2024.01.13
【スパイス専門店が解説】胡椒(こしょう)の種類・違いはこんなにあった! 黒、白、緑、赤…
スパイスの王様とも称され、和洋中さまざまな料理に欠かせない胡椒(こしょう)。肉、魚、野菜、どんな食材のおいしさも引き立ててくれます。
多くのご家庭で毎日のように活躍する胡椒ですが、じつは最もポピュラーなブラックペッパー(黒胡椒)のほかにも、ホワイトペッパー、ピンクペッパー、ファッションペッパーなど、いろいろな種類があるってご存じですか?
そこで、胡椒にはどんな種類や違いがあるのか、伊勢丹新宿店で取り扱いのあるスパイス専門店<朝岡スパイス>に教えてもらいました。胡椒の選び方や、それぞれの特徴や使い分けについても解説します。
目次
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胡椒とは? 意外と知らない実の色や歴史
胡椒とは、南インドが原産のつる性の植物の一種です。その実は垂れ下がった果穂(かすい)に連なるようにびっしりとついています。果穂ごと収穫して実を外し、乾燥などの工程を経て、香辛料として販売されます。
ピリッとした辛さが特徴で、料理に辛味でアクセントをつけてキリッと引き締め、香りで深みを加えてくれます。料理だけでなく、保存料や生薬としても重宝されてきました。
胡椒の実は、もともとは緑色と赤色だった
上の写真を見て「え、胡椒って緑色なの?」と驚いた人もいるのでは? 胡椒の実は、若いときは緑色、熟していくうちに赤色に、さらに完熟すると黒色に変化していきます。
私たちが普段使っている「ブラックペッパー(黒胡椒)」は、実が若い緑色のときに収穫したもの。皮つきのまま乾燥させていくうちに黒色になります。「ホワイトペッパー(白胡椒)」は、一房の中の数粒が赤色に熟したタイミングで収穫し、外皮を除いて中の白色の実を乾燥させて作ったものです。皮の色が赤色で皮をむくと白色というのは、コーヒーの実と同じですね。
胡椒は古代エジプトやローマから広まった「高級品」
胡椒の歴史は古く、古代エジプトや古代ローマ時代から重要視され、シルクロードを通じてヨーロッパに広まったそうです。
現代では日常的に使用されるスパイスですが、じつは17世紀頃までは非常に高価で貴重な食材でした。古代ローマでは「黒い黄金」とも呼ばれ、庶民が気軽に口にできるようなものではなかったそうです。時代を経て販路や栽培量が増え、供給源が広がったことで価格が下がり、一般にも普及していきました。
胡椒が日本に伝わったのは奈良時代
胡椒が日本に伝わったのは、意外にも古く奈良時代(8世紀)ごろだと考えられています。当時の日本は、中国や朝鮮半島、東南アジアとの交流があり、さまざまな文化や商品がもたらされました。胡椒もそのひとつとして伝わった可能性があります。
ブラックペッパーだけじゃない! 胡椒の種類と特徴。おすすめ料理もご紹介
胡椒の主な種類は、ブラックペッパー(黒胡椒)、ホワイトペッパー(白胡椒)、グリーンペッパー(青胡椒・緑胡椒)、ピンクペッパー(赤胡椒)の4種類。収穫のタイミングや乾燥方法、外皮の除去などの違いによって分類されます。
【ブラックペッパー(黒胡椒)】
【原料・加工方法】ブラックペッパー(黒胡椒)は、胡椒のなかで最も一般的な種類。未熟な緑色の果実を収穫し、乾燥させて作られます。
【味わい・楽しみ方】芳醇な香りと辛みが特徴で、香りを積極的に楽しみたい料理におすすめです。例えば、ステーキ肉やサラダ、寒い季節にはチーズフォンデュや、ホットドリンクのホットココアやホットチョコにも合います。
<朝岡スパイス>もっとも定番の「黒胡椒」
黒胡椒の原形タイプはミルに入れて使うため、挽きたての豊かな香りが楽しめるところが魅力です。肉や魚など、あらゆる料理の味わいをワンランクアップさせてくれます。原形のほかに、粗挽きの「大荒」「中荒」、サラサラになるほど細かく挽いた「粉末」をラインナップしています。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
【ホワイトペッパー(白胡椒)】
【原料・加工方法】ホワイトペッパー(白胡椒)は、胡椒の花穂一房の中の数粒が赤色に熟したタイミングで収穫し、外皮を取り除いてから乾燥させて作られます。
【味わい・楽しみ方】シャープな辛みが特徴。胡椒の辛みだけを料理にプラスしたいときや、クリームソースやチャウダー、卵料理、白身魚など白い料理にぴったりです。
<朝岡スパイス>白い料理におすすめの「白胡椒」
料理の色味の邪魔をせず、あらゆる料理に使える万能スパイスです。原形のほかに、粗挽きの「中荒」、細かく挽いた「粉末」をラインナップしています。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
【グリーンペッパー(青胡椒・緑胡椒)】
【原料・加工方法】グリーンペッパー(青胡椒・緑胡椒)は、未熟な緑色の果実を収穫してすぐにフリーズドライにしています。
【味わい・楽しみ方】辛みは弱く爽やかな香りが特徴。肉の下味付けなどに使います。ドレッシングなどに合わせてもすっきりした香りを楽しめます。
<朝岡スパイス>さわやかに香る、塩味つき「ソルティグリーンペッパー」
新鮮な胡椒を乾燥させ、表面に塩をコーティングしたソルティグリーンペッパー。生の胡椒がもっている、青い柑橘のような爽やかな香りが特徴です。
ミルで挽いても、そのまま料理にかけても使えます。ほどよい塩味がついているので、チーズに合わせてワインのおつまみや、茶漬けにそのまま数粒入れても美味です!
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
【ピンクペッパー(赤胡椒)】
【原料・加工方法】ピンクペッパー(赤胡椒)は、胡椒に分類されることが一般的ですが、じつは胡椒とはまったくの別物! コショウ科の植物ではなく、ウルシ科の植物の木の実で、見た目が胡椒に似ているためにピンクペッパーと名付けられました。
【味わい・楽しみ方】こちらは彩りを楽しむスパイスなので、辛みは一切なく、ほのかに甘みを感じます。カルパッチョなど、料理に彩りを添えるスパイスです。
<朝岡スパイス>赤色が料理に映える「ポアブルローゼ」
<朝岡スパイス>のピンクペッパー(赤胡椒)は、フランス語読みの「ポアブルローゼ」という商品名で展開されています。美しいバラ色が料理にアクセントを添えてくれます。ほのかな甘みがあり、ステーキやマリネ、オードブル、サラダ、ムニエルなどのトッピングにおすすめです。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
【ファッションペッパー(カラフルペッパー)】
【原料・加工方法】ファッションペッパー(カラフルペッパー)は、黒・白・赤・緑の4種の胡椒をミックスしたもの。料理に華やかなインパクトを与えてくれます。
【味わい・楽しみ方】ペッパーミルで挽いて、ステーキやクリームソースパスタ、サラダやスープにトッピングを。見た目にも楽しく美しい胡椒です。
<朝岡スパイス>彩り華やかな「ファッションペッパー」
ホワイトペッパー、ブラックペッパー、グリーンペッパー、ポワブルローゼの4種類をブレンドした、色鮮やかな一品。ほかに4種のペッパーにハーブを加えた「カラフルペッパーハーブ入り」もあります。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
【ロングペッパー(ヒハツ)】
【原料・加工方法】ロングペッパー(ヒハツ)は、一般的な胡椒とは異なる種類のスパイスですが、沖縄では胡椒と同じように気軽に使われています。胡椒と同じくピリッとした辛味に加え、独特のスモーキーな香りが特徴。
【味わい・楽しみ方】アジア全域で肉料理やカレーなどによく使われており、日本では沖縄のソーキそばに欠かせないスパイスです。
胡椒の選び方と使い方。ホール(原形)を挽いて楽しむのがおすすめ!
胡椒を選ぶ際には、形がきれいで色鮮やかなものを選びましょう。例えばブラックペッパーのホール(原形)の場合は、黒々としているものがいいとされています。
胡椒にはさまざまな種類があり、適した料理が異なりますが、ご家庭で複数の種類を揃えるのはハードルが高いかもしれません。どれかひとつを選ぶなら、やはり黒胡椒がおすすめ! 芳醇な香り・辛みを楽しめ、幅広く活躍してくれますよ。
また、胡椒はコーヒー豆と同じで、挽き立てが最も香り立ちます。ホールの胡椒をペッパーミルで細挽きにすると辛味が強調され、主張の強い味わいに。料理全体に均等にまぶすのにも適しています。粗挽きにすると辛味は穏やかになり、風味が広がります。いろいろな料理に合わせて、お好みの挽き加減を見つけてください。
いかがでしたか? 胡椒は、風味や辛味によって料理に奥深さとアクセントを与えてくれる頼もしいスパイスです。料理のバリエーションを広げるためにも、胡椒の多彩な世界を探求してみませんか。自分の好みや料理に合わせた胡椒の種類や挽き方を試してみることで、新しいおいしさが発見できるはずです!
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商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション、三越伊勢丹オンラインストアにてお取り扱いがございます。
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