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2018.11.01

細かすぎて思わず二度見!感性に響く繊細和菓子の世界

<塩芳軒>の泉屋博古館 虎卣

季節を表現した生菓子や干菓子など、意匠を凝らした和菓子の装飾に古くから使われてきたのが「木型」。しかし、その木型を使った和菓子作りを継承する職人は近年減少傾向に。そんななか登場したのが、なんと「3Dデータ」を使った最新技術! これまでの木型の装飾を進化させ、より細やかな表現まで可能になったのです。そんな繊細な装飾が施された限定商品、そして伝統的な木型を使ったものなど、感覚に響く繊細な意匠和菓子を5つご紹介します。

テクノロジーで温故知新! テフロン型で施す緻密な装飾<塩芳軒>

(左から)泉屋博古館所蔵「虎卣 商時代後期・前11世紀」と<塩芳軒>の泉屋博古館 虎卣

塩芳軒>泉屋博古館 虎卣 商時代後期・前11世紀(2個入)801円(税込)※販売期間:2018年11月17日(土)~12月24日(月・祝)

美術展「神々のやどる器 ―中国青銅器の文様―」(※)に展示される、泉屋博古館所蔵の青銅の名器「虎卣(こゆう)商時代後期・前11世紀」をモチーフに、白色と深緑色の干菓子に再現した<塩芳軒>の「泉屋博古館 虎卣」。3Dデータを使って作られたフッ素樹脂加工(いわゆるテフロン加工)素材の精巧な菓子型を使い、青銅の「虎卣」に刻まれた模様を側面まで再現しています。その装飾は、思わず見入ってしまうほどの緻密さ。従来の木型では表現しきれなかった細やかな意匠が施されたビジュアルは、芸術品そのもの。目で十分楽しんだら、ぜひお茶やコーヒーのお供に。讃岐産和三盆と水のみを練り上げた、優しい口溶けと素材本来の風味が楽しめます。

繊細さが光る干菓子<森の香本舗>

<森の香本舗>の折りふしに

<森の香本舗>折りふしに(18枚入)1,944円(税込)

桜の一本木で作られた型を使った<森の香本舗>の「折りふしに」は、四季それぞれの今風古典を主題に造型した和三盆タブレット。1年を通して72種類ある木型を季節に合わせて使用しています。細かい造型までクリアにかたどられ、やわらかな色味が目にも美しい詰め合わせです。四国香川県産「極上」ランクの和三盆と、吉野本葛を使用。口に含むとほろほろと優しく崩れて上品な甘みが広がります。高級感のある装丁も美しく、贈り物にも人気のひと品です。

※季節に応じて意匠が異なります。

「日本の花」をかたどった月餅<円果天>

<円果天>の円果天月餅 桜ノ花(左)円果天月餅 菊ノ花(右)

円果天>円果天月餅 桜ノ花(左)円果天月餅 菊ノ花(右)(各1個)270円(税込)※販売期間:2018年10月31日(水)~11月27日(火)

季節ごとのフレーバーが楽しい<円果天>のひと口サイズの月餅も、桜の木を素材にしたオリジナルの木型でかたどられたお菓子です。これからの時季は、上面に菊と桜の模様を施した2種類の月餅が期間限定で登場。菊の模様のほうには、蓮の実をなめらかな食感に仕立てた餡が入っており、すっきりとした甘さとほのかな苦味が特徴です。桜の模様は、蓮の実の餡を焦がし砂糖で風味付けし、香ばしくコクのある味わいに仕上げています。

晩秋の風情を表現した上生菓子<京菓匠 鶴屋吉信>

<京菓匠 鶴屋吉信>の名残の秋

京菓匠 鶴屋吉信>名残の秋(1個)432円(税込)※販売期間:2018年11月16日(金)~11月30日(金)

上生菓子も木型で意匠を作り上げる和菓子の定番。黄、赤、茶の三色のこなし(練り切り)が美しい<鶴屋吉信>の「秋の名残」は、表面のラインを縦筋の木型を用いて丁寧に描いています。鮮やかな紅葉が散り、霜の降りた土の上で秋の面影を残す情景を見事に表現。やわらかなこなしに包まれた甘さ控えめの餡は、小豆そのものの豊かな風味が感じられます。伝統の道具と職人技が織りなす情緒豊かなひと品を、目と舌で味わいましょう。

木型ならではのぬくもりが感じられる松露<亀屋友永>

硬い山桜の木型を成型に使用した<京菓子司 亀屋友永>の「小丸松露」は、花や栗の意匠を施したひと口サイズの松露。長年大切に使い込んできたという木型が生み出す、温かみのある可愛らしいフォルムが魅力です。成型から、すり蜜にくぐらせる作業まで、一つひとつ職人が手作りするというこだわりは創業当時から。しっとりとした餡とザラメ糖で作るサクッとしたすり蜜が、絶妙な味わいを生み出します。黒餡の丸松露、梅の形の松露、栗の松露が美しく並び、冠婚葬祭などにも人気の和菓子です。

ため息の出るような美しい和菓子たちは、口当たりや味わいも繊細なものばかり。細やかな細工にも強い最新の型、温かみのある伝統の木型、それぞれがもつ風合いの違いにもぜひ注目してみてください。

写真:岡田一也(2枚目左以外)
文:齋藤倫子

催物のご案内/商品の取扱いについて

【催物のご案内】(※)

神々のやどる器 ―中国青銅器の文様―
東アジア金属工芸史上、造形や文様など後の時代に大きな影響を与えた中国古代青銅器。それらの表面には、当時信仰されていた神々に通じる存在として、極めて細緻な文様があらわされています。そのうちの多くは後世に受け継がれ、中華を代表する文様となりました。本展では、住友コレクションの中核をなす作品の数々から、東アジア文様意匠の原点を詳しく紹介します。

 

開催場所:泉屋博古館分館
開催期間:2018年11月17日(土)~12月24日(月・祝)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合開館、翌平日休館)

アクセス:〒106-0032東京都港区六本木1-5-1(東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車北改札正面出口より屋外エスカレーターで3分、東京メトロ銀座線「溜池山王」駅下車13番出口より徒歩10分)

【商品の取扱いについて】 
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1=茶の道/茶席菓子、京菓子匠鶴屋吉信、甘の味/円果天にてお取扱いがございます。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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