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2017.01.25

都心・港区で醸した日本酒「江戸開城」~東京の酒蔵が手掛ける純米吟醸原酒

東京港醸造の江戸開城

数々の高層ビルが所狭しと立ち並ぶ港区芝。そんな都会の街角に、酒蔵があるのをご存知ですか? その名は「東京港醸造」。ここで生まれた清酒「江戸開城」が、今注目を集めています。

そもそもなぜこんな都心で日本酒が造られたのでしょうか……?

大都会東京に、100年ぶりによみがえった酒蔵

東京港醸造本店

港区芝の敷地22坪、鉄筋コンクリート4階建てのビルの中で、酒造りを行っている「東京港醸造」。その外観や周りの景色からは「本当にここで酒を醸しているの?」と疑いたくなってしまうほど。ですが、一歩蔵の中に足を踏み入れると、麹室、タンク、圧搾機など日本酒造りのための設備がしっかりと整えられ、独特の凛とした空気が立ち込めています。

「東京港醸造」が酒造りを始めたのは2011年のこと。時代の流れで衰退しかけていた地域商店街の復興が目的でした。一方で、この酒蔵にはもう一つ隠された歴史があったのです。実はこの東京港醸造の前身は、今から約200年前の1812年(文化9年)から100年間続いた造り酒屋「若松屋」。しかも、江戸城無血開城の立役者である勝海舟や西郷隆盛が訪れ、密談を交わし、幕末政治の裏舞台になったという言い伝えがあるのだそう。いうなればここは、100年の時を経てよみがえった酒蔵だったのです。

変化する街「東京」を映し出した洗練された味

東京港醸造の江戸開城

<東京港醸造>江戸開城 2,160円(税込)

そんな東京港醸造が2016年8月より販売を開始した清酒 純米吟醸原酒「江戸開城」の最大の特長は、タンクごとに使用酵母や製造方法、さらにアルコール度数を変化させている点。つまり、できあがる酒の香りや味は、その都度違うということです。さらに、加水していない原酒で、1タンクで250本ほどしか造れないという希少さ。

「都心で醸すこの酒に、日々変化し続ける洗練された街『東京』のイメージを映し出しています。多彩な味わいを楽しんでいただきたいですね」と語るのは、「東京港醸造」の商品製造のすべてを取り仕切っている、取締役兼杜氏の寺澤善実さんです。

清酒 純米吟醸原酒「江戸開城」、どんな飲み方がおすすめなのでしょう。

「スペックによる微妙な違いはありますが、全般的に香り高く、フレッシュでフルーティな酒です。常温もしくは冷やして、その味わいを感じていただければと思います。また、食中酒としての役割も意識して酸味にもこだわっていますから、ぜひ食事と一緒にお楽しみください」(寺澤さん)

念願のリリース、清酒 純米吟醸原酒「江戸開城」

東京港醸造の7代目斎藤氏と杜氏の寺澤氏

左から7代目の斎藤氏と杜氏の寺澤氏

清酒 純米吟醸原酒「江戸開城」の販売開始は働くスタッフにとっても、またこの蔵のファンにとっても待ちに待った瞬間でした。「都心での酒造りというのは、業界において大変新しい試み。清酒製造免許取得までに5年の歳月がかかりました。念願のその思いを今、この商品に存分に注ぎ込んでいます」と寺澤さんは話します。

大都会に蘇った酒蔵から生まれた洗練された味わいの酒。過ぎ行く時の流れに思いを馳せながら、じっくり味わってみてください。

文: 鈴木友紀

写真提供:東京港醸造
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
※未成年の飲酒は、法律で禁止されています。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2017年1月25日(水)~31日(火)の期間中、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座/和酒にてお取扱いがございます。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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