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2021.06.14

デイリーワインを格上げ! リーデル店長が教えるワイングラスの選び方

さまざまな形のリーデルのワイングラス

ワイングラスにこだわるなんて、高級ワインを嗜むお金持ちだけでは? 勝手にそんなイメージを抱いていましたが、この度、衝撃的なワイン体験によりその先入観が覆されました。

結論! ワイン好きだけど知識はない、できれば安いデイリーワインでも満足したい……そんなワイン初心者のみなさん、ワインの前にまずは「正しいグラス」を手にいれるべき!

『リーデル』伊勢丹新宿店の店長が、ワインとワイングラスの驚きの関係をレクチャーします!

デイリーワインこそ「正しいグラス」で!

店長によると、高級ワインだけではなく、実は「1,000~2,000円台のデイリーワインも、グラスに大きく味を左右される」のだとか。

「高級なワインはやはりワイン自体に力があるので、グラスによって香りや味を引き立てると、さらにおいしく味わうことができます。少し手軽な価格のワインでも、グラスひとつで全然変わってしまうんです」

グラスは口の幅、ボウルのスペース、薄さが決め手!

では、具体的にどんなグラスが「いいグラス」なのでしょうか? 店長によると、グラスを見る際のポイントは、大きく以下3つだそう。

【ワインをおいしく飲めるグラス、見るべきポイント】

  1. グラスの「飲み口」の広がり方
  2. 「ボウル」の空間の広さ
  3. グラスの厚み

リーデルがおすすめするグラス「リーデル・ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ」と、カジュアルなレストランなどで見かける厚くて小ぶりなグラスのふたつで、上記の3ポイントを比べてみます。

リーデルのワイングラスと白ワイン「シャブリ」

グラス:(写真左から)比較用のグラス、<リーデル>ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ(1脚) 4,320円(税込)
/ワイン:<ドメーヌ・ウィリアム・フェーブル>シャブリ2013 3,564円(税込)

「飲み口」はスッとすぼまっているか?

まずは、飲み口の開き方に注目。左のグラスは口が大きく広がったままなのに対し、「リーデル・ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ」はスッと閉じているのがわかります。

「もっとも重要なのは、この飲み口部分のすぼまり方です。ここがコップのように広がったままだと、香りがきちんと中に閉じ込められません。またこの口のすぼまりが、グラスを傾けた際に舌にあたる角度もつくります。飲むときにグラスの頭が口に向かってきちんと倒れることで、舌の中心にワインがスッと流れ込んでくるんです」

ボウルの空間は十分にあるか?

次に、ワインが注がれる部分「ボウル」。比較用のグラスは大きさが「リーデル・ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ」の半分程度しかありません。

「ボウルに十分な空間がないと香りが立ち上りません。さらに香りを立たせるための『スワリング』(後半で説明)を行うことも難しくなってしまいます」

グラスは薄いか?

グラスの薄さも重要。比較用のグラスは分厚く、「リーデル・ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ」は薄く繊細です。

「実は、グラスに厚みがあると、グラス自体の熱がワインにすぐ伝わってしまいます。せっかく冷やしておいた白ワインも、分厚いグラスに注ぐとすぐに温くなってしまうんです。グラスが薄ければ薄いほど、グラスはすぐにワインの温度になじむので、ワインを適温でずっとおいしく飲むことができます」

どれだけ違うの? 初心者目線でテイスティング

グラスに白ワインを注ぐリーデル店長

ワイングラスの見るべきポイントは理解できたものの……本当に初心者にもわかるほど、味に違いはでるのでしょうか?  白ワインの代表格「シャブリ」を「リーデル・ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ」でテイスティングしてみました。

①注ぐのはボウルの一番膨らみのある「お腹」部分より下で止める

白ワインが入ったワイングラス

実はワインは注ぎ方よりも「注ぐ量が重要」なのだそう!

「注ぐのは、ボウルのもっともふくらんでいる腹の部分の下まで。少ない? いえいえ、この位置を守らないと、ボウルに香りを立ち上らせ、閉じ込めるための空間ができません。たっぷり注いでしまうとどんなにいいグラスを使っても意味がなくなるので、この位置は絶対に守りましょう」

②まずはそのまま香りを嗅ぐ

「グラスの口に鼻をグッと近づけて、思いっきり吸い込んでみてください」

青りんごのようなほのかに爽やかな香りや、スッと清涼感のある香りをしっかり感じます。これまでワインに必ず感じていたほのかなアルコール臭は皆無です。

「グラスにきちんとスペースがあるからこそ、ワイン本来の香りが立ち上り、グラスから逃げずに閉じ込められるんです。でも、このワインの実力はこんなものではありませんよ」

③「スワリング」して、香りの変化を楽しむ

ワインをスワリングしたイメージ

「次に、『スワリング』という方法で、香りをさらに花開かせます。ワイングラスを右利きの人は反時計まわりに、左利きの人は時計まわりに回してみてください」

もう一度鼻を近づけて香りを嗅いでみると……。白桃のような甘く芳醇な香りが! 回しただけで、先ほどの爽やかな香りからの驚きのイリュージョンです。

「グラスの壁面を見ていただくと、ワインがしっかり張り付いていますよね。香りが出る面積がグラスの中で広がったので、このような芳醇な香りに変化したんです」

④自然にグラスを傾けて味わう

絶妙なバランスの酸味と甘みが舌の上を通過していきます! ワインってこんなにおいしいものだったのでしょうか。  

「ワイン本来の味がグラスによって正しく引き出された結果です。では、次に先ほど使っていた比較用のグラスで同じものを同じように飲んでみるとどうでしょうか?」

「残念な方のグラス」で違いを実感!

そのまま比較用のグラスに移し、まず香りを嗅いでみます。……先ほどよりも香りが弱く、ワインらしいアルコールの香りもかすかにあるような。そしてスワリング……できない! ボウル部分が小さいため、こぼしてしまいそうで回せません。

そしてひと口。酸味が強い印象で、やはり後味にかすかにアルコール臭を感じます。

「口が広いため、舌の真ん中を通らず、口全体に広がってしまうためです。すると甘味よりも酸味が強く感じやすいんです」

ワイン初心者がまず揃えたいグラスはこれ!

さまざまなリーデルのワイングラス

(写真左から)<リーデル>ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ(2個入)11,000円(税込)、 オー リースリング/ソーヴィニョン・ブラン(2個入)4,400円(税込)、 ヴェリタス リースリング/ジンファンデル(2個入)11,000円(税込)、ヴェリタス カベルネ/メルロ(2個入)11,000円(税込)

確かに、初心者の私でもよくわかるこの違い……これまでの半生、もっぱらこの残念なグラスでワインを嗜んできてしまったことが悔やまれます。

今日からワインをよりよく楽しむために、初心者にもっともおすすめのグラスを教えてください!

「まずは白ワインなら先ほどの『リーデル・ヴェリタス ヴィオニエ/シャルドネ』、赤ワインなら『リーデル・ヴェリタス カベルネ/メルロ』を揃えるとよいかと思います。赤白どちらも兼用されたいのでしたら、両方に適したグラスとしてつくられている『リーデル・ヴェリタス リースリング/ジンファンデル』がおすすめです。脚がないタンブラータイプもあるので、用途や好みに合わせて選んでみてください」

デイリーワインの隠された実力を引き出してくれるこだわりグラス、ひとつあればいつもの「家飲み」がグッと楽しくなりそうです!

リーデル店長が教えるワインの飲み方の動画を見る>>

文: 斉藤彰子

写真/小泉賢一郎
※20歳未満の飲酒は法律により禁じられております。

商品の取扱いについて

この記事でご紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=グランドカーヴ(ワイン)、伊勢丹新宿店本館5階=キッチンダイニングデコールにてお取扱いがございます。また、伊勢丹オンラインストアでは、<リーデル>の一部商品をお取扱いいたしております。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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