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2015.05.08

食べ比べしてみたい! バラエティ豊かな「郷土寿司」いろいろ

食べ比べしてみたい! バラエティ豊かな「郷土寿司」いろいろ_1

健康食ブームの影響もあり、近年では海外でも人気のお寿司。すでに日本人にも親しまれている、アメリカ生まれのカルフォルニアロールのようなものもあって、その浸透度の高さがうかがえます。

軍艦巻きを供しても、食べる前に海苔を剥いでしまうアメリカ人。そんな状況に業を煮やした、ロサンゼルスのスシ・バーの職人が、海苔をご飯の内側に巻いて見えなくしたのが、カルフォルニアロールの始まりといわれています。

日本国内においても地域によって、寿司の味や作り方、材料はさまざま。今回は、そんな日本各地の郷土寿司から、よりぬきの5選をご紹介しましょう。もしかすると、まだ食べたことのない郷土寿司に出会えるかもしれません。

お寿司の代表格といえば、江戸前寿司

食べ比べしてみたい! バラエティ豊かな「郷土寿司」いろいろ_1

まずは東京都の「江戸前寿司」。諸説あるようですが、江戸時代に華屋与兵衛が考案したとされ、これが大流行して現在のスタイルが広まったとか。現在では充分な時間をかけて食事を楽しむのが主流ですが、当時はお店で適当に素材を見つくろった注文をし、小腹を満たしたら、すぐに引き上げるという、いかにもせっかちな江戸っ子の食事マナーが「粋」とされていたそうです。

写真の「江戸前握り寿司」は、旬のシンコやイカのほか、マグロ、穴子、貝など、東京湾と相模湾で水揚げされた魚介を使用。シャリは江戸前寿司の伝統を守り、赤酢を使って仕立てています。

<東信水産>江戸前握り寿司(6貫) 1,296円(税込)■フレッシュマーケット

一度にできる量は数十人前! 岩国の押し寿司

食べ比べしてみたい! バラエティ豊かな「郷土寿司」いろいろ_3

握り寿司以前の主流だったのが「押し寿司」です。押し寿司は、酢飯と魚を箱に詰めて、重石をしたもの。山口県岩国市周辺で食べられている「岩国寿司」は押し寿司の一種で、一度に3升から1斗入る大きな木枠に酢飯と具を入れ、何層にも重ねて押し固めます。できあがった大きな押し寿司を一人前ずつに切り分けて供するので、なんと一度に数十人前ができあがるのだとか!

ここでオススメする岩国寿司は、ほぐした魚の身を混ぜ込んだ酢飯の上に、イクラやレンコン、椎茸、錦糸卵などをのせて何層にも重ね、押し固めた逸品。一人前サイズにカットしてくれるそう。

<スシアベニューK’s>K’s岩国寿司(1個)432円(税込)■旨の膳

兵庫で水揚げされた紅ズワイの棒寿司

食べ比べしてみたい! バラエティ豊かな「郷土寿司」いろいろ_4

大阪府をはじめ近畿から中国地方にかけて、各地で食べられているポピュラーな「棒寿司」。鯖の押し寿司などは、駅弁や空弁でもよく見かけますね。なかでもこの季節だからこそ、ぜひとも食べてほしいのが、兵庫県香住漁港で水揚げされた紅ズワイのほぐし身を使った棒寿司。夏の期間は禁漁となるため、紅ズワイが味わえるのはこのシーズン最後!

<東信水産>紅ズワイの棒寿司(1本)1,180円(税込)■フレッシュマーケット

志摩の漁師発祥、鰹たっぷり手ごね寿司

食べ比べしてみたい! バラエティ豊かな「郷土寿司」いろいろ_5

そして三重県発祥の「手ごね寿司」。漁師が忙しい合間をぬって、鰹とご飯を手で混ぜて食べたのが始まりとされ、現在でも同県では宴会の席などで食べられているそうです。「つきじ鈴富」の手ごね寿司は、鰹の赤身を醤油中心のタレに漬け込み、寿司飯と合わせて、大葉や生姜などを散らしたもの。この機会にぜひ。

<つきじ鈴富>手こね寿司(1折)1,296円(税込)■旨の膳

コロンとかわいい、萩の夏みかん寿司

食べ比べしてみたい! バラエティ豊かな「郷土寿司」いろいろ_6

山口県の農家で、喉を潤したあとの夏みかんの皮を使って作ったとされる「夏みかん寿司」。夏みかんは昔から、ノドの渇きを癒す、労働の合間のオヤツにされていたほど果汁が多く、「だいだい酢」として使われています。
中身をくり抜いた夏みかんの皮に寿司飯を詰め、サーモンや白身魚などを散らした「有職」の夏みかん寿司は、見た目もコロンとして愛嬌たっぷり。旬を迎えた夏みかんの、さわやかな香りと酸味が楽しめるお寿司です。

<有職>夏かん寿司(1個)1,512円(税込)■旨の膳 ※販売期間:5月10日(日)より販売

ほかにも、魚に塩と飯を混ぜて長期間保存し発酵させた「なれずし」、奈良県、和歌山県の郷土料理である「柿の葉寿司」、伊達巻のなかに酢飯と具材を巻き込んだ「伊達巻寿司」など、挙げるとキリがないほど、国内には郷土色豊かな寿司がいっぱい。どれから食べようかな、もいいけれど、寿司の発祥の理由や歴史から辿るのもおもしろいですよ。今回ご紹介した、今の季節だからこそ食べられる初夏のお寿司、ぜひご賞味ください。

文: 林香津美

※「FOODIE」2015年5月号掲載の再編集記事です。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産、旨の膳/スシアベニューK’s、つきじ鈴富、有職にてお取り扱いがございます。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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