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2019.08.21

スイーツ

「くず餅」と「わらび餅」の違いって知ってる?夏の代表和菓子の魅力。

くず餅とわらび餅のイメージカット

涼しげで、さっぱり、ぷるんとした「くず餅」と「わらび餅」。どちらも昔から日本で親しまれてきた和菓子でよく似ていますが、原材料や食感、味わいなど、それぞれに違った魅力があるのをご存知ですか?

今回はとりわけ蒸し暑い夏にうれしい2つの和菓子の違いに迫ります。最後に素材にこだわった老舗の逸品もご紹介するので、ぜひ食べて違いを楽しんでみてください。

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何が違う? 東西の「くず餅」と「わらび餅」

(左写真)くず餅のイメージカット (右写真)わらび餅のイメージカット

食感や見た目、食べ方など、共通することが多い「くず餅」と「わらび餅」。それぞれの違いを知れば、より味わいも深まります。さっそく違いにアプローチしていきましょう。

<違い1> 原材料は「本葛粉」「うき粉」「本わらび粉」

くず餅とわらび餅は、まず原材料が異なります。それぞれの材料について探っていきましょう。

くず餅の原材料は?

くず餅は、関東と関西とでは別物なのをご存知でしょうか。

関西のくず餅は「葛餅」とも書き、植物の葛の根から精製した「本葛粉」が原材料です。とはいえ、本葛粉の精製には多くの時間と手間がかかることと、葛自体の収穫量が少ないことから、国産の本葛粉はとても希少で高価な食材となりました。そのため中国などの外国産の本葛粉や、芋やトウモロコシのデンプンを使ったくず餅も多くなっています。

一方、関東では小麦粉からグルテンを取り除いた「うき粉」を乳酸発酵させたものを原材料とし、葛餅と区別して「くず餅」「久寿餅」という字をあて、江戸時代より主に東京の門前町で親しまれてきました。発酵食品は、健康面やおいしさから世界的なブームとなっていますが、久寿餅も日本古来の発酵食品として見直されています。

わらび餅の原料は?

ではわらび餅は何が違うのでしょうか? わらび餅は、平安時代の醍醐天皇が好んだと伝えられているほど歴史のある和菓子です。そのわらび餅に使われていたのは、植物の蕨の根から採取したデンプン「本わらび粉」です。

しかし本葛粉と同様、本わらび粉の精製にも多くの手間と時間がかかり、蕨1本から精製できるデンプン(本わらび粉)の量は5%程度とごくわずか。より希少で高価な食材なため、今では芋やれんこんのデンプンを使ったわらび餅が一般的となっています。

<違い2> 作り方は「蒸す」か、「煮ながら練る」か

作り方にも違いがあります。

関東のくず餅は、乳酸発酵後のデンプンを何度も水洗いし、乳酸発酵による発酵臭や酸味を除きます。そして湯に溶かして型に流し、蒸し固めます。こうして出来上がったくず餅は、乳白色でしっかりとした固さに。

関西のくず餅とわらび餅は、まず原材料の本葛粉やわらび粉を水で溶かします(砂糖を加える場合もあり)。これを火にかけると濁った液体が透明感のあるトロリとした状態になり、本わらび粉の場合は黒っぽい褐色になるのが特徴です。加熱するにつれて粘りが強くなりますが、根気よく練り混ぜることでコシと弾力のある餅になります。

<違い3> 食感と味わいも三者三様

最後にもっとも大切な、食感や味の違いについて。

関東のくず餅は、弾けるような、ぷりんとした食感と歯切れの良さが魅力。乳酸発酵特有の、ヨーグルトに似たさわやかな酸味も独特です。関西のくず餅は、みずみずしくつるりとなめらかな口当たり。プルプルと柔らかいのにコシもあり、軽い食感です。本葛粉が多いほど、つるつるとした心地よさが際立ちます。

わらび餅はもっちりとした弾力と、強いコシが特徴。わらび粉が多いほど口の中でスッと消えて、心地よい余韻が楽しめます。

さて、原材料や作り方の違いから、味や食感に個性が生まれることが分かったところで、これなら! と自信を持っておすすめできる老舗の「くず餅」と「わらび餅」をご紹介します。

450日の乳酸発酵が生む弾力!<船橋屋>くず餅

船橋屋のくず餅

<船橋屋>くず餅(1箱36切入)896円(税込) ※毎日10個限り

東京・亀戸天神の側で文化二年(1805年)から店を構える船橋屋は、創業以来、変わらぬ製法を守り続ける関東風くず餅の老舗です。木桶で天然水とともに450日間乳酸発酵させた小麦デンプンから作られるくず餅は、もちもちして、ほのかな酸味が後を引きます。サラリとした黒蜜と、きめ細やかなきな粉とのバランスも秀逸。

※取扱い:伊勢丹新宿店

吉野葛100%の贅沢 <仙太郎>本当くず餅

仙太郎の本当くず餅

<仙太郎>「本当くず餅」(1箱200g)594円(税込) ※販売期間:~2019年8月31日(土)

葛の中でも一級品として知られる、奈良県吉野の本葛粉のみを使った贅沢な一品です。ツルリとした繊細な舌ざわり、コシのよさは本葛粉100%ならでは。上品な甘さの黒蜜と、コクのある黒豆きな粉をかけてどうぞ。

※取扱い:伊勢丹新宿店

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深煎りきな粉が香ばしい<鈴懸>本蕨餅

鈴懸の本蕨餅

<鈴懸>「本蕨餅」(1本)238円(税込) ※販売期間:〜2019年8月31日(土)

博多の人気和菓子店・鈴懸のわらび餅は、九州産の本わらび粉をふんだんに使用。絶妙な火加減によって本わらび粉ならではの味と香り、もっちりとした食感を引き出し、香ばしい深煎りのきな粉をまぶしています。串にさしてあるので、切りにくいわらび餅もスマートにひと口でいただけます。

※取扱い:伊勢丹新宿店

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ニッキと抹茶がアクセント!<文の助茶屋>わらび餅&抹茶わらび餅

文の助茶屋のわらび餅と抹茶わらび餅

<文の助茶屋>(写真手前左)「抹茶わらび餅」(1個111g)378円、(写真手前右)「わらび餅」(1個111g)324円(税込)

京甘味の名店・文の助茶屋のわらび餅は、厳選した南九州産本わらび粉を使用。なめらかでコシのあるわらび餅に、深煎りの京きな粉と清涼感のあるニッキの香りがマッチした「わらび餅」と、ほろ苦い宇治抹茶をブレンドしたきな粉が美しい「抹茶わらび餅」の2種類が楽しめます。

どちらも製造から常温で90日間保存がきくので、夏の買い置きスイーツにもおすすめです。

※取扱い:伊勢丹新宿店

もっちり感の虜になる<こ寿々>わらび餅

こ寿々のわらび餅

<こ寿々>わらび餅(1箱9切入)756円(税込) ※毎週月曜日に入荷

鎌倉若宮大路沿いの蕎麦処として創業した<こ寿々>。江戸前辛口そばのお口直しに提供していた「わらび餅」がお客様から好評で、お持ち帰り用が登場したのだそう。

古都・鎌倉で今も行列の絶えない<こ寿々>のわらび餅は、国産の本わらび粉を使用。もっちりとした弾力に加え、とろけるような食感が多くの人に指示されています。甘さ控えめのわらび餅と、濃厚な黒蜜とのバランスのよさは、1箱でもペロリといけてしまいそうなほど絶妙です。

※取扱い:伊勢丹新宿店

いかがでしたか? ぜひ自分好みの「くず餅」や「わらび餅」を探す際のヒントにしたり、味わう際の参考にしたりしてみてください。

※くず餅もわらび餅も、長時間冷やすとせっかくの食感が損なわれてしまうので、冷やしすぎないようにご注意を。涼しいところで保管し、おいしいうちに、できる限り早めにいただきましょう。

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文:香取里枝
写真:小林友美

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/名匠銘菓、仙太郎、鈴懸にてお取扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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