Foodie(フーディー)は、三越伊勢丹グループが運営する食のメディアです。

2017.10.04

「科学」で生み出した唐辛子のフードペアリングに注目! こんな組み合わせアリ!?

サブレ、内藤とうがらし、鯖寿司のイメージ

唐辛子は、いろいろな食材と組み合わせることができる万能香味野菜。料理に香りや辛さをプラスできるため、和食に限らず広く使われている定番食材です。しかし最近、これまでにはなかった料理、例えばスイーツ、春巻き、寿司などと、唐辛子を組み合わせたアイテムが登場。どうやらそれが、すごく美味しいらしいんです。その根拠となっているのが、食材の「香り」や「風味」=フレーバーに注目して食材を組み合わせる「フードペアリング」という考え方。

一体どんな考え方なの? ほんとに美味しくなるの? など、気になるポイントを服部栄養専門学校の服部幸應先生に聞いてみました。

フードペアリングとは、「香り」がぴったり合う食材の組み合わせ方

内藤とうがらし

「一般的に、人間の『味覚』は、『苦い・酸っぱい・しょっぱい・甘い・旨さ』の5つだとされています。でも実は、すべての食品の複雑な味わいがこの5つで表現できるわけではないんです。そこで最近、5つの味覚とは別の要素として注目されているのが『フレーバー(風味・香り)』。鼻をつまんで食べると味がわかりにくくなるように、香りは味覚に大きな影響を与えているのです。フードペアリング理論とは、食品に含まれる香り成分(揮発化合物)から、相性のよい食材の組み合わせを考えること。揮発化合物の共通箇所が多い=相性がよい、ということなんです。これは、ヨーロッパを中心に広まった比較的新しいアプローチ。これまで、『風味の組み合わせ』のジャンルはソムリエなどの鍛錬されたプロの領域でした。しかし、オランダ応用科学研究機構が食品中に含まれる揮発化合物を分析し、科学的に組み合わせることができるようになったんです」

唐辛子と相性がいい、意外な食材って?

「私たちが最近注目している食材が『唐辛子』。フードペアリング理論にもとづいて、唐辛子の香り成分を分析、相性のいい食材を探しているんです」

実は10月4日の唐辛子の日から、伊勢丹新宿店では期間限定で唐辛子を使ったメニューが登場。その中でも特に意外なアイテム、「サブレ」「鯖寿し」「春巻き」の3つについて、服部先生にフードペアリングの視点から解説してもらいました。「なぜ唐辛子に組み合わせたの!?」と、なんとも味が想像つかない意外な3つですが、背景にある理論を知ると、すごく納得なんです。

①【サブレ】唐辛子に柑橘類が合う!? 小麦の香りともマッチ

内藤とうがらしサブレ

<内藤とうがらしプロジェクト>内藤とうがらしサブレ(3種×各1/計3枚) 648円(税込)

1つめは、唐辛子にチョコレート、チーズ、グレープフルーツルビーをそれぞれ組み合わせたサブレ。甘みの中に辛さの刺激が主張する新鮮な焼き菓子です。

「唐辛子の香り成分と相性がいいのは、グレープフルーツなどの柑橘類のさわやかな香り。唐辛子×チョコレートやココア、唐辛子×チーズも、各食材の香り成分のマッチングが良い組み合わせです。また、ベースとなるサブレの小麦の香り、バターの香りがそこに加わることで、さらにバランスのとれた食べやすい組み合わせになるんですよ」

②【鯖寿し】鯖と唐辛子味噌の意外な組み合わせ

魚庵の金華鯖棒寿し

<魚庵>内藤とうがらし使用 南蛮味噌仕立て 金華鯖棒寿し(1本/8切) 2,376円(税込) ※販売期間2017年10月5日(木)より販売

2つめは、粉末タイプの唐辛子を混ぜた甘辛い味噌と鯖寿しの組み合わせです。鯖とご飯の間に辛味噌をサンド。鯖の旨みと脂を唐辛子の辛みがさわやかに引き締め、味噌の風味がそっと広がります。

「鯖と唐辛子は、フードペアリング的に相性が良い組み合わせなんです。鯖はご飯のフレーバーとも合いますし、さらにご飯と味噌もフードペアリングでは相性が良いので、フードペアリングのリレーとしては理想的。寿司と唐辛子入り味噌は、ありそうでなかった組み合わせでおもしろいですね。お召し上がりになるとき、柚子や山椒、クミンやパクチー、シナモンなどをごく少量合わせると、さらにフレーバーの広がりを楽しめると思いますよ」

③【春巻き】干豆腐に燻製の香りをつけた途端、唐辛子と抜群の相性に!

海苑のセロリの春巻き

<海苑>内藤とうがらし使用 セロリの春巻 唐辛子風味(1本) 180円(税込)

3つめのアイテムは、春巻き。その具材がちょっと変わっています。セロリ、燻製の干豆腐、唐辛子を合わせてカラッと揚げているんだそう。シャキッとしたセロリの食感、燻製の香り、ピリッとした辛みが融合して、五感で美味しさが楽しめるんだとか。

「春巻きにセロリと干豆腐? と思われるかもしれませんが、フードペアリングではセロリと大豆の香りは好相性。しかも、燻製の香りと唐辛子との相性もいいので、燻製仕立てにしたのは秀逸なアイディアだと思いますよ」

フードペアリングのおもしろさは、今までになかった素材の組み合わせが楽しめること。しかも、ただ新鮮! 斬新! なだけではなく、その意外性の奥に、科学的な裏づけがあるところがポイントです。実際に食べてみると「これは美味しい!」と味わいに納得できる楽しさがあります。未体験のフードペアリングの世界、ぜひ一度味わってみてください!

服部幸應氏

取材協力/服部幸應(服部栄養専門学校理事長・校長・医学博士)

日本の食育や味覚教育に長くかかわり、貢献してきたことで知られる。2016年にフードペアリング理論に基づき、唐辛子ときんかんのジャムを開発。伊勢丹新宿店で販売し、評判となった。

 

文: 白鳥紀久子

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、2017年10月4日(水)〜10月10日(火)の期間、伊勢丹新宿店本館地下1階=フードコレクションにてお取扱いがございます。 ただし、<魚庵>南蛮味噌仕立て 金華鯖棒寿しのみ、2017年10月5日(木)~10月10日(火)の販売です。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

FOODIE 占い

人気のカテゴリー

閉じる