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2018.04.23

読み物・コラム

長く使える「茶碗」ってどう選ぶ? ― プロが教える「器」のセンスの磨き方 #2

ご飯茶碗がある食卓

いつか器選びが上手になりたい、センスよく器が並んだ食卓でごはんが食べたい……。いつかは、とは思うものの、どこから手をつけていいかわからないし、そもそもセンスがいいって何!? そんな疑問を解決すべく、前回の記事では器選びの入門編として「豆皿」の選び方と使い方をプロに教えてもらいました

2回目の今回、取り上げるテーマは「茶碗」。ふだん使っている器を見直すなら、まずは茶碗を選び直してみるといいとプロは言います。そして選ぶなら、自分に合ったものを、時間をかけて吟味した方がいいんだそう。

でも、「自分に合った」ってどんなもの? 参考までに、編集部の面々が愛用している茶碗を見せてもらいました。

編集部のお茶碗大集合! 長く使えておしゃれな茶碗はどれ?

編集担当の茶碗を持ち寄って並べているところ

集まった茶碗は、見た目にはシンプルなものが大半。サイズや細かなデザインはバラバラです。選んだ理由や気に入っている点についても聞いてみました。

母が買ってくれた、とにかく丈夫な「砥部焼」のお茶碗(下記写真右上)

持ち寄った茶碗を並べ、茶碗を手に取っているところ

「一人暮らしをするときに、焼き物好きの母が買ってくれました。お味噌汁用のお椀もおかず用の皿も全部『砥部焼』で、一式買ってもらったんです。落としても割れないくらい丈夫なところが使い続けている理由ですね。サイズは適量よりもちょっと大きめだし、デザインもそこまで気に入っているわけでもないんですが、とにかく便利なので使っているという感じですね」(担当T)

デザイン重視で買った、お相撲さんのお茶碗

お相撲さんが描かれた茶碗

「セレクトショップかどこかで買ったもの。デザインはかわいいんですが、特に何かこだわって買ったものではないので、持ってくるのがちょっと恥ずかしかったです(笑)。家でほとんどご飯を炊かないので、今回見せてって言われるまで、茶碗にそこまで注目したことがなかったですね。これを機にちゃんとしたものが欲しいです」(担当H)

糖質を抑えたいから、サイズ小さめのお茶碗をセレクト(下記写真右下)

小さめの茶碗

「ふだんの食事では糖質を抑えているので、白米を食べるのは晩ごはんのときだけ。それも量を抑えたいので、茶碗は小さめのものを使っています。それなりにデザインに納得できて、サイズも子供用ではなく小ぶりなものがよかったので、かなり探して見つけました。それもあって、結構気に入っています」(担当K)

それぞれにこだわりがあったり、なかったり。使い勝手に納得している人もいれば、そうでない人もいました。そのなかで、みんなが口をそろえて言うのが「いつかはちゃんとしたのを買おうと思っている」ということ。「ちゃんとした」というのは、デザインにも使い勝手にも納得がいって、一生ものレベルで長く使える、という意味のようです。

そんなお茶碗、どうやったら見つけることができるんでしょうか? プロに話を聞いてみました。

プロはどう選ぶ? 長く愛用できる茶碗選び3つのコツ

話をしているはるやまひろたかさん

教えてくれるのは、各メディアで器の愉しみ方を提案する、器キュレーターのはるやまひろたかさん。長く愛用できる茶碗の選び方には、コツがあるんだそう。

「ご飯を食べるお茶碗は『飯碗』と言って、『自分専用』のものが決まっているパーソナルな器です。箸や汁椀も同じ仲間ですが、これって洋の食器には無い考え方ですよね。自分専用が決まっていて、さらに毎日のように使う、いわば生活の友ともいえる存在です。だから選ぶ際は『自分にしっくりくるか』が大事。陶器市などで衝動買いするよりも、落ち着いて買う方がいいですね」

そう語るはるやまさんが教えてくださった選び方のコツは、次の3つ。

コツ1:必ず「二度見」する

コツ2:手に「しっくり」くるか、持って確かめる

コツ3:家にある食器との「相性」を考える

具体的に例を挙げながら、詳しく教えていただきました。

【コツ1】必ず「二度見」する

茶碗を手にするはるやまひろたかさん

例えば洋服を買うとき、見た瞬間に「いいな!」と思ってもその場で買わず、時間をおいてから買うということがあります。はるやまさんの言う「二度見」もそれと同じことのよう。

「パッと見て『いいな』と思っても、気持ちが高まっていると正確には見極められないものです。特に陶器市やイベントなどで見ると、レジャーの一環として勢いで買ってしまいがち。そうすると、実際にはあまり使わなかったり、家の中の器のテイストがバラバラになったりしがちなんです」

お店でいいなと思ってもその場ですぐには買わず、後日買うのがおすすめの方法。再訪が難しければ、一度お店の外に出て少し考えてみる、という手もあります。

【コツ2】手に「しっくり」くるか、持って確かめる

形のちがうふたつの茶碗

飯碗とひとくちに言っても、そのサイズ・形は実にさまざま。口が広いもの/狭いもの。深いもの/浅いものなど、いくつかを比べてみると違いがよく分かります。選ぶときにはご飯を食べるように手に持って、できれば右手にお箸も持って、使い心地を確かめるといいんだそう。

「洋食器は器をテーブルに置いたままカトラリーで食べますが、和食って器を手に持って食べるシーンが多いですよね。だから、持ったときの感覚ってすごく大事なんです。持ちやすく、扱いやすいものを選ぶことが長く愛用することにつながります。手に持って気持ちのいい器を使うと、食卓の幸せ度も上がりますよ」

高台が低い飯碗を持っているところと、高台が高い飯碗を持っているところの比較

手に持つときは「高台」の形状と直径に注目するといいんだとか。高台とは飯碗の底面についている脚の部分のこと。高台が低めで直径が小さければ、指をそっと添える感じになりますし(写真左)、高台が高めで直径が大きいと指がしっかりかけられるので、がっしりと持つことができます(写真右)。まずは手に持って、自分の感覚を把握してみることが大切。

【コツ3】手持ちの食器との「相性」を考える

無地のシンプルな茶碗と、絵柄入りの皿を組み合わせているところ

無地のシンプルな茶碗と、絵柄入りの皿との組み合わせ

最後は、飯碗のデザイン(色と絵柄)の話です。プレートや鉢などと違い、飯碗は盛るのが白いもの(ご飯)と決まっているので、盛る料理との相性は考えなくてもOK。気をつけるといいのは、家にある食器とのバランスだそう。

「家にある食器が、絵柄が入ったものなど派手なタイプが多い場合は、飯碗はシンプルなものを選ぶとバランスがとりやすいですね」

絵柄入りの茶碗と、無地でシンプルな皿を組み合わせているところ

絵柄入りの茶碗と、無地でシンプルな皿を組み合わせているところ

逆に、家にある食器は無地でシンプルなものばかり、という場合は絵柄が入った飯碗を選ぶと、アクセントがついて食卓が楽しくなるんだそう。

「飯碗は、自分専用のパーソナルな器のなかでも『一番』に来るもの。特別扱いの食器なんです。だから、ぜひ気に入ったものを選んでほしいですね。自分が好きなもの、使いやすいものを見つけるコツをつかんだら、他の器も選びやすくなって、器選びがどんどん楽しくなっていきますよ」

じっくり見極めて、手に持ってみて、自宅で使う場面をイメージする……長く愛用できる器選びに必要なのは、自分で「納得がいく」ということなのかも。そして、納得がいくものを選び続けていくことが、器上手への近道なのかもしれません。

次回は、飯碗の相方とも言えるお椀(汁椀)選び。ちょっとハードルが高く感じる漆塗りの器(漆器)の選び方について、ごくごく基本から教えていただきます。

こんな茶碗もおすすめ!

この記事を読んで、飯碗の購入をお考えになった方のために、日本橋三越本店にてはるやまさんにおすすめの飯碗を4点、セレクトしてもらいました。サイズ、絵柄、形はさまざまですが、いずれも気取りがなく毎日の食卓になじみやすいものばかり。ぜひ参考にしてみてください。

有田焼 其泉窯 秋草瓔珞文 飯碗(小) 3,240円

有田焼 其泉窯 秋草瓔珞文 飯碗

カラフルで小ぶりな花柄、丸いフォルムがキュートな飯碗。毎日のごはんが楽しくなりそう。

取扱い:日本橋三越本店

清水焼 花月窯 櫛目印章飯碗 3,240円

清水焼 花月窯 櫛目印章飯碗

側面に白い花がさりげなくあしらわれています。粉引の質感が、使うほどに手になじむよう。

取扱い:日本橋三越本店

高取焼 鉢(小) 黒アメ 1,944円

高取焼 鉢(小) 黒アメ 1,944円

浅めの飯碗が好きな方にはこんなタイプも。シックな色あいが食卓を引き締めます。

取扱い:日本橋三越本店

瀬戸焼 梅村知宏 黄瀬戸 飯碗 3,240円

瀬戸焼 梅村知宏 黄瀬戸 飯碗

しっかりと深さがある、瀬戸焼の飯碗。やや渋めな色合いと質感が、白いご飯の美味しさを引き立てます。

取扱い:日本橋三越本店

 

はるやまひろたかさん

監修:はるやまひろたか

器キュレーター。日本各地に足を運び、フィールドワーク的に器をセレクトし、各メディアで器の愉しみ方を提案。東京・神楽坂にて、店舗「コハルアン」を運営。

 

文: FOODIE編集部

写真:岡崎健志 
撮影協力:コハルアン、タカハシユキ
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品の一部は、日本橋三越本店本館5階=和食器にてお取扱いがございます。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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