2016.02.05
Bean to barがブーム? 2016年チョコレートの最新トレンド
もうすぐバレンタイン。チョコレート売場が賑わうこの時期は、新しいチョコレートとの出合いの季節でもあります。
ますますおいしく、バリエーション豊かなチョコレートが増え続けている昨今。とっておきのチョコレートを見つけるための最新トレンド情報を、三越伊勢丹バレンタイン担当バイヤー・川西恵理子さんが紹介します!
最新チョコ事情を知るための4つのキーワード
① アメリカ発「Bean to bar」ブームが日本上陸!
② 第4のチョコレート「ブロンド」が登場
③ 世界で「和素材×チョコレート」が流行中!
④ チョコレートにもワインのような「ソムリエ」が!?
①アメリカ発「Bean to bar」ブームが日本上陸!
「Bean to bar(ビーン トゥ バー)」とは、その名のとおり、カカオ豆(Bean)の仕入れからチョコレート(Bar)の製造まで、すべての工程を自社で行うこと。数年前からアメリカで流行し、最近、日本でも注目を集めています。
「これまでのチョコレートは、大手メーカーのクーベルチュールを使用し、ショコラティエが独自の加工を施していくという作り方。クーベルチュールはいくつかのカカオ豆をブレンドし、均一的な味わいになっているものがメジャーでした。しかし、『Bean to bar』のチョコレートは、単一のカカオ豆と砂糖のみを主な材料としたシンプルなものがほとんど。余分なものが使われていないため、カカオそのものの味わいと香りを楽しめるのが特徴です」
カカオ豆の風味を生かした「Bean to bar」のチョコレートは、豆の産地よってまったく異なる味わいになるといいます。
「花のような香りがしたり、柑橘系の風味だったり、果実のような甘みがあったり……。カカオ豆が味の決め手となるため、より美味しい豆を手に入れるためにメーカー自ら農地に赴くなど、徹底的にこだわる作り手が増えてきています」
「Bean to bar」のおすすめチョコレート
「1880年創業の老舗ブランドによる『Bean to bar』チョコレート。きび砂糖のシャリシャリとした食感に驚かれると思います。チョコレートの原点を感じさせてくれる商品です」
「ブームになる前から地道に『Bean to bar』に取り組んでいたブランドです。カカオ豆の香りの引き出し方がうまく、文句なしの美味しさです」
②第4のチョコレート「ブロンド」が登場
ブラック、ミルク、ホワイトに次ぐ第4のチョコレートとして登場した「ブロンド」。フランスの<ヴァローナ>が新作として発表したのを皮切りに、さまざまなショコラティエが使用するようになりました。
「ココアバターにミルク、砂糖などを加えて作る『ホワイト』の製法から偶然できたのが『ブロンド』です。製造の過程で焙炉(ほいろ)に入れたままにしていたホワイトチョコレートが数時間後に美しい色に変色していたといわれています。キャラメルやビスケットのような香ばしい風味が特徴です。これまでもキャラメル自体を使用したチョコレートはありましたが、『ブロンド』はチョコレートそのものでフレーバーを楽しめるユニークなアイテムです」
③世界で「和素材×チョコレート」が流行中!
近頃、パリを中心に流行しているのが、チョコレートと「和」の素材の組み合わせ。 「和素材がブレイクした理由のひとつは、和食が世界遺産になったこと。<パティスリー・サダハル・アオキ・パリ>の青木氏が、抹茶や柚子などの和素材をパリの人々に提供していたこともベースになっています。また、伊勢丹が開催する『サロン・デュ・ショコラ』で毎年パリのショコラティエを招待し、日本の素材を食す機会を提供してきたことも、彼らにインスピレーションを与えるきっかけになったかもしれません」
川西さんは、世界中のショコラティエが和素材に惹かれる理由をこう語ります。
「柚子や山椒などの和素材は、口に入れた瞬間華やかに弾け、最後は何とも言えない余韻があります。単純な甘みや香りに留まらない複雑な味わいが魅力的だと感じられているのでしょう」
「和素材×チョコレート」のおすすめチョコレート
「海外メーカーでも柚子入りのチョコレートを作っているところはたくさんありますが、日本の料亭が作ると『やはり本場は違う』と思わされます。料亭ならではの丁寧な仕事で実現されたやわらかい風味が魅力です」
「本年、抹茶に力を入れている海外メーカーといえばピエール マルコリーニ。マルコリーニ氏が日本のお茶会に招かれたときに抹茶の味わいに魅了され、取り入れるようになったそうです」
④チョコレートにもワインのような「ソムリエ」が!?
「『Bean to bar』のブームに伴い、チョコレートの材料であるカカオ豆そのものに着目する風潮が高まっています。かつて板チョコといえば1枚100円くらいが当たり前でしたが、最近はカカオ豆にこだわった商品であれば1枚2,000円ほどのチョコレートでも気にせず買う消費者も増えてきました。3時のおやつとしてだけではなく、嗜好品として楽しむものになってきているんです」
こだわり志向のチョコレート愛好家が増えるにつれ、カカオ豆本来の風味を活かしたチョコレートの香りや味わいの違いを表現する方法として、ワインのソムリエのような表現がなされるようになってきたと語る川西さん。
「アロマや余韻について語ったり、風味をフルーツにたとえたりすることが多くなりました。今後はチョコレートを楽しむ人々の間で、『2005年産のカカオマスが素晴らしい』なんて会話が交わされるようになるかもしれません」
今後ますます多様な広がりを見せていくチョコレートの世界。その奥深さを知り、大切な人にあげるプレゼントを探すつもりが、自分も食べてみたくなってしまったのではないでしょうか。
たくさんのチョコレートに出合えるこの季節、たっぷりとその魅力を堪能してくださいね。
催物のご案内/商品の取扱いについて
【催物のご案内】
スウィーツコレクション
開催期間:2016年2月3日(水)~2016年2月15日(月)(最終日午後6時終了)
伊勢丹新宿店本館6階=催物場にて、ギフトや自分へのごほうびにぴったりのバレンタインチョコレートを集めた催物、「スウィーツコレクション」を開催いたします。
話題の名店から海外の人気ショコラトリーまで。90以上のブランドが一堂に会します。
バレンタインのスペシャルサイトはこちら
【商品の取扱いについて】
記事で紹介している商品は、2016年2月3日(水)~2016年2月15日(月)の期間中、伊勢丹新宿店本館6階=催物場にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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