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2015.06.10

ニュース・イベント

ブラジル人は、日本人と同じ「おもてなし」好き?

じめっと暗〜い梅雨の時期は、カラッと明るいラテン系のブラジル料理に元気と陽気をもらいましょう! でも、ブラジル料理にはどんなものがあるの? ブラジル版BBQといわれるシュラスコは、ここ日本でもおなじみになってきましたが、ほかは意外と知られていません。

そこで、ブラジル出身、日系3世の料理コーディネーター、ヒラタ マリさんをたずねてみました。

ブラジル流パーティの極意は「勝手気まま」

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取材場所に指定されたのは、マリさんが料理顧問を務めるブラジル大使公邸。モダンで立派な建物に圧倒されつつ恐る恐る中へ足を踏み入れると、「いらっしゃーい!」と拍子抜けするくらい気さくに、陽気なマリさんが出迎えてくれました。しかも、「おつまみを用意しておいたから。できたてはおいしさが全然違うのよ!」と言われて、さっそくキッチンへ。

いきなりの歓迎ぶりに驚いていると、「ブラジル人はおもてなしが大好き。自宅に親戚や友人を呼ぶか、お呼ばれしていく。とにかく週末はいつもパーティよ」とマリさん。食器を買う時もパーティ用に同じものを1ダース買うのだとか。「お皿が揃ってなかったらかっこ悪いでしょ」との言葉に、さすがは日本の反対に位置する国、日本との大きな違いにも妙に納得です。

「おもてなし」も日本とは少し考え方が違います。「ブラジルでは料理を大きな鍋でバンバン出すの。お客さんは自分の食べたいものを食べたい分だけとって食べる。そのほうがお互いに気楽でしょ。料理が足りなくなることが一番恥ずかしいことで、多めに作って余ったらおみやげにする。多めに作らないと、お客さんが途中で偶然出会った人を誘ってきたりするから大変(笑)」。招くほうも招かれるほうも自由なのです。

移民の国ならでは! 多種多様さが面白い

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そうこうしているうちに、フィンガーフードが次々とできあがってきました。まずはブラジルで人気No.1おつまみだという「コシーニャ」(②、④)。鶏肉の出汁と小麦粉を混ぜた衣で、ゆでた鶏肉を包んだコロッケのような料理です。中には肉の甘みと旨みが詰まっていて、驚くほどクリーミー。

続く「エンパジーニャ」(③、⑤)は、ラードを練り込んだ生地の中にエビやオリーブなどが入ったひと口サイズのパイで、ほどよい塩加減とコクのある風味にビールが欲しくなります。ちなみに、ブラジルでは「エンパジーニャ」にヤシの新芽(パルミット)を入れるそうですが、日本で手に入らないときはタケノコや白アスパラで代用するのだとか。

そして、待ってました! 「パオ・デ・ケージョ」(①)の登場です。外はパリッ、中はモッチモチ! しかも焼きたてはチーズの香りが一段と濃厚で、幸せな気分になります。ブラジルの有名なチーズパンですが、もともとはブラジルがポルトガル領だった時代、ポルトガル人がパンを食べたいと思っても当時のブラジルには小麦がなかったため、タピオカ粉で代用したのがはじまりだそう。

「ブラジルには、ヨーロッパの文化とブラジルの材料が融合した料理がたくさんあるのよ」と、マリさんが教えてくれました。さらに、移民の国であるブラジルでは、地域によって同じ料理でも違いが出るのだとか。「たとえば、北のほうはパクチーをよく使うけど、南のほうでは使わなかったり、料理に入れる材料でどの地域の人かがわかるの」とのこと。想像以上に多種多様なブラジルの料理文化は、その歴史に裏打ちされたものであり、知れば知るほど興味が湧いてきます。

本場ブラジルのおもてなし料理を体験!

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そんなブラジル料理の本場の味を、マリさんが伊勢丹新宿店本館地下1階のキッチンステージで紹介してくれます。6月3日(水)〜16日(火)までの期間中に供されるのは、本国の家庭でよく食べられているおもてなし料理。「ひと皿の上に、ご飯があって豆料理があって野菜があってメインがある。必ず汁物を入れるのも特徴なの」という献立は、日本の一汁三菜と通じるところがあることに驚かされます。

緑の野菜は、青汁でおなじみのケールを細くスライスしたもので、ブラジルでは生のままよく食べるのだそう。ブラジル人が一番好きだという肉、ピッカーニャは、日本でイチボと呼ばれている牛肉の部位で、肉汁は多いけど脂っぽくなく、味が濃いお肉。ちなみに、魚でもっとも人気が高いのは塩ダラだそう。これもポルトガル人によってもたらされたものが現在も残っているのだといいます。食べるときは「お皿の上で、すべてを混ぜながら食べるのがブラジル流」。混ぜたときのバランスが考えられたメニューになっているのだそうです。果たして、どんな味になるのか? ひと皿の上に、食の宇宙を感じずにいられません。

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また、デザートは、いまや日本でもおなじみとなったアサイーボウル。「ハワイの料理では?」と思いきや、実はアサイーはブラジルのアマゾンが原産地なのだそう。この地を訪れたアメリカ人サーファーたちが現地で食べていたアサイーを持ち帰り、アメリカやハワイに広めたのだといいます。

日本から見て地球の反対にあたるブラジル。でも、その食文化を知るほどに、なんだかとても親近感が湧いてきます。栄養満点のブラジル料理で、じめっとした梅雨を乗り切りましょう!

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ヒラタ マリ氏

ブラジル出身、日系3世の料理コーディネーター。コルドンブルーパリ本校や三ツ星レストランのアルベージュアランパッサールで修行。現在は、駐日ブラジル大使館の料理顧問を務めるかたわら、レシピ開発や料理教室なども行っている。日本におけるブラジル料理の第一人者。

文: 吉田佳代子

写真:八田政玄

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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