2024.11.26
【伊勢丹バイヤーが解説】高級「干し柿」ギフトにおすすめ3選。作り方、生産地、最高峰は?
冬になると店頭で見かけるようになる干し柿。なんとなく古臭いイメージをもつ人がいるかもしれませんが、実は時間と手間をかけて丁寧に作られてこそ生まれる、その凝縮された自然の甘みとまったりした食感は、まさにスイーツといえる美味しさ!
なかには高級品と呼べるほどの値段のものもあり、冬のギフトや手土産としても自信をもっておすすめできる干し柿があるんです。
そこで、ぜひ覚えておきたい、2024年の冬に伊勢丹新宿店で買える、とっておきの高級干し柿について、青果バイヤー真野重雄さんに教えてもらいました。
【干し柿の製法】作り方はセミドライとドライの2タイプがある
具体的な干し柿を紹介するまえに、干し柿の製法(作り方)についてご紹介します。その製法は2つに大別することができます。
① 水分50%、セミドライタイプの製法(あんぽ柿)
干し柿のなかでも半生状態に仕上げるものは、あんぽ柿(※柿の品種名ではなく、製法の分類名)と呼ばれます。柿の皮をむいたあと、変色やカビ防止加工を施してから、寒風や天日にさらし、遠赤外線で水分が50%になるまで調整して作られます。
中はとろっとしたゼリー状になっていて、半生状態なので一般的な干し柿より、消費期限はやや短め。冷蔵保存をすればゼリーのように、冷凍をすればシャーベットのようにして味わうこともできます。鮮やかなオレンジ色のものを選ぶのがおすすめ。
② 水分25~30%、ドライタイプの製法(枯露柿、市田柿など)
天日にさらすところまではあんぽ柿と同じですが、その後は手でもみ、もう一度同じ工程を繰り返したり、ビニールハウスで乾燥させたりして、水分が25%〜30%になるまで乾燥させるタイプ。枯露柿(ころがき)や市田柿が知られています。
そのため実が引き締まって食感はややかためです。表面にブドウ糖である白い粉がしっかりついているものを選ぶと良いでしょう。ときどき黒い斑点がありますが、霜に当たった部分が変色してしまったものであり、カビではありません。
干し柿の製法の2タイプがわかったとろこで、次に2024年に伊勢丹新宿店で購入できる、おすすめの高級干し柿を教えてもらいました!
【伊勢丹おすすめ高級干し柿①】「福蜜柿」とろける食感と濃密な甘み/主な生産地:富山県
- 主な生産地:富山県
- 柿の種類:三社(さんじゃ)柿
- 干し柿のタイプ:セミドライタイプ
日本一渋いといわれる渋柿「三茶(さんじゃ)柿」という品種を、遠赤外線乾燥によりセミドライ(あんぽ柿)にした「福蜜柿」。ぷるぷるとした実を割ってみると中からはとろっとろのジュレのような果肉が姿を現します。あんぽ柿の水分量は50%。半生状態の干し柿を口に運ぶと…ウニや牡蠣を彷彿とさせるとろりとした食感と、あっさりした甘さが広がります。
「蜜のように濃密な甘さなので、チーズやパンにもよく合います。刻んでサラダやヨーグルトに入れても美味しいですよ」
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケット
【伊勢丹おすすめ高級干し柿②】「枯露柿」ねっとりした食感とフレッシュな香り/主な生産地:山梨県
- 主な生産地:山梨県
- 柿の種類:甲州百目(こうしゅうひゃくめ)柿
- 干し柿のタイプ:ドライタイプ
やや大ぶりで、ねっとりとした食感が持ち味の「枯露(ころ)柿」。美味しくなるように柿の向きをコロコロと変えて丁寧に乾燥させたことから、その名前の由来なのだそう。割ってみると干し芋のようです。
「まんべんなく日が当たるように『コロコロ転がしながら乾燥させたことから枯露柿と呼ばれるようになった』という逸話があるほど手間暇かけて作られているんです」
食べてみると見た目以上に水分が多く、生の柿のような強い香りを感じます。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケット
【伊勢丹おすすめ高級干し柿③】「堂上蜂屋柿」千年の歴史に育まれた宝の果実/主な生産地:岐阜県
- 主な生産地:岐阜県美濃加茂市
- 柿の種類:堂上蜂屋(どうじょうはちや)柿
- 干し柿のタイプ:ドライタイプ
平安時代からの古き歴史を持つ「堂上蜂屋(どうじょうはちや)柿」は、時の権力者たちから親しまれてきたといわれています。「堂上蜂屋」という大きな渋柿のなかでも、さらに大きなしっかり熟した柿を選んで干し上げています。とろけるような舌ざわりと豊かな香り、見た目の美しさと上品な甘みも兼ね備えています。お値段も最高峰ともいえるほどで、大切な人にプレゼントしたくなるような干し柿です。
「とても大きな干し柿のため、ヘタを取って縦に割いて食べると、口当たりもよく美味しく味わえます。ワインなどのお酒のおつまみにも、よく合います」
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケット
いかがでしたか? 産地や製法、品種によって大きな違いがある干し柿。古来より各地のお国自慢の贈答品として人気があるというのもうなづけます。こうして比べてみると、実に個性豊か。日持ちもするので、冬の特別なギフトアイテムとしてチェックしてみてください!
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店 本館地下1階 フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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