田舎風パテ

ワインやパンと一緒に食べることの多いパテ。食べるのは大好きですが、家で作るのは無理だろうって諦めていました。だって、肉の臭みが残りそうだし、特殊な材料が必要そう。かといって、あまりに簡略化したレシピで作っても、そんなのパテじゃない……。

「簡単」なのに「本格的」なパテが作りたい!

そんなわがままを叶えるのが、今回紹介する田舎風パテ(パテ・ド・グランメール)のレシピ。教えてくれたのは、ロースハムソーセージなど、加工肉のレシピでおなじみ、<ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ>の神谷シェフです。

「初めてでも失敗しにくい、鶏レバーを使ったグランメール(おばあちゃん)の作り方です。入手しにくい背脂や洋酒などは別の材料で置き換えていますが、ポイントさえ押さえれば、プロの味に仕上がります!」

3工程で完成! ①混ぜる→②型に入れる→③蒸す

プロがパテを作る際は、かたまり肉をのまま一晩マリネしてからミンチにしたり、網脂や背脂で包んだりと複雑な工程を経ますが、今回は工程も材料も極力シンプルに! 材料を混ぜる→型に入れる→蒸し器で蒸す、の3つの工程で仕上げます。
※蒸し器が無い場合は、蛇腹状の金属の簡易蒸し器を鍋に入れて使うのがシェフのおすすめ(比較的安価で購入できます)。

スパイスが決め手! 田舎風パテのレシピ

本格的な味に仕上げるポイントは、なんといってもスパイスの配合。すでにブレンドされたものが市販されていますが、手作りは格段に香りが違います。もう一つの決め手は、レバーの鮮度。ツヤとハリのある新鮮なものを準備しましょう。肉はすべて一般的なものでOKですが、肉屋さんで購入するのがおすすめです。

<材料>
底面の幅約7cm×長さ約18cm×高さ約5.5cm×のパウンド型1台分

パテの材料一覧

    • 鶏レバー…200g
    • 豚ひき肉…345g
    • 豚バラ肉(ブロック)…105g
    • ベーコン…10枚
    • エシャロット(または玉ねぎ※)…100g
    • ニンニク(みじん切り)…10g
    • ブランデー…20ml(小さじ4)
    • 赤ワイン(甘口)…25ml(小さじ5)
    • 食塩…9g
    • 黒こしょう(粗挽き)…2g
    • キャトルエピス…2g(*)
    • 全卵…1個
    • (*)[キャトルエピス]
      ・ナツメグ(粉末)…5g
      ・シナモン(粉末)…6g
      ・丁子(粉末)…4g
      ・白こしょう(粉末)…3g
      ・ジンジャーパウダー…1g
    ※エシャロットを玉ねぎで代用する場合は材料内のニンニク(みじん切り)を10gから15gに増やす。

<作り方>
① キャトルエピス(=ブレンドスパイス)を作る

キャトルエピスの詳細

<写真左>左から時計回りに、クローブ、ナツメグ、白こしょう、ジンジャーパウダー、シナモン <写真右>キャトルエピス

キャトルエピスの材料を混ぜ合わせ、2g分取り分ける。

※レシピでは2g分のみ使用し、全量使いきりません。キャトルエピスはナツメグの香りを芳醇にした、肉を美味しくする魔法のスパイスです。余った分はハンバーグやビーフシチューなどの肉料理に使ってみてください。

② ボウルは底をよ〜く冷やして使う

ボウルに氷を入れる

材料を混ぜるボウルよりもひと回り大きいボウルに氷を入れ、ボウルの底を冷やしながら作業します。小さなコツに思えますが、仕上がりに大きく差が出るひと手間だそう。

「スーパーなどで市販されている肉、特にひき肉は水っぽいことも多く、常温で作業すると肉がダレてしまうんです。これは結構大事なポイントですよ」 

③ 豚バラ肉はあえて大きめ(5ミリ角の棒状)に切る

豚バラブロックを5mm角にカットする

豚バラ肉は5mmの厚さに切ったのち、さらに5mm角の棒状に切ります。あえて大きめに切ることで、ゴロゴロとした食感を残すのがポイント。

「パテはいろんな食感があったほうが美味しさを感じやすいんです」

④ レバーの筋を取り除き、刻んでペースト状にする

鶏レバーの筋を取り、包丁で叩く

レバーは白い筋を包丁でこそげるように取り除き、包丁で叩くようにしてペースト状にします。
「このレシピではレバーが『つなぎ』の役割をするため、なめらかになるまで叩いてください。レバーの臭みが気になる方は一晩牛乳に漬けてから使います。臭みがやわらぐことに加え、よりクリーミーになりますよ」

レストランなどではパテに豚レバーを使うこともありますが、家庭では鶏の方が臭みが出にくく、やさしい味わいに仕上がるんだそう。

⑤ ボウルに肉と塩を入れ、粘りが出るまで混ぜる

肉に塩を入れて混ぜる

あとは材料を混ぜていくだけですが、ボウルに入れる順番が肝心。①肉、②粉、③液体が混ざりやすい順番です。まずは鶏レバー、豚ひき肉、豚バラ肉を合わせて塩を加えて練り、全体がつながって粘りが出るまでよく混ぜます。

⑥ 次に、粉類を入れて混ぜる

肉に調味料を入れる

黒こしょう、キャトルエピス、ニンニク、エシャロットを加えて混ぜます。全体に行き渡ればOK。

⑦ 最後に、液体を入れて混ぜる

肉に液体調味料を入れる

卵、赤ワイン、ブランデーを入れて混ぜます。全体に材料が行き渡ればOK。

⑧ パウンド型にラップを密着させ、ベーコンを敷く

型に霧を吹きかける

型に霧吹きで水を吹き付け(ラップを密着させるため)、ラップをぴったりと敷きます。

型にベーコンを敷く

ベーコンの端が型の底面で重なるように、互い違いに敷き込みます。
「今回は網脂の代わりにベーコンを使用しました。ゴージャスにたっぷりと使うのがポイントです」

⑨ 肉ダネを型に詰め、型を台に叩きつけて空気を抜く

型に肉を詰めて空気を抜く

肉ダネを型にすべて入れ、型の外にはみ出ていたベーコンを折り返してかぶせます。型を少し持ち上げて落とし、台に叩きつけて空気を抜いたらラップで全体を包み、さらに上部をアルミホイルで包みます。
「ベーコンの上に好みでフレッシュハーブをのせると、そのままサーブしたときに見栄えがよく、香りも豊かになります」(タイム、ローリエなどがおすすめ)

⑩ 湯気の立った蒸し器で45分、火が通るまで加熱する

アルミ箔で包んで、加熱する

しっかりと蒸気が出ている状態の蒸し器に入れ、中火で45分ほど加熱します。蒸し器の蓋には、隙間から蒸気が逃げないようにふきんを巻きます。時間になったら金属の串を肉の中心まで刺して引き抜き、唇にあてて「熱い!」と感じる状態になれば、加熱は完了。ぬるい場合は、火加減はそのままで10分ずつ加熱を延長します。

※オーブンを使用したい場合は、天板に水を張って型を入れ、蒸し焼きにします。160℃に予熱したオーブンで45分ほど加熱。完了の見極め方は蒸し器と同様です。足りないようなら温度はそのままで10分ずつ加熱を延長します。

⑪ 型を氷にあてて急冷し、冷蔵庫で一晩おく

型から外してカットする

型を蒸し器から出し、バットなどに氷とともに入れて急冷します(劣化を防ぐため)。冷めたらそのまま冷蔵庫に入れて一晩おき、味をなじませて完成。

絶対自宅で作りたい! 力強い食べ応え&スパイスの香り

ピクルスと一緒に盛り付けたパテ

「これでいいの?」という簡単さであっという間に完成。味はというと、肉のみっちりとした食べ応えがありながら(これがパテの醍醐味!)、食べ進めるほどに広がるレバーのコク。肉の持ち味を引き立てながらも主張しすぎないスパイスの香りに、「これが秘伝の配合か!」と納得です。

早く家で作ってみたい! そしてみんなに自慢したい!(簡単だということは秘密で)。そんな料理意欲を刺激する神谷シェフのレシピ。今回紹介したのは、材料を極力そぎ落とした一番シンプルなもので、材料を加えてアレンジが可能だそう。

「ローストしたくるみや松の実を入れる」というアレンジでおしゃれに仕上げてみたり、レバーをバターソテーして一層コクを出すという手もアリ。トリュフオイルを少し加えてちょっとゴージャスに仕上げてもいいんだそう。

繰り返し作りたくなることうけあいのパテのレシピ、まずは一度トライしてみてください!

ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパの神谷英生シェフ

今回、自家製パテレシピを教えてくれた神谷英生シェフ

取材協力
ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ

肉好きなら一度は行ってみたいと願う、東京・目黒にある注目のフレンチレストラン。上質なジビエ肉を求め、シェフ自ら狩りにいくこともしばしば。

文: 佐々木智恵美

写真:八田政玄
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

催物のご案内/商品の取扱いについて

【催物のご案内】 
フランス展
■開催期間:2017年4月12日(水)~4月18日(火)
イートイン営業時間:各日午前11時〜午後8時、最終日午後3時終了/ラストオーダー各日終了30分前
■開催場所:伊勢丹新宿店本館6階=催物場
今回パテのレシピを紹介してくれた<ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ>も登場。熟成黒豚とクルミのテリーヌや鹿肉のモルタデッラなど、ワインとのマリアージュを意識した5種のヴァリエがイートインで楽しめます。

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