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2015.05.09

読み物・コラム

麹、味噌、酒粕―「醸す」ことの多様性こそ日本食の知恵

豊かな自然の恵みと、さまざまな知恵や技によって築かれてきた日本の食文化がいま、世界中から注目を集めています。そんな日本の食文化に欠かせないものが、発酵を利用した調味料です。
今回は、そのなかでも味噌、酒粕、麹を使った<醸す kamosu 和僑商店>の「鶏 西京漬け」648円(税込/写真上)と「銀鮭熟成粕漬け」756円(税込/写真下)をご紹介しましょう。

発酵文化を伝える「醸す地区」発の味

「この西京漬けと粕漬けには、地域のこだわりが詰まっています」と話すのは、三越伊勢丹・和洋総菜担当の大澤邦英アシスタントバイヤー。聞けば、かつて「発酵の街」として栄えた新潟市では、沼垂(ぬったり)の発酵食品が使われているのだとか。
「沼垂は、古くから味噌や醤油、酒、納豆などの発酵食品の製造が盛んだった地域です。近年は製造所の数もかなり減っていたようですが、昨年、地域の活性化を目指して、和僑商会傘下の峰村醸造、今代司酒造、古町糀(こうじ)製造所から成る『醸す(かもす)地区』という観光エリアが誕生し、日本の発酵文化を国内外に発信するなど活気づいてきています。今回、販売することになった西京漬けや粕漬けは、この『醸す地区』の宝がふんだんに使われたものなんです」

醸すことは、うま味を倍増させること

一見、よくある西京漬けと粕漬け。でも、実は、発酵食品の絶妙な組み合わせが、奥深い味わいを生んでいると大澤さん。
「鶏の西京漬けは、峰村醸造の味噌をブレンドした甘みのある西京味噌に、今代司酒造の純米酒で昆布とかつお節のだしをとって煮詰めた『贅沢だしの蜜』を加えているので、うま味とコクが抜群です」
銀鮭の粕漬けには、今代司酒造の純米酒の酒粕と峰村醸造の味噌、さらに古町糀製造所の糀がブレンドされているそう。
「脂が乗った鮭の味わいを甘みのある味噌が引き立て、酒粕と糀でさらにうま味を引き出したひと品です。ちなみに、同じ読みの『麹』と『糀』。古町糀製造所の社名に使われている『糀』は、明治初期にできた和字で、「米糀」のことのみを指すのだとか(『麹』は、大豆製や麦製なども含む、総称)。そんなところにも、こだわりを感じさせますね」
「うま味」といえば、日本人にとっては馴染み深い基本五味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)のひとつ。発酵を利用した調味料とうま味には、切っても切れない関係があります。
「味噌や日本酒、醤油、味醂、酢など、日本の主な調味料は、ほとんどが麹菌を使って醸されたもの。醸すことによって調味料自体が、うま味を増やし、味わい深いものになっていきます。そうした調味料を使って食材を調理し、素材の持ち味を最大限引き出すところが、日本食の特徴なのではないでしょうか」

家庭でも「醸す」料理を楽しもう

店頭では、お総菜だけでなく、西京漬けに使われている<峰村醸造>の「贅沢だしの蜜」も販売される予定とのこと。
「この『贅沢だしの蜜』とお味噌を混ぜたタレに豚肉や鶏肉を一晩漬け込めば、ご家庭でも簡単に味噌漬けをお楽しみいただけます。そんなふうに食卓で『醸されたもの』を味わいつつ、発酵食品ができるまでの過程にも、ほんの少し思いを馳せてもらえるとうれしいです」
手間暇かけてつくられる「醸されたもの」の魅力を再発見する機会になりそうですね。

 

文: 森田香子

※「FOODIE」2015年5月号掲載の再編集記事です。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 大澤邦英
常に「新規性」「効果性」「実現性」の3本の柱を意識した商品作成をモットーに仕事に取り組んでいます。好きな食べ物はタルタルソース。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=旨の膳プロモーションにて、5月6日(水)~6月9日(火)まで、お取り扱いがございます。

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