである<紀文本店>伊勢丹新宿店の店長に教えてもらいました。目指すのは素材同士の持ち味を生かした雑味のない「上品」な味わいです!

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【おでんの鉄則1】具材選びは「練り物」と「揚げ物」の2タイプを混ぜる

究極のおでん作りでまず重要なのは、具材選び。特に、うまみを出して全体の味を深める「練り物」と「揚げ物」には徹底してこだわりましょう。

店長が推す! 究極のおでんの具材はこの5つ

紀文の練り物と揚げ物

左上から時計回りに、<紀文本店>魚河岸揚(1個)206円、伊勢丹職人はんぺん(1個)562円、焼きちくわ(1本)227円\、玉子巻(1個)281円、鰯つみれ(1個)162円(すべて税込)

おすすめ具材① 焼きちくわ

「タラのすり身をベースに、うまみのある魚を使用し、地酒をアクセントに効かせています。煮込んでもハリが崩れず、ざっくりとした食感を楽しめます」

おすすめ具材② 鰯つみれ

「鰯のおとし身に鯵と味噌を加え、味の深みとうまみを引き出しています。ざっくりとした食感で、一つひとつ職人の手で成形しています」

おすすめ具材③ 職人はんぺん

「原料にクロカジキを使用したうま味のあるはんぺんです。ふっくらとしつつもハリがあり、口どけのよい食感が特長。1枚1枚木型を使って成型しており、職人の技が光っています」

おすすめ具材④ 玉子巻き

「食べ応えのある黄身が入った料亭風のゆで卵をまるごと使用しています。紀文伝統のおでん種!」

おすすめ具材⑤ 魚河岸揚げ

「タラの身にすくい豆腐が練り込んであり、ふんわりなめらかな食感です。原料の豆腐には国産大豆と名水を使用しています」

【おでんの鉄則2】出汁作りは「一番出汁」と「追いがつお」で最高の出汁を作る

出汁のひき方

次に重要なのは、出汁。出汁の種類やひき方は地域によって異なりますが、今回は紀文食品の発祥の地に合わせて「関東風」で。

「関東風は、昆布とかつお節の一番出汁を使います。究極の味わいに仕上げるため、さらに追いがつおでうまみをプラスしましょう」

【基本】関東風おでん出汁のレシピ

<材料>(10カップ分)

  • 水…2200ml(2ℓ+1カップ)
  • 昆布…20㎝角1枚
  • かつお節…50g
  • しょうゆ…1/2カップ
  • みりん…大さじ4
  • かつお節(追いがつお用)…20g

【出汁と調味料の黄金比】
出汁:濃口しょうゆ:みりん=10:0.5:0.3

<作り方>

  1. 昆布はかたく絞ったぬれぶきんで汚れをふき取り、3~4ヵ所に切れ目を入れる。
  2. 鍋に水と①を入れて火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
  3. かつお節を加え火を止め、かつお節が沈んだら、ふきんでこす。
  4. 鍋に③でとった出汁、しょうゆ、みりんを入れてひと煮立ちさせる。
  5. 追いがつお用のかつお節を加えて火を止め、かつお節が沈んだら、ふきんでこす。

【おでんの鉄則3】下ごしらえは「ひと手間」をかけてこそ、澄んだ味になる

忘れてはいけないのが、大根、こんにゃく、卵などの定番アイテム。しっかりと出汁を煮含めるためには、ちょっとしたコツがあります。

「大切なことは、すべての素材が食べごろになるように仕上げること。そのためには、いろいろな素材をごった煮にするのではなく、野菜は下ゆでをしたり、厚揚げやがんもどきは熱湯をくぐらせたりと、きちんとした下準備をすることが大切です」

大根の下ごしらえ

大根の下準備

「大きめに輪切りをし、裏側に十文字に切り込みを入れます。それから米のとぎ汁でやや芯が残るくらいに下ゆでし、水にさらします」

 

こんにゃくの下ごしらえ

こんにゃくの下準備

「塩をつけてもみ込み、4~5分放置します。その後沸騰した湯で5分ゆでて、ざるの上で冷まします。これでこんにゃく特有の臭みがやわらぎます」

 

厚揚げ・がんもの下ごしらえ

厚揚げ・がんもの下準備

「お湯をかけるのではなく、熱湯で3分ぐらいゆでて、しっかりと『油抜き』をします。このひと手間で、出汁が濁らず、きれいに澄んだおでんができます」

 

ゆで卵の下ごしらえ

ゆで卵の下準備

「ゆでて殻をむき、水に半日入れておくことでゆで卵の匂いとアクが抜け、味も染み込みやすくなります。煮込んだときに、表面にうっすらと色がついた程度が食べごろです」

 

【おでんの鉄則4】煮る方法。練り物は「煮過ぎないこと」が絶対条件!

おでんを煮込む

それぞれ素材の味を生かすためには、素材投入のタイミングがとても大事! 下記のタイムテーブルに沿って調理を進めましょう。

「おでんは味が染み込みにくい素材から煮込みます。揚げ物、練り物はプリプリとした食感を楽しるように仕上げたいので、煮込み過ぎは厳禁! グツグツ煮過ぎると、うまみが流れ出て、種はクタクタに。出汁も濁ってしまいます」

<作り方>(全45分)

① 鍋に関西風おでん出汁、以下の具を入れて火にかける(0分)

・大根
・ゆで卵
・こんにゃく

② 以下の具を加えて煮る(約25分)

・厚揚げ、がんも
・卵巻き

③ 以下の具を加えて煮る(約30分)

・焼きちくわ
・鰯つみれ
・魚河岸揚げ

④ 火を止める2〜3分前に以下の具を加えて煮る

・職人はんぺん

以上のポイントを守れば、雑味のない究極のおでんができあがります。素材が持つおいしさを残しながらも、出汁はしっかり染み込んだホカホカおでんをご堪能あれ!

【番外編】意外においしい! 変わりおでん種

おでんの変わり種具材:手羽先

大根、こんにゃく、卵などの定番おでん種に飽きたら、変わり種にも挑戦してみましょう。

「おでん種に決まりはないので、好きなものを入れて楽しみながら、自分の好みの味を探してみてください。たとえば骨からおいしい出汁が出る鶏の手羽先なんておすすめですよ。どれも煮すぎるとグズグズになってしまうので、練り物、揚げ物を入れるタイミングで投入するといいでしょう」

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文: 白鳥紀久子

写真:八田政玄
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/紀文にてお取扱いがございます。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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