米を洗っているイメージ

お米は軽く力を入れてしっかり研ぐものと思っていませんか? 実は、さらっと数回洗い流すだけで十分なんだとか。そこで、お米のプロに正しいご飯の炊き方を教えてもらいました。

精米技術の向上で、米は「研ぐ」必要がなくなった

「昔は精米したといっても米ぬかが残っていたので、炊くまえにしっかり研いで落とす必要があったんです。いまは精米技術が向上したので、うっすら残ったいわゆる『肌ぬか』を洗い流すだけでOK」

そう話すのは、ごはんソムリエの資格を持つ伊勢丹新宿店・菊太屋米穀店の亀田瑞枝さん。いまの米をゴシゴシ洗ってしまうと、お米が割れてふっくら炊けないばかりか、甘みやうまみまでを削ぎ取ってしまうのでNGなのだそう。

亀田さん曰く、ご飯を美味しく炊くポイントは以下の4つ。

【ご飯を美味しく炊くポイント】

  1. 一度に大量に炊かない
  2. できるだけ良質の水を使う
  3. 米はさっと洗えばOK
  4. 米の浸水は1時間以上

では、さっそくご飯の炊き方を教えてもらいましょう!

米のうまみを活かす、正しいご飯の炊き方

ボウルとザルを重ねて洗うのがおすすめ

米を洗うときに使うもの。ボウル、ザル、水、米、計量カップ

洗った米の水がすぐにきれるので便利です。米を炊飯器の内釜で洗うのは、傷がついてしまうのでNG。

 

1)箸ですりきり、正しく計量する

計量の方法。計量カップに米を山盛りに入れてトントンしてすりきる

計量カップをおき、米を山盛りになるまで入れます。底をトントンと2回ほど打ちつけてから、箸などですりきって正しく計量しましょう。

「一度に炊く量は炊飯釜の7割程度が理想です」と亀田さん。意外に見落としがちなことですが、釜の中で水がクルクル対流することが大切。多すぎても少なすぎてもダメ。5合炊きなら3~3.5合を目安にしましょう。

 

2)最初の水はよく吸うので、良質な水で洗う

ボウルに水を入れ、ザルに入れた米ごと浸し、テニスボールを軽く握ったような「猫の手」にして洗う

ボウルにミネラルウォーターなど良質な水をたっぷりと入れ、ザルに米を入れて水につけます。テニスボールを軽く握ったような「猫の手」にして、クルクルと4回ほど混ぜたら、すぐにザルを上げて水を捨てます。

「この最初に浸ける水は、必ず良質なものにしてください。米は乾燥しているので、最初に触れる水をもっとも多く吸収してしまい、味に大きく影響します」

3)2~3回すすげばOK。水が透明になるまで洗わない!

次に先ほどと同様に米を水につけ、クルクル8回ほど混ぜて水を捨てます。これを2~3回くり返し、水にぬれて浮いた「肌ぬか」をすすぎ落とします。

「米に触れる水はすべてが良質ならベストなのですが、このすすぎの行程では水道水でもOK」

洗い終わりの目安となる水の濁り具合

最初は真っ白に濁っていた水(写真左)も、最後にはうっすら濁りがある程度(写真右)。この色を目安に洗うのをやめましょう。

 

4)炊く水は良質なものを。浸水は1時間以上を厳守

洗った米の水気をきって炊飯釜に入れ、計量カップで水を計って入れる

ザルを上げて余分な水をきり、炊飯器の内釜へ移します。米の1~1.2倍の水を計量して入れ、1時間以上おいてしっかり浸水させます。浸水の水も美味しさに影響するので、ぜひミネラルウォーターなど良質な水を使いましょう。

洗ったばかりの透明な米(左)が、浸透すると白くふくらむ(右)

洗ったばかりは透明だった米(左)が、十分に浸透すると真っ白になりふっくらする。

「米の甘みは十分な水分によって引き出されるので、浸水時間は厳守してください。30分程度の浸水と比べると、美味しさの違いがはっきり表われます」

浸水が終わったら、スイッチを押して炊飯しましょう。

 

ふっくらつやつや、米粒が立った理想的なご飯!

炊き上がったご飯のイメージ

炊き上がってから全体を混ぜると、甘~い香りが立ち込めて食欲が沸いてきます。食べてみると、噛むごとにお米の甘みが口いっぱいに広がります。

「美味しいごはんの5大ポイントは、味、香り、かたさ、粘り、見た目。そのどれもがバランスよく引き出される炊き方を目指しています」と亀田さん。

さっそく今日から試してみたい正しいご飯の炊き方。今までやっていなかったポイントがいくつもあって、格段に美味しく炊けそうです!

【ご飯の炊き方Q&A】

さらなる炊き方の疑問について、亀田さんに教えてもらいました。

Q:「米は洗ったら15分ザルに上げる」と聞いたことがあります

A:米の質や乾燥によっては、洗った米は5分で割れてしまうのでおすすめしません。「しっかり水気をきった方が浸水しやすくなる」という理由でやっている人もいますが、洗ったらザルに上げて、ざざっと軽くふり、すぐに浸水させた方がいいでしょう。

Q:「蒸らし時間」にはどんな意味があるの?

A:上下の蒸気を均一に行き渡らせることで、炊きムラがなくなり、ふっくら甘みのあるご飯になります。炊飯器の場合、「蒸らし時間」は炊飯時間に含まれている機種が多いようです。鍋で炊く場合は、必ず火を止めて15分ほど蒸らしてください。

Q:食べるまえに全体を混ぜるのはなぜ?

A:炊飯器の下の方は水分がたまっているのでやわらかく、上のほうはかために炊き上がるので、全体を切るように混ぜることで均一の美味しさになります。ちなみに魯山人は「真ん中がいちばん美味しい」と書き残しています。

Q:保温は何時間くらいしていいの?

A:保温はおすすめしません。食べる分をよそったら、残りはすぐにラップで湯気ごと包み、冷凍保存(粗熱は取らなくてOK・できれば急速冷凍)したほうが美味しく食べられます。

文: 原田視納子

写真:安田裕(ヤスダフォトスタジオ)

  • スタイリスト/亀田瑞枝

    菊太屋米穀店の伊勢丹新宿店店長。(社)日本炊飯協会ごはんソムリエの資格と(社)日本雑穀協会の雑穀エキスパートを取得している、穀物のプロ。お米についてのいろいろなアドバイスから、雑穀の選び方や食べ方まで相談にのってくれる。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション/菊太屋米穀店にてお取扱いがございます。

菊太屋米穀店は伊勢丹オンラインストアでもお買い求めいただけます。

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