2015.05.11
日本のよきものを未来へ。和久傳が目指す新しい6次産業
外で過ごすのに気持ちのいい季節の到来です。ふと思い立ってピクニックに出かける、なんて場面も増えそうですね。
そんなときにぴったりなのが、紫野和久傳が原料から育てて作ったこだわりの常備菜。おにぎりにちょっとのせるだけで、京都の老舗料亭の味が楽しめるお弁当に早変わりします。季節の恵みを詰め込んだこの商品、誕生までのストーリーを三越伊勢丹・和洋総菜担当の大澤邦英アシスタントバイヤーにお聞きしました。
20,000本もの植樹で生まれた、和久傳の森
すっぽんの煮こごりや、れんこん菓子「西湖」など、老舗料亭の本格的な味が魅力の「おもたせ」が人気の紫野和久傳。京都の北、丹後半島の京丹後にある工房では、ひとつひとつの商品が手作りで製造されています。その工房について、大澤さんはこんな説明をしてくれました。
「工房はおよそ8000坪もある広大な敷地にあり、周囲には和久傳の森と呼ばれる自然が広がっています。この森は2007年、和久傳がこの地に工房をかまえたときに、およそ20,000本もの苗木を植えて作られたもの。昔はどの土地にもあった鎮守の森のように、その土地本来の植生を持った森、生きた森を未来に残そうという目的もありました」
植樹当時は、30センチほどだったという苗木。それから8年目を迎えた今、6~7メートルの高さになり、森として順調に成長しているそうです。
和久傳の森から生まれた、新たな商品「実の里」
多種多様な植物が根をおろす和久傳の森では、山椒や椎茸の自然栽培が行われ、ふきのとうやわらびなどの山菜も採れます。森の成長とともにそうした恵みも増え、今回、和久傳の森で採れた山椒、椎茸、ふきのとうを使った常備菜3種のセット「実の里(三種入り)」(若摘み山椒25g、椎茸肉味噌85g、ふきのとう味噌85g)3,780円(税込/限定500セット)が、新しい商品として誕生しました。
このように和久傳が原料を育てるという1次産業に踏み出した理由は、和久傳の桑村綾社長の想いにあったと、大澤さんはいいます。
「京丹後地方はもともと和久傳が旅館としてその歴史を歩みはじめた、思い入れのある場所。『海があり、山がある、自然の恵み豊かなこの土地の味を、もっと多くの人に知ってもらいたい』と、桑村社長はお考えになったそうです。今回の新商品は、そんな想いがひとつの形として実を結んだ結果なのですね」
「日本のよきもの」を世界にも発信していきたい
農業や漁業などの1次産業、食品加工の2次産業、流通・販売の3次産業、これらすべてを手がける経営形態は、1次、2次、3次を合わせたという意味で6次産業と呼ばれています。和久傳の取り組みはまさにこの6次産業。
「機械化された農業で生産する、画一的な食材ではなく、土地ごとに生み出される味を、それぞれにあった最適な形で消費者に届けているのです。6次産業であることは、食に対するアナログ的な取り組みを可能にし、新たな付加価値を生み出すこと。日本の食は輸入に多くを頼っている部分がありますが、ゆくゆくは日本の気候風土が生み出す『よきもの』を、世界に向けても発信していきたい、という想いがあるようですね」
最近では果樹園も整いつつあるという和久傳の森。四季の実りが詰まった商品は、これからもまだまだ生まれてきそうです。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座にて2015年5月15日(金)よりお取り扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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