2023.08.27
はちみつ採取は2023年で8年目! 東京の養蜂場「日本橋みつばち倶楽部」プロジェクト最新レポート
巨大ビルが立ち並ぶ東京都心・日本橋で、日本橋三越本店オリジナルのはちみつが作られていることをご存知でしょうか? 2016年3月にスタートした「日本橋みつばち倶楽部」は、日本橋三越本店の屋上で養蜂を行い、はちみつを楽しみながらみつばちと共生する「都市養蜂」プロジェクトです。
8年目となる2023年、プロジェクトはますますパワーアップ。今回の記事では、日本橋三越本店バイヤーで「日本橋みつばち倶楽部」のプロジェクトスタッフでもある高田幸子さんと福島健介さん、はちみつ専門店<ラベイユ>の養蜂スタッフとしてプロジェクトに関わる高橋大祐さんにお話を聞きながら、プロジェクトの取り組みをご紹介します。屋上で何を行っているの? 2023年の新蜜のできばえは? 気になるヒミツに迫ります!
日本橋みつばち倶楽部とは? 日本橋の屋上で行われているプロジェクトの秘密をバイヤーが明かします!
●どうして日本橋三越本店の屋上でみつばちを育てているの?
そもそも「都市養蜂」とは、都心のビルの屋上などを活用してみつばちを育て、はちみつを採取する養蜂スタイルのこと。日本橋三越本店は、どうして都市養蜂に注目したのでしょうか?
「きっかけは2016年『日本橋みつばち倶楽部』発足の2年前。当時の日本橋三越本店では、2014年3月に『カルチャーリゾート百貨店宣言』を行い、『文化に浸って楽しめるお店』をテーマに掲げました。お客さまにお店でさまざまな体験・体感をしていただきたいとの思いで注目したのが、当時認知度の高まっていた『都市養蜂』。そこで、日本橋三越本店に出店しているはちみつ専門店<ラベイユ>さんにお声がけし、実現したのがこのプロジェクトです」(高田さん)
プロジェクトの目標は大きく3つ
- 日本橋でとれたはちみつ「日本橋のはちみつ」の販売・提供
- 都市養蜂への取り組みから、自然環境へ関心を持つきっかけに
- 日本橋の緑化計画のお手伝い
実は昨今、みつばちが突然いなくなる「蜂群崩壊症候群」によって、食のサイクルが乱れる問題が懸念されています。はちみつの魅力を発信することはもちろん、みつばちと人間の密接な関係を知ってほしい、そして何よりも、日本橋三越本店を訪れるお客さまに楽しんでほしい。プロジェクトには、そんな思いが込められていたんですね。
●日本橋みつばち倶楽部では、どんな活動をしているの?
「日本橋みつばち倶楽部」の認知度向上のため、2016年のスタートから8年間、お客さまや社員に向けたさまざまなイベントや、ショップとのコラボを実施してきた高田さんたちスタッフ。長い月日の間に「サステナブル」「SDGs」という言葉が注目されるようになり、「ここ数年で時代の流れに合ってきました」と手応えを感じています。
「2020年のコロナ禍より以前は、屋上へお客さまをご案内したり、地元小学生による巣箱のペインティングを実施したりと、体験型の取り組みを行いました。コロナ禍が落ち着いてきた2023年は、初の蜜しぼり体験イベントを実施し、100名以上のお客さまに楽しんでいただけたのがうれしかったですね。2023年3月に日本橋のホテル<マンダリンオリエンタル東京>さまとの期間限定コラボアイテム『日本橋のはちみつをたっぷり使ったふんわりパネットーネ』を開発したことは新たな一歩だと考えています。今後も日本橋エリアを代表する手土産など、日本橋だからこそできるものづくりに関わっていきたいです」(高田さん)
「実は私、2023年度に担当になるまで、このプロジェクトの存在を知らなくて…。この大都会で、美味しいはちみつが本当に採れるのか疑問を持っていたんです。それが今では元気に活動するみつばちに愛着がわき、間もなく養蜂が終わることに寂しさを感じるほど。この取り組みを、いろんな方にもっともっと知っていただきたいです!」(福島さん)
日本橋三越本店の屋上産はちみつができるまで
ここからは、はちみつ作りの流れをざっくりとご紹介。「日本橋みつばちプロジェクト」のみつばちたちは「日本橋で繁殖・活動~八王子で越冬」というサイクルで1年を過ごします。
【2月下旬~3月中旬】繁殖・活動初期
みつばちたちが八王子から日本橋三越本店新館の屋上に引っ越してきます。みつばちは冬の間に最盛期の1/8ほどまで数が減ってしまうのですが、この時期から女王蜂が次世代をどんどん産んでいきます。都心では梅やオオイヌノフグリなどが咲くため、少量の蜜の採取も始まります。
【3月下旬~4月上旬】繁殖・活動中期
気温が15℃以上になると桜を中心に季節の花の蜜を集めながら、活発に動き回るようになります。みつばちの数もどんどん増えて、8箱に約20万匹(1箱に約25,000匹)にも繁殖。
【4月中旬~7月】活動最盛期
さらに1箱いっぱいになる約4万匹にまで増えたみつばちたちは、さまざまな花が咲き誇る夏ごろまでが、活動の最盛期。順調にいけばおおよそ1カ月に1度のサイクルで蜜を搾ることができます。はちみつの採取は以下の工程で行われます。
はちみつの採取① 巣箱の状態をチェック
燻煙機で空気を吹きかけ、中のみつばちたちに大人しくしてもらったあと、巣箱を開けて状態をチェック。巣枠からみつばちを丁寧に払います。
高橋さん「『部屋』の一つひとつに蜜が溜まったら、みつばちは羽根で風を送って水分を飛ばし、糖度を上げるんです。するとそこに蜜蓋(みつぶた)ができます。それが蜜が十分溜まった合図です」
はちみつの採取② 蜜蓋をカット
蜜蓋を一つひとつ丁寧に取り除いていきます。
高橋さん「みつばちたちがそれまで一生懸命働いて溜めていた姿を見ているので、あっさりカットしてしまうのは毎回忍びないです…」
はちみつの採取③ 遠心分離機で蜜搾り
蜜蓋がとれた巣枠を遠心分離機に入れてぶんぶん回すと、トロリとしたはちみつが!
【8月~2月中旬】越冬準備~越冬期
みつばちたちは八王子へと「里帰り」し、仲間とともに厳しい冬を迎えます。また来年からの活動に向けて力を蓄えていくことになります。
2023年のはちみつの味はどんな味?
「2023年のみつばちたちは、例年以上に元気でした」と微笑むスタッフたち。天候にも恵まれて、スムーズな採蜜ができたと言います。
「2023年の新蜜は、花の香りが豊かに感じられる濃厚な味わいに仕上がっています。まずはそのまま食べてみて、はちみつの甘みとコク、鼻に抜ける香りをダイレクトに味わってみてください。私は就寝前と起床後に、ひとくち食べるのがルーティーンになっています。」(福島さん)
「レモンのソルベにかけるのもおすすめです。はちみつの甘酸っぱさと濃い香りが、口いっぱいに広がりますよ!」(高田さん)
2023年のはちみつは日本橋三越本店とオンラインストアでも買えます!
2023年8月3日(木)から<ラベイユ>店頭/三越伊勢丹オンラインストアで販売が始まった「日本橋のはちみつ」の新蜜は、コクのある甘みと上品な花の香りが大好評! また、2023年9月27日(水)からは、日本橋三越本店の一部ショップにて「日本橋のはちみつ」を使用したコラボ商品を販売予定。この機会に、ぜひ試してみてください。
※取扱い:日本橋三越本店 新館地下2階
2023年の収穫を終えて。そして、9年目に向けて…
2023年の採蜜はこれにてひと段落。しかし、プロジェクトはまだまだ終わりません!
「応援してくださるお客さまへの感謝を感じる一方で、もっと『日本橋みつばち倶楽部』の認知度を高め、お店や街全体を盛り上げていきたいと感じています」(高田さん)
「2024年は食品フロアだけにとどまらず、食品以外のカテゴリーとのコラボにも挑戦してみたいですね。ぜひ楽しみにしていてください!」(福島さん)
今後の「日本橋みつばち倶楽部」の活躍に期待が高まります。プロジェクトの様子は三越グルメ/MITSUKOSHIのInstagram(@mitsukoshi_gourmet)でも、随時、最新情報を発信しているので、興味を持たれた人はぜひチェックしてみてください!
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、日本橋三越本店 新館地下2階 ラベイユ、三越伊勢丹オンラインストアにてお取り扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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