好みの1本が見つかる！ 小規模生産者のシャンパーニュを味わおう

シャンパーニュといえば「グランメゾン」と呼ばれる大手メーカーのものが有名ですが、近年、レコルタン・マニピュランと呼ばれる生産者が手掛けるものが注目を集めています。ワイン好き、シャンパーニュ好きなら押さえておきたいキーワード。レコルタン・マニピュランの定義、特徴や魅力を三越伊勢丹のワインバイヤー・高橋隼人さんが解説します。

ブドウ栽培から手掛ける小規模生産者

はじめに、レコルタン・マニピュランとは、どんな生産者を指すのでしょうか。そしてグランメゾンのシャンパーニュと、どんな違いがあるのでしょう。

「レコルタン・マニピュラン(RM)とはブドウ栽培から醸造、瓶詰までを自社で行うシャンパーニュの造り手を指します。ブルゴーニュでいうところのドメーヌですね。小規模な生産者が多く、シャンパーニュ全土で約3000軒あるといわれています。有名メゾンに代表されるネゴシアン・マニピュラン（NM）のシャンパーニュの魅力がバランスの良さであるなら、レコルタン・マニピュランの魅力は個性。造り手個人のワインに対する考え方や哲学が味わいに表れていることが多く、それを楽しむのが醍醐味です」

造り手ごとに異なる個性を味わう

女性レコルタンの第一人者的存在

「シャンパーニュの中でも高品質なピノ・ノワールの産地として有名なアンボネイに畑を持つ女性レコルタン・マニピュランの第一人者的生産者。スターメゾンの＜ドゥーツ＞も＜マリー・ノエル レドリュ＞のブドウを使っています。3ヘクタールの畑を耕すところから醸造までを、女性当主のマリー・ノエル レドリュがひとりで手掛けています。ロゼ ブリュットは、ピノ・ノワール主体の力強いロゼシャンパーニュ。僕個人も好きで、三越伊勢丹でも人気の高いアイテムです」

注目度上昇中のスター生産者

「レコルタン・マニピュランの生産者の中で『若き天才』と呼ばれ国際的にも人気が高まっているのがセドリック・ブシャール。ピノ・ノワール使いに定評がある造り手で、ピノ・ノワール100%で造る、彼のブラン・ド・ノワールのアンフロレッソンスは、ボディがしっかりしていて泡も繊細。リッチな白ワインがそのままシャンパーニュになったような味わいが魅力です」

シャンパーニュ界の自然派の先駆け

「シャンパーニュ地方でいち早くビオディナミ農法に取り組んできた生産者。ビオディナミ農法とは太陰暦に基づく農業暦にしたがって種まきや収穫を行う有機栽培の一種で、近年、ワインの世界で注目を集めています。ブドウは自然のサイクルの中で栽培し、醸造は年ごとの出来に応じて適切な補糖を行う理論派。このグランドリザーヴはドライでバランスのいい味わいです」

レコルタンならではの楽しみは？

造り手の考え、スタイルがにじみ出るシャンパーニュ。どれも飲んでみたくなります。

「レコルタン・マニピュランは、シャンパーニュのアルチザン（職人）・プロダクト。生産量はごくわずかながら世界的な名声を誇るスター生産者もいます。ご紹介した3本だけを見てもわかる通り、造り手の数だけ個性があるのがおもしろい。三越伊勢丹では、早くからレコルタン・マニピュランのシャンパーニュを積極的にご紹介してきました。価格が手頃なものも多くあるので、自分好みのものを見つけられると、シャンパーニュがとても身近になりますよ」

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