2024.10.30
日本1号店は銀座三越! <フレデリック・カッセル>で買うべき&売れているスイーツ徹底紹介
フランスはパリ郊外の古都、フォンテーヌブローに本店を構える洋菓子ブランド<フレデリック・カッセル>。日本に常設店は2店舗しかなく、百貨店では東京・銀座三越のみという特別なブランドです。
2024年8月、東京・世田谷にスイーツ工房兼ショップの「経堂アトリエ店」をオープンし、さらに2024年10月23日(水)には銀座三越店のリニューアルオープンが行われるなど、話題に事欠かない<フレデリック・カッセル>。その秘密に迫るべく取材を決行しました!
数々の栄誉に輝く、パティシエ・ショコラティエのフレデリック・カッセル氏とはどんな方? フランスと日本のブティックでは何が違うの? みんなが買っている生菓子、焼き菓子、ショコラの売れ筋は? 銀座三越でしか買えない限定スイーツはあるの? そんな気になるあれこれを、<フレデリック・カッセル>の古城さん、糸井さんに教えてもらいました。
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●パティシエ・ショコラティエ<フレデリック・カッセル>とは?
<フレデリック・カッセル>の本店がある深い森に囲まれたフランス・フォンテーヌブローは、パリのリヨン駅から列車で約40分。世界遺産のフォンテーヌブロー城や、かつて王族の狩猟地で現在も自然が保全されている広大なフォンテーヌブローの森があり、観光地としても人気です。
都会の喧騒を離れたこの地は、食にこだわりを持つ人々が多いとされる高級住宅街。舌の肥えた人々の日常生活を支える、パン、スイーツ、総菜をそろえたパティスリーとして、また情報ツウの観光客や、週末をフォンテーヌブローで優雅に過ごすパリジャンに、ショコラティエやサロン・ド・テをも展開する名店として、30年に渡り愛されているのが<フレデリック・カッセル>です。
●日本から見た<フレデリック・カッセル>
日本で認知度が爆発的に上がったのは、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」でした。「あのオレンジ色のボックスに入ったチョコレートがスゴイ!」と一躍有名になりファンが急増。その後満を持して、ケーキなどの生菓子、焼き菓子、ショコラを展開する日本1号店が銀座三越に登場したのです。
●フランスと日本。大切な想いを共有し、美味しさの高みを求める共同体
フランスと日本のブティックでは何が違うのでしょうか?
モード感あふれるデコラティブな要素は持たず、あくまでも王道。クラシックな佇まいが親しみを抱かせるのは、フランスと日本、どちらのブティックでも変わることはありません。
基本的なレシピはフランスのものですが、ミーティングでは日本で使いたい素材を提案し、魅せ方や味の調整を協力してすすめることも多いのだそうです。
例えば栗は、日本では和洋を問わず秋のスイーツの代表格です。フランスでも人気はありますが、おもに焼き栗、マロングラッセ、煮込み料理に使われる素材なのだとか。また日本のパティスリーでは定番のシュークリームですが、フランスでは必ず店頭にあるアイテム、という感覚はないといいます。
日本人が大好きな栗で新しいスイーツを、と生み出された、栗をパイで包んだ「シャテーニュ」や、皮をクッキーシューに仕立ててバニラを効かせた「シューヴァニーユ」は、「これはフランスのパティスリーにも出したい!」とカッセル氏が納得したアイテムの一部です。
あくまでも伝統的なフランス菓子という揺るがない枠組みのなかで、販売する国や時代の移り変わりなどの要素を軽々と包み込んで、より高みを目指そうとするパワーを持つことが、名店といわれる理由かもしれません。
●若くして大成。フレデリック・カッセル氏のプロフィール
1967年、フランス北部アブヴィルに生まれたフレデリック・カッセル氏は、飴細工を学んでいたころにスイーツ界の鬼才ピエール・エルメ氏に出会い、<FAUCHON(フォション)>で修行を重ねます。
エルメ氏より「最高の素材と厳格な仕事」の精神を受け継ぎ、1994年に自身の店をオープン。東京をはじめ、カサブランカ、ベルリンにもブティックを構え成功を収めるなど、世界を舞台に活躍するカッセル氏は、世界最高レベルのパティシエたちによる協会「ルレ・デセール」の会長を14年間務め、2018年には名誉会長に就任し、現在も精力的に活動を続けています。
2013年の「クープ・デュ・モンド」(世界最高峰の製菓の競技会)では監督としてフランスチームを率い、みごと優勝。2016年にはフランス経済財務産業省により「EPV(無形文化財企業)」を授与されています。
●名匠、フレデリック・カッセル氏の素顔
華々しい業績をもつ氏による繊細なスイーツの数々から想像すると、THE巨匠! といった風体の自分にも相手にも厳しい方なのでは…?
「こちらがびっくりするほどフランクでチャーミングな方なんですよ」と話すのは、<フレデリック・カッセル>の古城さん。長年「ルレ・デセール」に携わるのも、職人同士の絆を深め、技術を伝え、菓子業界の発展を願ってのこと。若手パティシエの育成にも熱心で、父や兄のように温かく接する氏の人望はたいへんに厚いのだそうです。
現場主義で、時間が許す限り厨房に立ち、ときには接客もこなすというカッセル氏。ブランドロゴの天使のイラストを描いたのは本人で、「僕はお菓子の天使だから」と話すカッセル氏の周りには、常にスタッフやお客さまの笑顔があふれています。
経堂アトリエのスタッフとのやり取りはSNSのメッセージやビデオチャット。本店の休憩時間にカッセル氏本人から的確で丁寧な返信が届いたり、チャットをつないで技術的なやりとりを気さくに交わしてくれたり、というエピソードからも、その人物像が伺えますね。
それではお待たせしました。銀座三越の店舗で買える、<フレデリック・カッセル>を語るうえでは外せない、生菓子からチェックしていきましょう!
【フレデリック・カッセルの生菓子①】美食の国で磨かれた、ミルフイユという名の至宝
<フレデリック・カッセル>のスペシャリテ、「ミルフイユ・ヴァニーユ」は、販売開始の正午になると平日でも店頭に人垣ができる、一番人気のアイテムです。既存のスイーツファンによる絶大な支持に加えて、2010年のフランスパティスリー連合主催のコンテストで「ベスト・ミルフィーユ」の栄誉に輝いたことで一般的に広く知られることとなり、日本での人気を不動のものにしました。
ファンをとりこにする濃厚なクリームは、タヒチ種のバニラが香るカスタードに、ホイップバターと生クリームを合わせたもの。パイ生地の仕込みには3日間を費やしています。しっかりと表面をキャラメリゼすることで、艶やかで香ばしい仕上がりに。並んでも買いたい! と思わせる圧倒的な美味しさを秘めた、感動を呼ぶケーキです。
繊細な美しさが魅力の「ミルフイユ」ですが、上手に食べるのが難しい一面も…。苦戦した経験のある方も多いのでは?
「まずは最初に、思い切って横に倒してください。そうすることで、真上からナイフで切るよりも食べやすくなります」そう教えてくれたのは、同じく<フレデリック・カッセル>の糸井さん。
さっそく実践してみると、そのままの状態で上から切ろうとすると、悲しくなるほど大量のパイがはじけ飛んでしまいましたが、倒したあとにフォークを添えながらナイフでカットする方法では、ささやかに落ち葉が舞う程度。切るのも楽で、何より、味わうことに集中できたのが最大の収穫! 悩んでいた方は、ぜひ試してみてください。
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
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【フレデリック・カッセルの生菓子②】艶やかなグラサージュにくぎ付け。特別な装いのチョコレートケーキ
宝石のような光を放つ姿に一目惚れ。忘れられないビジュアルと味わいをもつのは、グラサージュの艶めきも見事な「タングラム」です。
コクのあるショコラムース、プラリネとカカオの苦みをまとったチョコレートビスキュイ、ビターなチョコレートクリームと、異なるショコラの味わいが重なり合った、ショコラティエならではの贅沢なケーキです。
土台として食感を楽しく変えてくれるサブレは、「タングラム」のためにつくられたもの。サクサクと口あたりも軽やかで、チョコレート層の深い味わいともマッチします。「サブレはチョコレートとの相性がいいなぁ」と思っているあいだに、最後までペロリと完食です。
「フランス菓子らしく甘さはしっかりあるのですが、しつこくなく、美味しい余韻だけが残ると評判です。特別感たっぷりの見た目によるのでしょうか、誕生日用にとホールタイプを予約される方が多いのも特徴です」(古城さん)
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
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続いて定番の焼き菓子を紹介します。手土産に選ばれる人気の3種類を押さえておきましょう。
【フレデリック・カッセルの焼き菓子①】サクサク&ほろほろ。思わず手がのびる魅惑のサブレ
「サブレディアマン」シリーズの一番人気は、ショコラ味とバニラ味の2種類が6枚ずつ入った「ショコラ&ヴァニーユ」です。交互に取り出しては延々と食べてしまう、サクサクとした軽い食感と口どけが魅力。白と黒のコントラストが可愛らしく、ギフトに入れると見栄えがすると好評です。
「実は、スタッフ間で最近人気なのは『ノワゼット』なんです」。そんな古城さんの話を聞き、「ノワゼット」を試してみることに。確かに「ショコラ&ヴァニーユ」に比べると見た目は大人しいのですが、ひと口ほおばるとヘーゼルナッツの豊かな風味があふれ、しっかりと素材の味を感じます。これは濃いめのコーヒーに合いそうです。
まだ試していない方は、ぜひチャレンジを。ギフト選びの選択肢が増えるので、「今日はどれにしようか…」と大いに悩みましょう!
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
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【フレデリック・カッセルの焼き菓子②】1,000円以下でも特別感あり! プチギフトにぴったりの小さな焼き菓子アイテム
ちょっとした贈り物、プチギフトに選ばれているのが、1,000円以下で買える「プティフール」のシリーズです。底面がしっかりとした簡易ボックスに入っています。
一番人気は「ミニマドレーヌ&ミニフィナンシェ」。それぞれ8個ずつ入っていて、見た目よりずっしり感があり、2種類を一度に楽しめるところがうれしいポイント。「プティフール・テ アールグレイ」は紅茶フレーバーのフィナンシェが8個入っています。
季節によって異なるフレーバーのフィナンシェが登場する「季節のプティフール」もあります。2024年10月30日現在のフレーバーは「プラリネ&ココ」。アーモンドとヘーゼルナッツ、チョコレートを使った「プラリネ」と、ココナッツファインを使った「ココ」の2種類が4個ずつ入っています。店頭に行ったら、ぜひチェックしてみて!
「フィナンシェやマドレーヌといった、わかりやすい定番の味には安心感があるので、お相手にも自信をもってお渡しいただけるのではないでしょうか。定番と別のフレーバーを組み合わせてギフトにするのも、楽しみが広がるのでおすすめです」(糸井さん)
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
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【フレデリック・カッセルの焼き菓子③】ギフトに選ばれるレモンのケーキ
皮まで食べられる輪切りのレモンを乗せたカップケーキは、店頭で詰め合わせをつくるお客さまに選ばれている商品です。店舗スタッフによると、「『ケークレモン』を中心に詰め合わせをつくってほしい」「もらって美味しかったから贈り物に使いたい」など、ピンポイントでのご指名をいただくことも多いのだそうです。
食べはじめに遭遇するのはシロップ漬けの輪切りレモン。飾り程度かなと思っていたら、その美味しさにびっくり! すっきりとした甘酸っぱさのレモンと、バターの風味を強く感じるしっとりとした食感のケーキには、どこか懐かしさを感じます。
大人からお子さままで年齢を問わずに楽しめるケーキは、ギフトの柱に選ばれるのも納得の味わいでした。
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
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<フレデリック・カッセル>マカロンを紹介>>
続いて、こちらも定番、ショコラのギフトボックスをご紹介します。
【フレデリック・カッセルのショコラ】驚きと喜びを詰めこんだ褐色の1粒
<フレデリック・カッセル>のもうひとつの代名詞ともいえるチョコレートは、すべてフランスから輸入されています。日本のチョコレートギフトは4個入り、6個入り、といった形態が主流ですが、フランス本店ではそこまで少量のものは望まれないため、日本では輸入したものをスタッフが詰め合わせて製品にしているそうです。
もちろん、カッセル氏の思い描く「ショコラアソート」のコンセプトに沿うよう組み合わせているので、世界観はそのまま。口に入れるとチョコレートの味わいが押し寄せたあとに、選び抜かれたフルーツやナッツなどの素材の風味が広がるよう設計されたチョコレートは、どの組み合わせのギフトでもひとつひとつから驚きと喜びがわき上がってくるようです。
いつ食べても飽きることのない、濃厚で繊細なチョコレートの数々。自分にご褒美を贈って、新しいお気に入りを見つけるのも楽しそう!
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
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最後に、これだけは押さえておきたい、銀座三越の<フレデリック・カッセル>でしか買えないスイーツを紹介します。今回の2024年10月23日(水)のリニューアルオープンを記念して作られた、カッセル氏の想いが詰まった”作品”です。
【フレデリック・カッセルの銀座三越限定スイーツ】2024年10月23日(水)から登場! リニューアルオープンを祝した限定フラン
2024年10月23日(水)の銀座三越店リニューアルオープンを記念して、カッセル氏が特別に作りあげたのが「アントルメ フラン・ヴァニーユ」です。
「フラン」とは豪華なお菓子とは違って、より気軽な食べ方ができる、フランスの家庭では子どものおやつとして親しまれています。タルト生地にカスタードに似たフラン液を流し込んで焼いた、国民的お菓子です。
カッセル氏はほかのスイーツと同じように、バニラにこだわりました。「フラン・ヴァニーユ」のバニラに選ばれたのは、シンプルなマダガスカル産。レアなバニラで奇をてらうことはせず、子どものころに夢中で食べたバニラアイスを思わせるなつかしい香りと、フランスの子どもが夢中になる味を楽しんでほしい、とのこと。こんがり焼き色のついた姿も食欲をそそります。
販売は直径12cmのホールのみ。親しい方たちとフランを囲んで、カッセル氏の言葉と子どもだった頃の自分に思いを馳せてみませんか?
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
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待ち焦がれるファン多し! 秋冬にしか出合えない限定スイーツもチェックして
一年のなかでも秋冬の期間は、スイーツに使う素材の多くが旬を迎え、クリスマスやバレンタインといったイベントが多いこともあり、季節限定のアイテムがたくさん登場します。2024年10月30日(水)現在、予定しているその一部をご紹介すると…
- 「シャルロット・オ・ポワール・キャラメル」 販売期間:販売中~11月下旬
フランス伝統菓子シャルロットの秋フレーバー。洋梨の上品な甘さをキャラメルの苦みが引き立てます。 - 「モンブラン・ジュール」 販売期間:販売中~11月下旬
栗とカシスを合わせた、フランスでは定番のモンブラン。名前の由来はカッセル氏の愛息ジュールくんから。 - 「タルト・タタン」 販売期間:11月上旬~11月下旬
甘酸っぱい紅玉とコクのあるシャンティマスカルポーネヴァニーユと合わせた、フランス伝統菓子。 - 「パン・デピス」 販売期間:11月20日ごろ~売り切れ次第終了
スパイスが効いたクリスマスの焼き菓子。そのままでもよし、レバーペーストなどをのせて楽しむもよし。
どれも魅力的な季節限定アイテムですね。毎年、待ち焦がれている多くのファンがいらっしゃる、というのも納得です。店頭をぜひチェックしてみてください!
※取扱い:銀座三越 本館地下2階
いかがでしたか? 以上が<フレデリック・カッセル>の注目アイテムでした。
カッセル氏の次回の来日予定は、2025年1月に東京・伊勢丹新宿店で開催される「サロン・デュ・ショコラ 2025(※サイトは適宜更新予定)」。店頭に立つのはもちろん、ファンのみなさんとのイベントなども企画できれば、とのこと。人とお菓子への愛がほとばしるパティシエに会えるのを楽しみに、まずはリニューアルオープンした店頭に足を運んで、お気に入りのスイーツを見つけてみてはいかがでしょうか?
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取材協力/<フレデリック・カッセル> 銀座三越店
常設店は日本に2店舗のみ。百貨店では東京・銀座三越でしか買えない、フランス・フォンテーヌブローに本店を構えるパティシエ・ショコラティエ<フレデリック・カッセル>。
本店でも人気の「ミルフイユ・ヴァニーユ」や「タングラム」などの生菓子をはじめ、「ショコラアソート」や「オランジェット」などのチョコレート菓子、「サブレ」や「ケークレモン」「マカロン」、「ボワット・グルマン(クッキー缶)」などの焼き菓子を販売。伝統的なフランス菓子の製法を受け継ぎつつ、食べた人が思わず笑顔をこぼしてしまう感動と驚きに満ちたお菓子を提唱し続けている。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、銀座三越 本館地下2階 洋菓子/フレデリック・カッセルにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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