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2019.07.14

注目のイタリアのスパークリング「フランチャコルタ」。名産地をソムリエが現地レポート!

カンティーナの女性と半田バイヤー

フランスのシャンパーニュ、スペインのカヴァと並ぶ、世界三大スパークリングワイン、フランチャコルタ。シャンパーニュと同じく瓶内二次発酵方式で製造され、厳しい基準をクリアしたワインは、その質の高さ、味わいの多様さで近年人気を集めています。

いったいどのような場所で、どのように造られているのでしょうか。伊勢丹新宿店の洋酒バイヤー・半田真也さんが現地の4つのカンティーナを訪れ、ワイン造りの現場をレポートします!

記事内で紹介するワインは、2019年7月17日(水)〜22日(月)に伊勢丹新宿店で開催されるイベント「ノッテビアンカ〜イタリアンスパークリングワインの祭典〜」で購入可能。オンラインでも購入可能なのでぜひチェックを!

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フランチャコルタワインの魅力とは?

ぶどう畑の様子

伊勢丹新宿店の洋酒コーナー<グランドカーヴ>でバイヤーを担当している半田真也です。今回は、今ワイン業界で最も注目を集めるワイン産地のひとつ、フランチャコルタを訪問し、実際のワイン造りの現場で感じたことをお伝えしたいと思います。

フランチャコルタワインの生産地は、北イタリアのロンバルディア州の東部に位置するフランチャコルタ地域。フランスのシャンパーニュと比較すると歴史は浅いですが、製造の規定の厳しさは引けをとりません。

現在120件ほどあるカンティーナの中でも、特に個性的な4カ所へお邪魔し、造り手の方にお会いしてきました。ぶどうの有機農法にいち早く取り組んだり、大学でボトルの形状について研究したりと、みなさん研究熱心でこだわりの強い人ばかり。終始圧倒されっぱなしでした。

【フランチャコルタのここに注目!】

① 厳しい規定で守られている高い品質

スパークリングワインを製造する上で最も手間のかかる「瓶内二次発酵方式」で造られたワインの中でも、極めて厳しい規定を守られているもののみがフランチャコルタと称することができます。シャンパーニュと肩を並べるその高い品質は「フランチャコルタの奇跡」とも評されています。

② フランチャコルタだけで造られる特別なカテゴリー「サテン」

製造方法の違いによって通常の「ブリュット」のほか、いくつかのカテゴリーに分けられ、同じワイナリーの同じ年のぶどうを使って造られたワインでも、味わいに違いが生まれます。中でも注目したいのが、世界でフランチャコルタだけが名乗ることのできるカテゴリー「サテン」です。

「フランチャコルタ サテン」とは?

通常のブリュットは瓶内のガス圧が5気圧以上なのに対し、サテンは5気圧以下が基準になります。気圧が低くなる分、極めて細かく、持続性のある泡が生まれ、口当たりはクリーミーでなめらか。麦わら色がかった黄色に、薄緑色が混ざった深みのある色合いも特徴です。

③ ファッション性

ファッションの中心地であるミラノが近いためか、造り手のこだわりが表現されたスタイリッシュなボトルデザインも魅力のひとつとなっています。思わず「ジャケ買い」したくなる、かっこいいボトルのワインがたくさんあります!

【名カンティーナ①】有機農法にいち早く着手<バローネ・ピッツィーニ>

イゼオ湖

早速4つのカンティーナを訪ねてみましょう。

初日に訪れたカンティーナは、フランチャコルタ協会の会長シルヴァーノ・ブレシャニーニさんが副社長を務める<バローネ・ピッツィーニ>。冷涼な風が心地よいイゼオ湖近くにあり、湖からの風を受けたぶどうを生かし、ワイン造りを行っています。

こちらのカンティーナは、有機農法をいち早く導入したことでも知られています。特に驚いたのは、1998年から有機栽培に取り組み、わずか3年で55ヘクタールすべての畑で有機認証を獲得したということ。

有機栽培を始めて以来、ぶどうの樹が年々強くなり、ワインが豊かな味わいになるのを感じたそうで、そんなワイナリーの変化を目の当たりにしたほかの生産者にも有機栽培が波及していったのだとか。

【注目の1本】フランチャコルタの可能性を感じさせる逸品

<バローネ・ピッツィーニ>フランチャコルタ・DOCG・ブリュット・ナトゥーレ

<バローネ・ピッツィーニ>「フランチャコルタ・DOCG・ブリュット・ナトゥーレ 2014」750ml 5,400円(税込) 販売期間:【WEB】2019年7月10日(水)〜7月19日(金)午前10時 限定数12本【店頭】2019年7月17日(水)〜7月22日(月)限定数なし

そんな<バローネ・ピッツィーニ>から今回紹介するのは、著名なイタリアンワインの評価本「ガンベロロッソ」の2014年版で、最高評価「トレ・ビッキエーリ」を獲得したブランド自慢の1本。

実はテイスティングさせてもらったとき、自分の想像していた味と違って、思わず笑ってしまったほど意外な味わいでした。フランチャコルタの気候は温暖なため、ミネラル感や酸に関してはシャンパーニュのほうが際立ったものが多いと言われているのですが、イゼオ湖近くのぶどうで造られたこのワインはひと味違いました。

ヘーゼルナッツやアーモンドを思わせる香ばしさの中に、しっかりと感じるミネラル感と酸……フランチャコルタという産地が生み出す味わいの幅広さや奥行き、ポテンシャルの高さを感じます。

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※取扱い:伊勢丹新宿店

【名カンティーナ②】ボトルの形状と味の関係を追求<フェルゲッティーナ>

カンティーナの女性と半田バイヤー

続いて向かったのは、伊勢丹新宿店でも人気の高いワインを製造している家族経営のカンティーナ<フェルゲッティーナ>。昨年伊勢丹新宿店にも足を運んでくれたオーナー兼醸造責任者のラウラさんが笑顔で迎えてくれました。

象徴的な三角形のボトルの形状は、ラウラさんの弟であるマッテオさんが大学時代、ボトルの形状と熟成の研究を行った成果。旨みのもととなる「澱」が液体に触れる表面積を大きくすることで、味に奥行きが生まれるように設計されているのだそう。おしゃれで洗練されたイメージのボトルに、そんな秘密が隠されていたとは……!

【注目の1本】雑味のない味わいで万人に愛されるロゼ・スパークリングワイン

<フェルゲッティーナ>フランチャコルタ ロゼ ブリュット 2014

<フェルゲッティーナ>「フランチャコルタ ロゼ ブリュット 2014」750ml 5,616円(税込)販売期間:【WEB】2019年7月10日(水)〜7月19日(金)午前10時 限定数12本【店頭】2019年7月17日(水)〜7月22日(月)限定数なし

プレスしたぶどう果汁の雑味のない上質な部分のみを使用しているため、全体的にクリアな印象で、ワインが得意でない人でも飲みやすい銘柄の多い<フェルゲッティーナ>。

「フランチャコルタ ロゼ ブリュット 2014」の深いコクときめ細やかな泡は、1000日間以上もの熟成期間を経て培われるものだそう。

口に含んだ瞬間、フランボワーズ、桜の葉など心落ち着く香りとトースト香がフワッと広がり、ふくよかな味わいと口いっぱいに広がるイチゴのニュアンスが強く印象に残ります。酸と旨みが長い間持続するのも魅力のひとつだと感じました。

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※取扱い:伊勢丹新宿店

【名カンティーナ③】カジュアルにフランチャコルタを届けたい<コンタディ・カスタルディ>

<コンタディ・カスタルディ>のカーヴ

3ヵ所目はフランチャコルタの中でも最大級のカンティーナのひとつである<ベラヴィスタ>のオーナーが、よりカジュアルにフランチャコルタを楽しんでほしいという願いを込めて1991年に設立した、<コンタディ・カスタルディ>です。

フランチャコルタ地域のほとんどの村に畑を所有しており、それぞれの区画の強みを生かしたワイン造りを行っています。また、もともとレンガを焼く窯として使われていた場所をカーヴとして使用しているため、年間を通じて良好な状態で熟成ができるのもならではの強みです。

【注目の1本】60ヵ月熟成瓶で仕上げる厚みのあるサテン

<コンタディ・カスタルディ>のフランチャコルタ・ソウル・サテン

<コンタディ・カスタルディ>「フランチャコルタ・ソウル・サテン 2012」750ml 8,640円(税込)販売期間:【WEB】2019年7月10日(水)〜7月19日(金)午前10時 限定数12本【店頭】2019年7月17日(水)〜7月22日(月)限定数なし

<コンタディ・カスタルディ>のイチオシはなんと言ってもサテン! サテンは白ぶどうを生かしたクリアなワインに仕上げるタイプと、樽を利かせて強い味わいを醸し出すタイプに分けられますが、こちらは後者。

シャルドネ100%使用、60ヵ月という熟成期間を経て引き出された重厚で贅沢な味わい……一生に一度は味わいたい名品に出会った気がしました。

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※取扱い:伊勢丹新宿店

 

【名カンティーナ④】フランチャコルタの名生産者のひとり<カヴァッレーリ>

<カヴァッレーリ>のカーヴで長年働く職人と畑を歩く半田バイヤー

カンティーナも残すところあと1軒。最後はフランチャコルタの名生産者のひとりとして知られる造り手<カヴァッレーリ>を訪れました。そのこだわりは、なんといってもシャルドネ。収穫される葡萄から一般量の半分以下しか造らないというこだわりが強い名ワイナリーです。

有機栽培のぶどう畑を歩いてみると、雨が降った翌日にも関わらずこれまでのどのカンティーナよりも土がフカフカしているのを感じました。こういう畑からできるぶどうは、根を深く、強く張ってミネラルを十分に吸い上げることができます。なるほど「あの味にこの畑あり」と感心しました。

【注目の1本】果汁の一番よいところだけをプレスした「ブラン・ド・ブラン・ブリュット」

<カヴァッレーリ>フランチャコルタ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット

<カヴァッレーリ>「フランチャコルタ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット」750ml 5,400円(税込)販売期間:【WEB】2019年7月10日(水)〜7月19日(金)午前10時 限定数12本【店頭】2019年7月17日(水)〜7月22日(月)限定数48本

収穫したその日のうちにぶどうをプレス。しかもファーストプレスのみを使用して造るため、通常の半分以下の量しか醸造できない稀少な1本がこちら。

贅沢な使い方ですが、<カヴァッレーリ>ならではのクリアな味わいは「さすが!」といったところ。フランチャコルタらしい華やかさとしっかりとした果実味にワイン造りへの情熱を感じました。

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※取扱い:伊勢丹新宿店

 

フランチャコルタに足を運び、生産者にお会いしてみると、丁寧に造られたワインの味に、生産者みなさんの人柄も表れているような気がしました。ワインをおすすめするときは、味や香りはもちろんですが、現地の魅力や人々の情熱も一緒にお伝えしたいですね。

フランチャコルタワインが伊勢丹新宿店に勢揃い!

半田バイヤーご紹介の4ブランドのアイテムを含む、多種多様なイタリアンスパークリングが勢揃いするイベント「ノッテビアンカ〜イタリアンスパークリングワインの祭典〜」が伊勢丹新宿店で開催されます!

「ノッテビアンカ」とは、イタリア語で「明るい夜」という意味。日が長くなる夏に、夜の時間をめいっぱい楽しもうというイタリアのお祭りです。美術館や博物館が夜通しオープンしたり、屋外で映画上映会が開かれたり。街の至るところで音楽が響き渡り、空には花火が打ち上がるなど、にぎやかな催しが各地で開催されるのだそうです。

そんなノッテビアンカのように華やいだ気持ちで夏の夜を楽しんでほしいと企画された今回のイベント。華やかな夜を特別な1本で彩ってみては?

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協力:フランチャコルタ協会
写真:仁木岳彦
文:嘉藤美保子

※未成年の飲酒は、法律で禁止されています

バイヤー・スタイリスト / 半田真也
伊勢丹新宿店地下1階「グランドカーヴ」のワイン・洋酒のアシスタントバイヤー。ワインやテキーラに関する資格を持ち、過去にはバーテンダーの経験もあるワイン・洋酒のスペシャリスト。お酒をおすすめするときは、できるだけ求めるワインに近いものを提供できるよう、「聞きに徹する」がモットー。

催物のご案内/商品の取扱いについて

【催事のご案内】
ノッテビアンカ〜イタリアンスパークリングワインの祭典〜
開催時期:2019年7月17日(水)〜22日(月)10時〜20時(最終日のみ18時閉場)

ノッテビアンカはイタリアで夏に日が長くなることを祝って行われるイベントのこと。夏の本当に泡が飲みたくなる時期に、おすすめのスパークリングワインとしてフランチャコルタをはじめとした様々なイタリアンスパークリングをお楽しみいただけます。

【商品の取扱いについて】 
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館6階=催事場と伊勢丹オンラインにて期間限定でお取り扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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