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2015.06.11

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「岩牡蠣」の産地や時期をプロが解説! 旬の夏はプリップリの美味しさ

夏が旬の「岩牡蠣」と、冬が旬の「真牡蠣」の画像

牡蠣の旬、といえば冬のイメージが強いですが、実はそれは「真牡蠣」に限った話。真牡蠣とは反対に夏に旬を迎えるのが「岩牡蠣」です。

しかも夏に楽しめる岩牡蠣は、真牡蠣よりも粒が大きくプリプリで味も濃厚……と聞けば、牡蠣ファンとして心乱されずにはいられません! そんな岩牡蠣の魅力について、日本オイスター協会に所属するオイスターマイスター、加藤ゆうさんにうかがいました。

岩牡蠣と真牡蠣、一体何が違うの?

岩牡蠣の画像

岩牡蠣

真牡蠣の画像

真牡蠣

岩牡蠣と真牡蠣の違いは、まず見た目。真牡蠣に比べ、岩牡蠣は分厚く大きな殻に覆われています。

「その違いは、育つ環境によるものです。真牡蠣が育つのは波打ち際や海岸線沿いなどの沿岸部。養殖場も主に浅瀬に作られます。反対に岩牡蠣が育つのは海底深く。そのため過酷な環境に耐えられるよう、殻が分厚くなったと考えられます」

同じ牡蠣なのに旬が真逆なのは、「産卵」の仕方に違いがあるからだそう。

「真牡蠣も岩牡蠣も、産卵時期は同じ夏場。ただ、その産み方が違います。真牡蠣の場合は、秋冬から栄養を蓄え、夏の手前で一気に産卵します。そのため、産卵直後の夏は栄養が抜けた状態で味が落ちてしまうのです。岩牡蠣の産卵も同じく夏場ですが、真牡蠣のように一気に産卵せず、少しずつ、少しずつ卵を産んでいきます。そのため、産卵期の夏場でも栄養が抜けてしまうことがなく、濃厚な味が楽しめます」

岩牡蠣の名産地って?

夏とは逆に、冬に岩牡蠣をお店で見かけないのには、ワケがあるそうです。

「岩牡蠣は養殖が盛んな真牡蠣と違い、そのほとんどが天然もの。つまり海女さんや漁師さんが海に潜ってとらないといけません。そのため冬は漁ができず、市場に出回らないのです。大量生産ができない分、価格は真牡蠣の3倍以上することも少なくないのですが、そのぶん粒は大ぶりで濃厚な味わいです。牡蠣ファンなら、ぜひ夏にしか出会えないこの味を楽しんでほしいですね」

真牡蠣で有名なのは宮城県や広島県ですが、岩牡蠣にも名産地があるといいます。なかでも特に有名な産地をうかがいました。

「石川県の能登、秋田県の象潟(きさかた)が有名で、最近は佐賀県の有明、長崎県の五島列島などもおいしい岩牡蠣の産地として挙げられています。牡蠣の味は産地によっても異なるので、各産地のものを食べる機会がありましたら、ぜひ違いを比べてみてください」

夏こそ牡蠣! の理由とは?

海のミルクと呼ばれるほど、栄養豊富な食材として知られる牡蠣。特に夏に食べることでカラダにうれしいパワーも期待できそうです。

「牡蠣にはさまざまな栄養が詰まっていますが、なかでも夏にうれしいのが、グリコーゲンやタウリンなどが豊富なこと。特に岩牡蠣はタウリンが豊富で、真牡蠣の2〜3倍含まれていると言われてます。この2つの栄養は、滋養強壮にいいとされているので、夏バテ防止にもひと役買ってくれます。お酒を飲む際、一緒に牡蠣を食べるといいとも言われているんです」

さらに、鉄分や亜鉛も豊富。カラダにもおいしいなんて、夏の岩牡蠣はいいことずくめなようです。

店頭での新鮮な牡蠣の見分け方

新鮮な牡蠣にレモンをしぼってそのままツルリ……は、牡蠣を味わう醍醐味のひとつです。夏の岩牡蠣も、生で食べて問題ないのでしょうか?

「管理がしっかりした生産者から買い付けられた新鮮なもので、店での温度管理も十分に行き届いていれば、食中毒のリスクは回避できるはずです。信頼できるお店で買うとよいでしょう。ただし、たとえ食中毒のリスクが少ないとしてもアレルギーを持つ方にはもちろんおすすめできません」

やはり、生で食べるなら新鮮なものに限ります。店頭に並ぶ牡蠣の鮮度を見分ける方法は、あるのでしょうか?

「殻つきの牡蠣は、生きているとときどき呼吸のために殻を開いていることがあります。殻に触ると、驚いて閉じるのが生きている証拠です。殻が開いた状態で並んでいる牡蠣は、身がプリッとしていて、乳白色でツヤがあるものが新鮮です。鮮度が落ちてくると黄みがかってきます」

家庭で食べるなら、こんな工夫も楽しい!

そんな新鮮な牡蠣を家庭で味わう際のおいしいひと工夫をうかがいました。

「レモンはもちろん、柚子こしょうをのせるのもおすすめです。最近はジェル状の柚子こしょうがあるので、ぜひ試してみてください。また、協会スタッフの間で最近流行っているのが、無塩のエシレバターとブラックペッパー、それからトリュフオイルを数滴垂らしてバーナーで軽く炙る……という食べ方。キャンプ用品などで手元にバーナーがある方はぜひ試してみてください」

夏の岩牡蠣の旬は5月~8月中旬ごろまで。今しか出会えない貴重な旬の味覚、ぜひ堪能してください!

取材協力/日本オイスター協会

「カキを正しく・楽しく・おいしく食べる方法を伝える」ことをモットーに、「オイスターマイスター」を育成支援する団体。現在127名のオイスターマイスターが在籍している。

文: 斉藤彰子

写真:Thinkstock/GettyImages(1枚目)

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