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2015.08.12

読み物・コラム

冷凍食品のイメージが一変する! 新技術「プロトン凍結」って何?

このみずみずしい<下鴨茶寮>の「華ちらし」、冷凍だなんて信じられますか?

冷凍食品のイメージが一変するという最新の冷凍技術「プロトン凍結」。「作りたてと食べ比べても、どちらが冷凍かわからない」というほどに、食材本来の味わいをキープしてくれます。

従来の冷凍につきものだった、「凍結時に本来の味わいを損ねる」という問題を大幅に軽減する、革新的な技術。いったいどんな仕組みなのでしょうか?

「磁石」「電磁波」「冷風」3つの力で素早く冷凍

「温度の低下だけで凍らせる通常の冷凍に対し、『磁石の力』『電磁波』、そして『冷風』という3つの力で食材を凍らせるのが『プロトン凍結』。これら3つの力を四方八方から掛けるハイブリッドな冷凍技術なのです」と教えてくれたのは、プロトン凍結弁当担当で、この技術に詳しい伊勢丹新宿店の惣菜アシスタントバイヤー・工藤高太さん。この方法なら、食材の細胞のなかにできる氷の結晶が大きくならないので、食品細胞の破壊を防ぐことができるのだそうです。

冷凍する前の食品のおいしさが100%以上に高まるわけではないものの「解凍したときに『味がほとんど変わらない』『極端に味を損なうことがない』というのは、とてもすごいことなんですよ!」と、工藤さんはアツく説明してくれます。

プロトン凍結の仕組みを表す図

プロトン凍結の仕組み。凍結しても、氷が食材の細胞を壊すことがありません。

プロトン凍結で、地域や旬の制約がなくなる

プロトン凍結は、食材を凍らせるときには専用の機械を使う必要がありますが、消費者はこれまで通り一般的な冷凍庫で保管すれば良いのだそう。<つきじ鈴富>や<下鴨茶寮>をはじめ、自社でプロトン凍結フリーザーを導入する店舗も増えてきているといいます。

そんなプロトン凍結ですが、向いている食材や不向きな食材はあるのでしょうか?

「一般的に冷凍できる食材ならプロトン凍結可能だと聞いています。ただ、食物繊維の多い葉物野菜やフレッシュなフルーツなど一部プロトン凍結に向いていないものもあるようです。あとはウニなども細胞の水分量の関係で不向きとされていますね。とはいえ、お肉や海産物といった足の早い食材の多くは問題ありません。今までは産地でしか味わえなかったご当地グルメや、旬が限られている期間限定の味覚などが、年間通して、場所を問わず、誰でも楽しめるようになると思います」

生ものだけでなく、揚げ物なども凍結可能、プロトン凍結できる食材の画像

プロトン凍結できる食材の例。生ものだけでなく揚げ物も凍結可能。

資源の活用、廃棄ロスといった社会問題にも

また、工藤さんはプロトン凍結技術で食の世界が大きく変わる可能性があるともいいます。

「小売りだけでなく、飲食店でもプロトン凍結が使われるようになれば、作り置きによる人件費の削減などにより、コストを抑えて高品質な商品を提供できるようになります。食材の保管に活用すれば、昨今話題となっている廃棄ロスも削減できるのではないでしょうか」

食の資源にも限りがあることが注目される現代では、食材のロスをできるだけ少なくすることも重要な意味を持つと、工藤さん。プロトン凍結の今後についてこんなコメントも。

「これまでは、遠方にお住まいの方や、外出が難しいお客さまに提供できる食品が非常に限られていました。しかし今後は、プロトン凍結の食品をうまくご紹介することで、より幅広く、おいしい食品を楽しんでいただくことができます」

活用の幅の広さを予感させるプロトン凍結。こうした最新技術によって、まだまだ新しくておいしい食品が誕生しそうな予感がしますね。

文: ワタナベダイスケ

バイヤー・スタイリスト / 工藤高太
三越伊勢丹の惣菜コーナーを担当するアシスタントバイヤー。プライベートでも休日は居酒屋・レストラン巡りをしてしまうという、公私ともに食に密着した生活を送る。

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