2016.01.04
見つけたら王様に! ガレット・デ・ロワに入っている、「フェーヴ」の魅力とは
フェーヴとは、フランスの行事菓子「ガレット・デ・ロワ」の中に入っている、小さな陶磁器のこと。切り分けたガレットの中からフェーヴが出てきた幸運な人は、その日の王様になることができます。フランスでは、1月になると街中のパティスリーやブーランジェリーのショーウインドーがガレット・デ・ロワでいっぱいに! 日本でも近年ガレット・デ・ロワを扱うお店が増え、小さなフェーヴのかわいらしさや精巧さに、じわじわとコレクターが増えています。
インク壷から豪華客船まで!? 多様なモチーフ
動物やお菓子、キャラクター、そして日用品に美術品、観光名所まで、さまざまなものがモチーフになっていて、モデルになっていないものを探すのが難しいほど。フェーヴの多くは概ね10個前後でひとつのテーマを持ったセットになっていて、パティシエはそこからひとつ、ガレット・デ・ロワに仕込むのです。
思わず頬がゆるんでしまう、愛らしい動物のフェーヴ。カフェオレボウルやお鍋も、小さなフェーヴならたくさん集められます。本物と一緒にディスプレイしても素敵です。
素朴さが魅力、ハンドメイドのフェーヴたち
市場に流通するフェーヴの大部分は大手の製造会社で作られていますが、フランスの小さな工房や個人の陶芸家によってハンドメイドされたフェーヴもあります。どれも作り手の個性が感じられ、魅力があります。
日本でも、日本人の作家が作ったフェーヴを入れたガレットを作るお店が増えてきました。パティスリーへの提供だけでなく、コレクター向けにフェーヴを作る作家もおり、愛好家の注目を集めています。
テーマを決めて、コレクションする愉しみ
食べたガレットから引き当てたフェーヴはやはり愛着を感じる存在ですが、自分なりのテーマを決めてコレクションするのも楽しいものです。ケーキやマカロンなどのお菓子モチーフは日本人にとても人気があるそう。また、有名パティスリーのオリジナル・フェーヴは、毎年コレクターの関心の中心。お気に入りのお店のものだけを毎年集めて続けている人もいます。
季節が巡って来るたび、今年はどんなフェーヴとの出合いがあるかな……と想像を膨らませながら楽しんで集めていけるのも、フェーヴの魅力のひとつと言えるでしょう。
磯谷佳江(いそがいよしえ)
作詞家。フェーヴとガレット・デ・ロワを愛好・探求し、その魅力を紹介している。著書に『フェーヴ お菓子の中の小さな幸福』(二見書房)他がある。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
Ranking
人気記事ランキング