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2019.01.26

読み物・コラム

初心者でも楽しめる「燗酒」入門!【バイヤーのイチオシ】

燗酒

日頃、日本酒を冷やや常温で楽しんでいる人も「お燗」というと少しハードルが高く感じるかもしれません。ところが、伊勢丹新宿店の和酒バイヤー・金子朋広さんによると、実は燗酒こそ温度によって日本酒の魅力を再発見できる、日本酒ビギナーにとってイチオシの飲み方なのだそう。

「燗酒というとお酒上級者向けのイメージが強い、と感じる人も少なくないのではないでしょうか。実は燗酒は自宅でも手軽にでき、日本酒初心者でもおいしさや味の変化を楽しむことができる飲み方です」

金子さん自身も燗酒を飲んで日本酒のおいしさや奥深さに魅了されたひとり。そんな金子さんに、ビギナーにこそおすすめの燗酒の魅力と楽しみ方を教えていただきました。

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燗酒の楽しみ方① 温度で遊ぶ!

卓上酒燗器かんすけと燗酒

燗酒のいちばんの魅力は、同じ日本酒でも常温・冷やの状態とは異なる香りや味わいの変化が楽しめること。

「日本酒を温めると、お米本来の甘みやうまみが引き出され、常温よりもまろやかな口当たりになります。アルコールのとがりがやわらぐので、飲みやすくなると感じる人も。また、ひと口に燗酒といっても、温度帯によって同じ日本酒でも味わいががらりと変わってくるのも魅力です。

一般的に40℃の『ぬる燗』ではやわらかい口当たりと芳醇な香りがまず引き立ち、50℃以上の『熱燗』ではさらに変化して、キリッとした印象になるといわれています。ひとつのお酒から多彩な味わいが引き出されることに驚くはずです」

燗酒の温度一覧

55℃~ 飛切燗
50℃  熱燗
45℃  上燗
40℃  ぬる燗
35℃  人肌燗
30℃  日向燗
20℃前後 常温

「味の変化を感じる目安の温度はありますが、おすすめは自分自身で、好きな味と温度を探すこと。『ぬる燗よりも上燗の方が引き締まった味わいになる』『この日本酒は人肌くらいの温度が1番飲みやすい』など、自分に合った楽しみ方が発見できます」

燗酒の楽しみ方② 好みの日本酒を探す

旭日酒造の十旭日、神亀酒造の神亀

一般的に燗酒に向いているのは純米酒、なかでも精米歩合(※1)が高めの、うまみやコクをしっかり残したタイプのものと言われています。しかし、「燗酒はこうじゃなきゃいけない」というものではなく、「自由に楽しんでほしい」と金子さんは言います。

「まずは、自宅にある日本酒やお気に入りの日本酒を温めてみることから始めましょう。そして、それをさまざまな温度で飲み比べてみてください。『店頭で冷酒としてすすめられたけど、温めてみたらさらにおいしくなった』という経験もあるので、固定概念にとらわれず、いろいろなタイプの日本酒で燗を試してみるのがおすすめです」

※1 日本酒の原料となる米の外側をどれだけ削るかを表す数値を「精米歩合」といい、純米酒のなかでも精米歩合60%以下のものを「純米吟醸」、50%以下のものを「純米大吟醸」という。精米歩合が低くなる(米の外側を削る割合が増える)ほど透明感ある酒質になる傾向がある。

金子バイヤーのおすすめ日本酒

金子さんが「燗酒に挑戦するならぜひ試してほしい」という、おすすめの日本酒2品をご紹介します。

熱することでお米のうまみがグンと増す生酛純米酒

朝日酒造の十字旭

<旭日酒造>十旭日 生酛純米酒 改良雄町70(720ml)1,620円(税込)

金子さんのイチオシは、燗酒にハマったきっかけとなったという<旭日酒造>の「十旭日 生酛純米酒 改良雄町70」(※2)。

「東京で開催された旭日酒造の試飲会で出合ったこの日本酒は、仕込み水としてミネラルが豊富な硬水を使用。硬水を使うことでキレのある辛口になり、適度な酸味とお米のうまみが感じられるお酒に仕上がっています。

燗をつけることでお米の甘みが増して酸味がほどよくやわらぎ、まろやかな味わいに。おすすめは『熱燗』。和食はもちろん、肉料理などとも相性がよく、食中酒としても楽しめます」

※2 現在は乳酸を人工的に添加する「速醸」が主流ななか、「生酛(きもと)」は日本酒のもととなる「酒母」を作る工程で自然界の乳酸菌を取り込んで発酵を促す方法。

取扱い:伊勢丹新宿店

おさえておくべき、こだわりの定番純米酒

神亀酒造の 神亀

<神亀酒造>神亀 純米酒(720ml)1,595円(税込)

次に金子さんが「燗酒におすすめのスタンダードな日本酒」としてセレクトしたのが、埼玉県<神亀酒造>の「神亀 純米酒」。

「濃厚な米のうまみが特徴。どの温度でももちろんおいしいですが、私のおすすめは『飛切燗』で飲むこと。お米のうまみやまろやかな口当たり、キレのよい後味が一層際立ち、温度による味わいの変化をダイレクトに体感できます。濃い味つけの料理と合わせると、お互いの味わいがさらに引き立ちます」

取扱い:伊勢丹新宿店、三越伊勢丹オンラインストア>>

燗酒の楽しみ方③ 酒器を使ってみる

天吹酒造の天吹

<天吹酒造>天吹 酒燗樽(1合用)1,852円(税込)

温度による味の違いを知り、燗酒にしたいお酒が決まったら、燗をつけてみましょう。燗のつけ方にはさまざまな方法がありますが、

酒を入れた徳利(とっくり)を65~70℃程度のお湯につける

といった方法なら、自宅でも簡単にできます。もっと燗酒を極めたいと思ったら、専用の器具を使ってみましょう。

「伊勢丹新宿店の店頭では電気式の専用器具『卓上酒燗器かんすけ』を使用していますが、ほかにも容器に湯を入れて湯煎するだけの簡単で手頃な価格の器具もあります。専用の器具を使えば温度管理がしやすく、よりおいしく作れるので、ぜひ試してみてください」

<天吹酒造>の「天吹 酒燗樽」は、「天吹」のロゴが目を惹く個性的なデザインの酒器。沸かした湯を容器に入れ、酒を入れた徳利を湯煎して好みの温度に温めるだけで家庭でも簡単に燗酒が作れます。ユニークな酒器を使いながら燗酒を楽しんでいる様子を写真におさめれば、インスタ映えならぬ「燗映え」を狙えそうです。

取扱い:伊勢丹新宿店

今年の冬は体も温まる燗酒で、新しい日本酒の魅力を体験してみてください。

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写真:三木匡宏
文:菊池茄奈

※未成年の飲酒は、法律で禁止されています。

バイヤー・スタイリスト / 金子朋広
粋の座・和酒担当バイヤー。「まずは自分で食べてみる」ことを大切にし、食を追求している。趣味は食べ歩きと食旅で、現地の食とお酒を心ゆくまで堪能するのが休日の楽しみ。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座/和酒にてお取扱いがございます。伊勢丹オンラインストア「和酒」はこちら。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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